「絵馬に願ひを!」の「参道の記憶」の仕組み解説
Sound HorizonのBD「絵馬に願ひを!」の「参道の記憶」の数列の仕組みを調べてみました。
このページの内容は自由に転載してもらってかまいません。
仕組み
曲ごとの番号
「参詣せり」で聴ける曲には、以下のような番号が付けられています。
$$
\begin{array}{|c|l|l|} \hline
番号 & 曲名 & 因子 \\ \hline
00 & 生まれちゃいけない命... & 40000000 \\ \hline
01 & 君/私の心に一番近い指 & 00000200 \\ \hline
02 & 私/我が繋ぐは新しき神話 & 01000000 \\ \hline
03 & 生みたかった命... & \\ \hline
10 & 君の心に... & 00000100 \\ \hline
11 & 私の友達 & 00020000 \\ \hline
12 & 秋季例大祭 & 00010000 \\ \hline
13 & 我が繋ぐは... & 02000000 \\ \hline
20 & 月が廻る夜 & 00004000 \\ \hline
21 & 月影と秘密の園 & 00002000 \\ \hline
22 & 太陽と魔法の店 & 00100000 \\ \hline
23 & 《祝い酒に隠し味を足してあげる理解者?》な男 & 04000000 \\ \hline
30 & 弥生の大海原(死ぬということだ) & 00200000 \\ \hline
31 & 神無月の大鳥居(痛った) & 00001000 \\ \hline
32 & 神無月の大鳥居(無理だ) & 00040000 \\ \hline
33 & 弥生の大海原(まだ死にたくない) & 00400000 \\ \hline
\end{array}
$$
番号の左の桁は、左の「参詣す」のルートで決まり、右の桁は右の「参詣す」のルートで決まります。(1番目と3番目の選択肢で、左左と選べば0、左右と選べば1、右左と選べば2、右右と選べば3です)
取得済み因子
「参道の記憶」の数列を作るには、まずは取得済みにしたい曲の「因子」列の数値をすべて足します。
たとえば「私の友達」「秋季例大祭」「太陽と魔法の店」を取得済みにしたい場合、00020000、00010000、00100000を足して00130000になります。
そのあと、上から2桁目~6桁目にある3を4に、4を3にします。
さきほどの00130000は4桁目が3なので00140000になります。
「参詣せり」の曲
「参道の記憶」の数列の下2桁は、「参詣せり」で聴ける曲です。(つまり左右の「参詣す」で選んだルートです)
最後に通ったのが左の「参詣す」の場合、下2桁はそのまま曲番号です。たとえば「秋季例大祭」なら下2桁を12にして、00140012になります。
最後に通ったのが右の「参詣す」の場合、下2桁は曲番号の左右の数値を入れ替えて44を足した値になります。「秋季例大祭」なら12→21→65になります。
00140012でも00140065でも(判明している限りにおいて)違いはありません。
ランダム値
一番上の桁にはランダムで0~3が足されます。
つまり00140012、10140012、20140012、30140012は(判明している限りにおいては)同じ状態です。
「参詣せり」を連続して選んだときでもこのランダム値は変わります。
補足
星の配置
タイトル画面の星の配置と、曲番号の組み合わせは以下です。
$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
& & & & 00 & & & & \\ \hline
& & & & 02 & & & & \\ \hline
& & & & 13 & & & & \\ \hline
& & & 23 & & 22 & & & \\ \hline
30 & 33 & 12 & & & & 11 & 32 & 31 \\ \hline
& & & 21 & & 20 & & & \\ \hline
& & & & 10 & & & & \\ \hline
& & & & 01 & & & & \\ \hline
& & & & 03 & & & & \\ \hline
\end{array}
$$
下2桁で有効な値
「参詣せり」で表示される「参道の記憶」には出てきませんが、曲番号に04を足した値と、曲番号の左右を入れ替えて40を足した値も、下2桁として有効です。
つまり下2桁が16と61の場合も「秋季例大祭」になります。
これらの値で開始したあと「参詣せり」を選んだ場合、16は12に、61は65に変わります。(つまりこの特殊な値は保持されません)
考察
「参道の記憶」の仕組みに関する説明はここまでで、以降はなんとなく思いついたことを書いただけの雑記になります。
「絵馬に願ひを!」にはまだ発見されていない隠しルートがあるといわれています。(「紡がれし縦糸」?)
この参考になるかはわかりませんが、「参道の記憶」の仕組みで気になる点を書き出してみました。
3と4の入れ替わりについて
「参道の記憶」の上から2桁目~6桁目は3と4が逆になります。
数列を解析にしにくくするための処置とも考えられますが、それにしては単純すぎます。(簡単にもっと複雑にできそうです)
偶然なのか、この入れ替わりによって44000400や44000444の星の配置が、ちょうど縦一列(縦糸?)になります。
この入れ替わりがなければ43000300なので、なんとなく意図的なものを感じます。(サンホラ的に4は死で紫ですし)
また曲中の「幸せ」は「幸0304」と書かれていて、ここにも3と4が出てきます。(この数値自体は「11文字の伝言」のものですが、あのときは「幸」も数値でした)
ちなみに「たて」を「11文字の伝言」的に書くと「04010404」です。
下2桁の最後のルート情報
「参道の記憶」の下2桁には、最後に通ったのが、左の「参詣す」なのか右の「参詣す」なのかという情報が含まれています。
ただ「参詣せり」で流れる曲や、他の部分でもこの情報が使われている形跡はありません。(「生まれちゃいけない命...」の2バージョンの分岐とも関係なさそうです)
わざわざ情報として残す以上、何かに影響しているのではと考えると、まだ未発見の要素がありそうな気がします。
ランダム値
「参道の記憶」の一番上の桁には0~3のランダムが含まれています。
「参詣せり」を選ぶたびに変わるのでランダムではありそうなのですが、この値が何のためにあるのか不明です。
よくあるパスワードではこの部分にハッシュ値(数列の他の部分から計算した値)を入れておいて、パスワードが正しいかのチェックに使ったりしますが、そういうことでもありません。(ランダム値ですべて有効な「参道の記憶」なので)
なぜ8桁なのか
「参道の記憶」の入力では、下から3桁目は0、1、2、4しか入力できません。(クリア後の8、9を除いて)
つまりランダム値をなくせば、「参道の記憶」は7桁で足ります。
これをわざわざ8桁に増やしたのは何かの意図があるようにも思います。