重くても速いから。
魔法が使えそうな夜なのに、もう白い煙もあなたの口からはでないのね。
だってそうじゃない。
クリスマスの奇跡を願ったり、魔法瓶に熱い珈琲を入れて星を見に行ったりしてたのに、肝心なときにはなんにもならないんだから。
あなたは、どこか抜けてる人だと思ってた。
もう、返事くらいしたらどうなの。
「どんな魔法が一番好き?」なんて、聞くんだもん。少し考えちゃったじゃない。
貴方の一番好きな魔法に二人乗りしてまた一緒にどこかに連れて行ってくれるんじゃなかったの。
一人が好きな貴方だから、しかたないね。
わたしはこの夜に恋しただけだから。
貴方がいなくても、これからは一人で走るから。
じゃあね、バイバイ。
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