鈍感になったら。

物欲と愉しさに敏感だったクリスマスの夜と大人しくなった聖夜。
大きくなったらもっと自由に走り回るつもりで漕いでいた自転車のペダル。それを今から踏み込む勇気は残っているのだろうか。

浮かれて見える街の様子に見惚れていた船長は、沈んだ海賊船の仲間たちの笑い者になっていた。
秘密の笑顔を交わし合えるパートナーが恋しいのだ。
だけど、そのたった1つの条件は忘れるように魔法をかける決まりになっているから、すれ違うあなたに気が付かないままでエスカレーターの登りと降りに立っていても平気な顔をしていられる。

鈍感に大人しくなった。
誰かの作り笑顔は、大人しいあなたを救うためかもしれない。

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雨音ムッツ
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