#スイス の #大学院 で、クラスメイトと交わるなかで常々感じていたことは、欧米人は相手がどう想うかより、自分がどうしたいかを優先して行動する傾向が強いことです。それは時に強引で、見ていて危なかっしく、不愉快に感じることもありますが、その一方で、なにかを叶えたい_自分がハッピーでいるためには、必要な手段_姿勢であるようにも感じます
鉄は熱いうちに打て
2012年
日本のスポーツ界における組織的、あるいは人的な国際力の強化を目的に、日本オリンピック委員会_JOCが立ち上げた「国際人養成アカデミー_JISLA」というプログラムに参加する機会がありました。このプログラムでは、外国人講師より、英語での交渉術やプレゼンテーションスキルをはじめ、日本のプレゼンスを高めるために「国際人」として必要な知識などを習得することができました。ちなみに、JISLAでは、外務省やスポーツ団体などから招聘された日本人講師以外は、すべて #英語 _日本語禁止で行なわれていました
このプログラムのほとんどを担当していたメイン講師の教えは、とにかく新鮮なことだらけでした。プログラムが実施される週末_金土日の2泊3日は、共働きだった妻の協力も得て家庭を離れ、JOC関連施設に寝泊りしながら、他スポーツ団体からの受講生と共に、積極的に参加していました
2017年4月上旬
#大学院留学 に必要な、 #IELTS の条件が満たせていなかった僕は、5月1日締切の2018年度申請は諦めることとし、2019年度の入学に向けて気持ちをシフトしました。この1年をかけて、自分の英語力をブラッシュアップし、今度こそIELTSのターゲットスコア_あるいはそれ以上を目標に掲げ、再度チャレンジするよう計画を立て直しました
そのためには、自分の #英語学習 の見直しが必要だったので、僕は前述のJISLAでお世話になったメインの先生に、転職後の現在地の報告を兼ねて、効果的な英語学習に関する相談のメールを送りました。レスの早い先生は、詳しく話を聞きたいということで、後日先生のオフィスで面会することとなりました
先生がフリーランスで個別に英語指導をしていることも知っていたので、実際に先生からレッスンを受けてもいいかと考えていました。なので、仕事を依頼するクライアントのような感覚で、これまでのことも、将来の目標も包み隠さずに話しました
先生はIELTSにはあまり明るくないので、それに関する指導はできないということで、それ専門のレッスンを希望するなら、知人を紹介するとのことでした
それよりも、僕の2回受験したIELTSのスコアシートの両方を提出すれば、それなりに英語スキルがあることは選考サイドに理解してもらえる余地があると言うのです。補足説明のレターも添えて、2017年9月の入学まで、継続的に英語を学習し、IELTSも再度受験し、最低要件を満たしたスコアシートを提出すると誓約してみたらどうかと言うのです。そんな考えは全く持ち合わせていなかったので、正直驚きましたが、たしかに各モデュールのベストスコアを抽出すれば、出願条件は満たしていると妙に納得していました
また、僕が入学を目指す大学院には日本人の合格がこれまで極めて少ない上、 #Tokyo2020 が控えている今の時期なら、 #ローザンヌ で日本人が必要とされる可能性が十分高いことも考えられると言うのです。そして、僕がローザンヌで働くことができれば、大学院にとってもメリットになると言うのです
以上の観点から、この5月1日の申込を見送らずに、チャレンジしたらどうかと提案されました
Strike while the iron is hot
相談だった筈の面会は、想定外の展開へと進んだのです
どうせ悔やむなら、やってみよう_しかも大胆に
先生と別れるまでは、本当にそれでいいのかと半信半疑で、強引すぎないかと躊躇っていたのに、満員の日比谷線に揺られながら、改めてひとり熟考していると、不思議なもので、なんの根拠もないのに、うまくいくような気がしてきたのです
「どうせ悔やむなら、やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい」
還暦を過ぎた頃から、母はよく僕に言うのです。人生はあっという間で、振り返るとあの時やっておけばよかったと想うことは、たくさんあるのだと。だから、若いうちは、可能な限りなんでもやっておいた方がいい。やらない後悔は、特にタチが悪いからと。そんな母の言葉も脳裏を過って、来年の申請にシフトしたことが本心ではないように感じてきました
