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3/7~13
日曜日 「なんか、怒られました」
午前2時に目覚める、散らばった語彙を片付けて、目覚ましをかけて不問に潜り込みなおす。
寒そうな明日は4時間後に来る。
高速で回転する車輪を見ている 半分は眠りながら次の町に向かっている
そんな感じ。
降りたのは若林駅。クミさんに呼ばれると「エッ」と言ってしまう癖について話す春日のトーク。不毛な議論に乱入した日のことを話すOPに勇気づけられながら歩いた。
【仕事1、終わり】
三茶、呆れるほどいい店がない、マキオカリーがあった、本人ワンオペだった。欧風カレーの気分だった。
『踊り場』を聴きながら上島珈琲。
亡くなったおじいちゃんの元へむかう新幹線で涙を流すリスナー。
新幹線の席で、緩急が気持ちいい、じゃがりこのCM通り「じゃがりこ・じゃがりこ」と前歯を動かすもぐら。
大阪では、かたまりがもぐらが遅刻してることを謝っている。
三つの点は西へ動いている。
車内でもぐらを見かけたリスナーはもぐらに声をかけることもなく、ただ、じゃがりこを食べている姿にフフッとして、岐阜の通夜へ向かったのだろう。
一度も交わることなく、全てが交差した、なんていい話なんだろう、感動してしまった。
【仕事2、終わり】
高田馬場のロマンで、近藤聡乃特集『ユリイカ』をようやく開いた。
藤本由香里の批評が面白い。A太郎の部屋電気の紐にくくりつけられていた「黒ひげ危機一髪」のナイフは、あのおもちゃ自体が「円環から飛び出す」ことを示していたのか!
近藤作品は「ズレ」をもった分身によって、自己イメージを変容させつづける、そのモチーフとして「少女」が多用される、そんな視点もドキドキしてくる、身に覚えがありまくる。
しかし、これまで概念的でノワールっぽい作品を生み出してきアーティストが突然、中央線に暮らすダメな女性の漫画、つまりあの1話を持ってきたとき、それがここまで化けると自分なら見通せただろうか。進撃を見逃したジャンプ編集者みたいにならないだろうか。
まだまだ本の序盤であることに気が遠くなる。面白いことが分かっているモノに感じる壁、というか溝は何だろう。とっておきたくなるというか、自分が完全な状態で向き合うべきだと怯む。自分が完全な状態なんてこないとわかっているのに。
『有ジェネ』にsakuraiが出ることを楽しみにしてる店主の店で、アララはお酒を飲んだ。
月曜日 『R-1グランプリ』
実際どれくらい酷かったのか『R-1グランプリ』を見ると、確かに。
審査員とMCのリニューアルが放送尺に圧迫されて全く効果を発揮していないこと。
カメラのスイッチングで致命的なミスが1、いや2ヶ所。何より、出囃子の『バレる!』がヤバい。出囃子だけは次回修正できるのか予想しづらいけどどうか変更してほしい。
ZAZYとゆりやんが面白かった。設定、角度、切り口でつかんで、グルーヴ感で満たしていくネタが決勝で見れたので大満足。フリップネタ多数出場のなか4>3、1の理屈で殴り掛かっている感じも可笑しいし、ゆりやんのシャワーと暴走ロボ五木も最高だった。
逆に、森本サイダーのネタは、今の時代には難しいように思う。ネタをやる人と、衣装を選択している人の存在がほとんどイコールに理解されるようになった賞レースで、メタ視線の笑いは違和感がありすぎる。あとは、賀屋のキャッチコピー「第七のコント男優」が、マセキの先輩ルシファー吉岡の「輝け!コント男優」を継いでいたのが微笑ましかったのと、マツモトクラブのネタは麒麟のM-1ネタをほ彷彿とさせたので、せっかくなら川島に振ってほしかった。
火曜日 テレビ千鳥「面白キャラを作ろう!」
『テレビ千鳥』おじさん芸人の「面白キャラを作ろう!」すっごくよかった。
加地さんが以前の『アメトーーク』「40歳過ぎてバイトやめられない芸人」をリベンジしようとして、そのオチに平子が選ばれたのだとしたら、なんてきれいな着地だ。スベらされる流れのときほど平子はちゃんと面白そうなものを繰り出すイメージが強い。今回もそうだったし『キングちゃん』のボケ企画で「○○の弓張り月」と叫んで千鳥を爆笑させていたことも思いだす。
