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「浜松注染」そめの危機!?
2020年の春から騒がせているコロナの影響が、伝統技法をもつ職人さんたちを苦しめている。洋服やスウェットに生活様式が変化していき、浴衣の需要が減り、さらに今年は花火大会やお祭りの中止などで手拭いの発注が減って注染業界が危機が起きている。ということで、浜松でものづくりをしてる何人かで染色工場を見学してきた。
工夫をしない会社や人は、このコロナ禍で淘汰されふるいにかけられる。・・・・と世間が言うけれど、今まで請負い仕事の多い注染業界には酷な話で・・・ここで変化を問われている業界の一つでもあることがわかった。
「浜松」という風土が、
1、東京と大阪の間で流通に適している
2、遠州のからっかぜで天日干しすることで柔らかい仕上がり
3、織物が盛ん
以上のことから織物、染色に適している。
(注染は水を豊富に使用して染めていくため、昔の名残で川の近くに工場がある)
シルクスクリーンと大きく違うところ
注染そめは、「どて」を絞ってその枠内に染料を入れて染めていく。シルクスクリーンと違って1色1版、型が必要ではなく1型に多色使いができ、ぼかし技術も使えるため柔らかく仕上げることができるのが特徴。色の配置次第で雰囲気が変わるため、そこは職人の腕の見せ所。
ただし、染料はアクリル絵の具とは違い、化学反応をみながら知識を持って選ぶため素人がいきなり色選びができないのが難点。
手彫りの型紙が注染の風合いを引き出す
型染めの「浜松注染」を支えているのは伊勢型紙技術。職人さんが中形(40×95㎝)の型紙を1〜2週間ほどで彫っている。カッティングマシーンを使うこともあるというが、やはり手仕事には手仕事の風合いがある。
染色方法が変化しても、型紙は伊勢型紙屋さんにお願いしている、という工場もあった。
http://suzuka-bunka.jp/isekatagami/guide/
こちらは、和田染工さんのオリジナルのデザインとその型紙。圧巻。
1回使ったら捨てるのわけではなく、大事に保管したら30年は保つらしい。(使用頻度にもよるが)
【工場見学をした3社】
・(株)二橋染工 ・武藤染工(株) ・和田染工(有)
〈率直な感想〉
正直、浜松注染(ちゅうせん)という言葉を知りませんでした。京都のSOUSOUやmarimekkoなどのテキスタイルメーカーは好きで家中あるのですが・・・。「MADE IN HAMAMATSU」にブランド価値がなく出荷しても浜松産とはならないと多くの工場から聞きました。淘汰されずに、職人や技術を失わずに現代に変えて浜松技術を知ってもらいたい、と率直に思い今はもったいない!とすら思います。見学してから、手拭いに目がいってしまいます。笑
整体にて
先日、整体に行きましたがそこの整体ではタオルではなく全て手拭いを使っていました。聞いてみると「手拭いは優秀ですよ〜使い勝手が良い」と。タオルを当ててほぐす所、手拭いでやるので人の温度や指圧がよく伝わって良かったです。タオルでされてた時より、肌触りが良く気持ちが良いのが印象的でした。
慶事にて
ウェディングでの活躍の場は、引出物とは別にもう一品「鰹節」が親族に添えられると思うのですが、鰹節のパッケージは昔から派手です。シーラックさんのように風呂敷に包んで華やかにしている商品が多いので、これを同じ静岡県の会社としてコラボして製品化してもありだと思いました。縁起物に見立てられ結婚内祝いや、婚礼関連以外でもあらゆるお祝い事のギフトに使えます。
(シーラック 鰹節ギフト)
あとは、食事の際のテーブルナフキン。最近は刺繍を入れたものやプリントを入れたテーブルナプキンが席札かわりに添えられお持ち帰りができギフトの一つとして選ばれています。デザインを洋風に変えたり、各式場にオリジナルのデザインを作ったり、形をハンカチサイズにしてコストを抑えてオリジナルナフキンの提案です。外国人の参列者が多い都内の式場に新スタイルを取り入れてもらう。
綿素材の館内着
銭湯やスパ、個室で楽しめる旅館などを帯を締める浴衣スタイルではなくて、ズボンスタイルの館内着にする。私はやっぱりリラックスできる綿素材を推したい。
まだまだできることはたくさんある!と思いました。がんばれ浜松。
インクジェットプリンターに負けるな!