0.01%、あるいはそれ以下かもしれないけれども、まだそこに僅かの望みがあるかもしれない。手を伸ばさない限り、糸は切れてしまう
家に着く頃、気持ちは十分に固まっていました
自分のキャパシティや、目の前の現実を超えていかなければならないこのチャレンジは、当然不安も相当にあったのですが、なぜか気持ちはとても清々しく、前向きなものでした。当時の僕は、できるだけ早くローザンヌに渡って、できるだけ早く #国際スポーツ組織 のネットワークに入り込むことが最優先事項だと想い描いていました。そして、これに向かって進むことが、自分にとって最もハッピーな選択であると理解したのです
そういえば、転職した時もそうでした
大好きなスポーツの世界だけれども、日常のハラスメントに耐え忍びながら、いつかきっと自分のやりたいことを実現できる日が訪れると信じ、この場所で待ち続けることが、果たして本当に幸せなのか。そんなフラストレーションに取り憑かれながら、機会を失って老いていくより、自分から未知の世界へ飛び込んで、欲しいものを手中に収める方が、僕が心から追い求める幸福なのではないか
なにかを成し遂げるためには、時に大胆になることも必要です
結果的に、この転職活動では予想以上の成果をあげることができました。多分、この時に身についた自信も、この決断の後押しになったと振り返ります
家族が寝静まったあとすぐに、先生へ面会の御礼と、5月1日の申込にチャレンジすると決心したこと、そしてその場合にサポートすると言ってくださった申込書類の事前チェックについてお願いをするメールを送りました
働きながら、英語の申請書類
翌日から早速、申請書類の準備に着手しました。締切までは、残り2週間もありませんでした。しかも、働きながらの準備でしたので、出勤前や子供を寝かしつけた後など、IELTSの時以上に集中して、下記書類を準備しました
- 履歴書_英文
- 志望動機書_英文
- 推薦状_2名分_英文
- IELTSスコアシート_2回分 + 英語力に関する補足説明レター_英文
すべての書類をゼロから、英語で作る必要があっただけでなく、いくつかの指針_たとえば、志望動機書はA4で3ページ以内におさめ、かつスポーツに関する現状の問題を提起しなければならないなど_があった上、先生の忙しいスケジュールも考慮し、添削を受け取って、最終版に仕上げるまでのタイムラインを組み立てると、かなりタイトで、ハードでした
しかしながら、自分で決めた自分の目標なので、モチベーションを高く維持しながら、計画通りに進めることができました。特に、妻の協力なしでは、あの短期間では完成できなかったと心から感謝しています
インターネットに溢れる、英文の履歴書や志望動機書を他より目立たせる方法などの紹介サイトを参考にしながら、先生のアドバイスも受けて、なんとか締切日の前日までには、全ての書類を用意することができました
申込要件を満たしていないIELTSのスコアに関する説明レターも、先生のヨーロッパ人らしい視点の表現を参考にしながら、ポジティブに伝わるように書き上げました
送信ボタンをクリック_して始まる荊の路
2017年5月1日_申込締切日
その日の就業後、自宅最寄駅だった中目黒のカフェに立ち寄って、普段は持ち歩かない自分のパソコンを開き、最後の仕上げに取り掛かりました
書類は指定のプラットフォームからのオンライン申請でしたので、事前にサインアップしてあったアカウントからログインし、各書類を3回は読み直して、最後の校正を完了させました。そして、PDFに変換したデータをアップロードし、最終確認画面にまで辿り着きました。その時すでに、22時を廻っていたと想います
深呼吸して、祈りを込めながら、「SUBMIT_送信」ボタンを押しました
届け、この想い
申請完了の通知メッセージを確認して、パソコンを閉じました
達成感と安堵感に包まれて、なんだか少し家路を遠回りしたくなり、目黒川沿いを歩くことにしました
街灯に照らされた新緑の桜並木を橋の欄干から見上げて、僕は高揚する気持ちが抑え切れず、疲れも忘れて、0.01%以下の望みが叶うことだけを信じていました
まだまだ、荊の路は続くというのに
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