かわいそうで見てられない
「あの子が本当にかわいそうで見てられませんでした。」
教頭から昨日の授業後すぐ、そうご指導いただいた。
2年生のYくんだ。
観察授業の際、彼は「わからない」と口にできず、ただただ鉛筆を削ることで教室残ることを選んだ。
いや、違う。
私がその選択肢しか与えられなかったからだ。
彼は約束を守っていた。
“教室から出ない”
それだけの約束だ。
でも、みんなが何をしているか全くわからない。
どうしたらみんなと同じように授業に参加できるか、それができない。
彼は形だけでも“みんなと”“同じように”ただ授業に参加したかっただけなのだ。
私は彼に授業中、
「やろ?」
「ここをなぞって」
それしか言わなかった。
それで、できると“私が”勝手に思っていたからだ。
わからない気持ちをわかっていたつもりだったのだ。
でも、本当になんとかしたい気持ちはなかったのだ。
彼がどうしたら45分間授業に参加できるかを考え抜き、具体的な手立てを行なっていなかったのだ。
まぁ、なんとかなるだろう。
浅はかすぎる考えだった。
今日の算数は教頭のご助言を受けて、算数のプリントを全てなぞれるようにした。
彼が教室に入ってきた。
(それまでは外に出てフラフラしていた)
「Y、なぞれるようにしたよ。」
「一緒にやろう。」
上手くいくと思っていた。
しかし、そう簡単にはいかない。
彼はプリントもらい、「うん。」と言ってそのまま机にプリントを置きっぱなしにした。
そして、廊下に出た。
【私が変わるしかない】
本当にそう簡単にはいかないのだ。
今の状態してしまったのは、他でもない。
私なのだから。
今までのやり方、伝え方、関わり方ではいけない。
今日書いた一筆箋はゴミ箱に捨てられた。
でも、自分で落書きをしていた。
銀のラメつきのペンで書いた。
もっとキラキラさせたかったのか、星マークがついていた。
もっともっと見てほしい。輝きたい。
そんな彼の思いがうかがえた。
変われるのはわたしだけ。
明日も精一杯彼と信頼を築いていく。
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