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珠城りょう写真集『Be Myself』に思う

宝塚歌劇団月組トップスター珠城りょうさんの写真集『Be Myself』に寄せて。

「自分らしさを大切にという信念を下級生の頃から今でも変わらずに持っている」という珠城さん。『Be Myself』というタイトルに込められた意味は何だろうと考える。
こんなにもさまざまな表情(期待していたものも、想像すらしていなかったものもいろいろ)をみせてくれていて本当に盛りだくさん。ファンが喜びそうなもの、自分が挑戦したいもの、そしてスタッフが撮りたい珠城さん(これ、かなり感じた!)が見事に混ざり合って、常に前進しているのだなとうれしいし、感謝の気持ちが湧き上がってくる。
あまりにバラエティーに富んでいて、珠城さんらしさを逸脱しているのかと思えば全然そんなことはなく、どれも自然体の‘珠城りょう’がそこにいて、IAFA二幕の銀橋のジョージを思い出す。そこにスッと存在するだけで何かを物語ることができる境地。
そう、この写真集の珠城さんは、どれも物語を彷彿とさせる表情をしている。場面ごとに全然違う人みたいに。それが今の珠城さんの自然体なのだと気づいたとき、次のステップへ向かうべきであることにも同時に気づく。男役としての珠城さんは大好きだけれど、そうでない珠城さんもまたみたくてたまらない。男らしいカットと女性らしさを感じさせるカット、どちらもびっくりするほど魅力的だ。
最初、この写真集をみて、あまりの魅力の洪水に何か言葉で表すことはできない気がした。でも、冒頭の信念を知ったとき、この写真集が『Be Myself』=自分らしくいられる、そこにたどり着きつつある今の‘珠城りょう’そのものを封じ込めた特別な写真集なのだということを記しておきたくなったのだった。

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