アメトークのあの回は『人志とたけし』のトークイベントでも言及されていたけれど、ただバランスが取れなかっただけ、あの境地を意図したものではない気がしていた。企画がズレつつも進行し続ける不穏さも感じていたけれど。
『新世紀エヴァンゲリオン』いろいろ悩み、公開日から満足気でソワソワした空気を摂取した結果、テレビ版から全部見る結論に至る。
「少年よ 神話になれ」のあとに、セミの鳴き声が聞こえる落差にやられる。静と動の演出が音声からも感じられてかなり好きだった。
車内の会話中に薄くラジオがかかっていたり、駅のホームでアナウンスが流れていたり。あくまで普遍的な世界の非日常性が第三東京に流れているとわかる。ラジオもアナウンスも林原めぐみなのに。序盤のレイは、無言・無音の象徴。
6話と7話の間でシンジ君変わりすぎじゃないか、そして指揮下にある少年と一緒に住む上官ってどうなんだ?中学生の頃に気づかないようなことがたくさんある。
誰かのキープボトルに「エヴァは文明、酒は文化」って書いてあった。
水曜日 「バラバラ大作戦」
テレ朝の「バラバラ大作戦」枠が一部リニューアルされる。特番総選挙企画もあったけど、むしろこっちのほうが総選挙感強め。番組内で二転三転して探っていくより、常に飽和状態のタレントとワンアイディアで駆け抜ける手数の多さ、更新力をはったつさせていくのは、いいやり方かもしれない。『勇者ああああ』でアルピーが「テレ東おかかえのYouTuber」と宣告されていく例を思い出しても、番組を量産することのメリットは高そう。テレビ以外の媒体で復活なんてことも余裕だろう。
にしても、同枠新番組『トゲアリトゲナシトゲトゲ』Aマッソ・加納、ラランド・サーヤ、3時のヒロイン・福田の3人による番組が、入社2年目ADの初ディレクター番組と知り、すごく辛い気持ちになった。羨ましいしかない。
『宮崎よかとこチャンネル』相変わらず楽しい。逆にニューヨークがキツくなってきている。嶋佐のR-1ドキュメントも、∞ホール卒業動画もなんだか寒く感じて楽しめない。
『マヂラブANN0』のOPテーマみたいな気持ちでずっといるせいか。水溜まりボンドの枠でレギュラー化が決定した趣旨ズレラジオ、どことなく上品な村上の言動が楽しみです。
『エヴァ』を見進める。シン公開に向けて、「お待たせしました!考察動画頑張って今日上げました!有言実行!」みたいなテンションになっているYouTuberがキツい。ゲラニチョビチームなのに。
木曜日 野田ミルダム
帰ってからエヴァを見るために出社する。佐久間さんのラジオを聴きながら。
帰ってマヂラブ野田のミルダム配信を見た。
R-1の「愚痴ダム」と「庇いダム」をいったりきたり。
1ネタについき1人の審査員にしかふれない状況を踏まえたうえで、マツクラは川島さんだろ、なぜザコシ?土屋をホリ?あのネタをモノマネとして認識していたのか?という指摘がおもろい。BKBが来て、「いや、数字あんまよくなんいんだよ、6.6%」あたりのトーンは実家に友達が遊びに来たくらいの感じで、こういう野田の視点が聴けて良かった。本当にチャンピオンになってくれてよかった。
「天賦の才がバレるぅ!じゃ誰も登場したくないんすよ。おっさんの感じ。めちゃいい曲だけどそれが嬉しくてあそこまでやっちゃなあ」を聞けたので、何か変わってくれたらいいなあと思う。
岸田國士戯曲賞の候補作が公開されていたので、東葛スポーツの上演台本を読み直す。
ファンになってよかったと思う劇団の一つでわパンチラインが連発する。
なかでも『A-②活動の継続・再開のための公演』は、コロナ禍での公演をフリにしたタイトルであり、僕たちの不安や不満から切り取った感情を傲慢に奪い、役者に叫ばせる。エネルギーとか目つきとか、お前らそれでいいわけねえだろ、と説得しにかかってくる東の使者。ポジションもマウントも客席では通用しない。最後の10回クイズも。
LINEの「誰かの日記」、みんな10年前の今日を書いている。
遠くからテレビで目撃した多くの人が、ある種の興奮状態から喪失に至る変化を起こしたのはきっと12日以降だと思う。だけど鮮明に覚えているのはきっと11日のことで、そこから毎年その日を思い出すからどんどん濃くなる。『誰かの日記』に投稿している人はみな、毎日生活できたことを確かめあっている。
ハヌマーンの「リボルバー」は2010年の『RE DISTORTION』収録
「死んでしまうという事は、とても恐ろしい
明日を真っ当に生きる事の次に恐ろしい」
金曜日 悪意のわからなさ
今週の『馬鹿力』で話されたOPトーク。
小さいことを大きく話す面白さは知っているけど、それが「他人が自分に向けた悪意」であり、悪意の根拠がSNS的なものを偶然確認した状況であることが組み合わさったエピソードには、寄り添って何かを考えたいと思わない防衛本能が自分の中にできあがっていた。興味本位、共感本位で近づいて何か一つでも楽しい気持ちになれるとは、もう思えない。
伊集院の言う通り、所詮は
「『わかる』を、こう…全部集めたところで、全然わかんない!」だ。
コロナで伸ばし延ばしになっていた、“上司と夜に別会社の人と食事をするやつ”がついに。
やるならさっさと済ませたい、注射待ちの気分とはいえ夜は酒が入る、自分がどうなるか想像がつかず怖い。定期的な会食程度だったけど、それにしてもの出来栄え。
普段マスクに助けられ、疎かになっていた口元を意識したら今度は目がヤバい。自分が知らない自分に関する人事情報をなぜか知っている先輩は情報通なのかなんなのか、そういうことが全く気にならないと言えない限り、薄く広く自分事は広がり続ける、個室の円卓から滴り落ちる。自分事の波打ち際が交わる地点で今日の卓は囲まれていたような。
「30分自分が喋って30分相手が喋る、残りの30分を頑張れば会食は終わるんだよ」
先輩が話した謎言に納得、トピックスで盛り上がるのではなく、頭とケツ、翌日に思い出す既成事実こそ、波打ち際の醍醐味だってさ!
ドッサリ疲れた、ああドッサリ疲れた、ときこその第六感。
友達の家に、友達の同期が集まって飲んでいるのにお邪魔する。
友達以外初対面でもなんやかんやで楽しみつつ、完全に楽しいなんてことは少ないのだから絶望・希望のダイヤル微調整を操作し続ける生き方は、でも全然したくない、やっぱり。
好きじゃないと思った人に直接そう伝えてから仲良くなれるのか、という好奇心はもう病だ、10代の頃からある。全方位外交は疲れるだけで大した関係性を生まないという直感(がすでに間違っているかもしれないけれど)から始まり、紆余曲折、失敗しても問題ないの開き直り、迷い込んだ山道で一人も見ないライブ配信を始める馬鹿野郎だった。
酔っぱらうほどにこの傾向は顕著で、そんなやつが仕事で飯食うなんてできるのか、がそもそもの悩みだった。
感情が動かされるのって、やっぱり知らない人に会ったときだ。だから楽しい。
土曜日 ホリの野田モノマネ
『水曜日のダウンタウン』「CMホントドッキリ」と「まだ誰もやってないモノマネ王座決定戦」2時間特番の企画バランスがすごい。
ホリのマヂラブ野田が完成度高すぎたこと、エハラマサヒロがやっぱり上手いだけなこと、アイデンティティ田島がヤケになったこと、他に展開していく起点になりそう。
岸田國士戯曲賞の受賞作無しに加え、野田秀樹のコメントのみ公開されて戸惑う。
「コロナ禍を意識しすぎて距離感のとれていない作品が多かった。戯曲のコトバとしても、コチラをワクワクさせるものが少なか
上演台本ベースの作品が多い中で、戯曲賞を贈ることはできないと、感情に流されない判断としてはいいのかもしれない。ただ、このコメントだけ先行発表していいのか、と思っていたら、どうやら新聞社用に短時間で違和されたコメントだと柳美里が明かしていたのを知る。
意志をつたえることをせずに権威が続くはずがない。アンバランスな対応で振り回されたくはない。