あなたは友達?
友達と呼ぶには近すぎるかもしれないし、後輩と呼ぶには堅すぎるかもしれない。恋人でもなく、他人でもない。仲間と呼ぶには何も乗り越えていない。同志と呼ぶような同じ志は抱いていない。
それは、友達で良いじゃんってね。
彼女はきっと、苦手な南蛮漬けを笑顔で食べる。いろんな苦手に蓋をしながら生きてくれるのだろう。
そういうことが私にはできないからずるいなと思ったりもする。でも、良いなと思ったりもする。
大人になってから、かつて友達だと共通認識でいた他人達と再会する。みんな、どこかの歯車が食い違ったまま、あなたは友達?と頭の中で疑問として浮かぶ。本当にあなたは友達?あなたは友達のままでいてくれるの?
私は考えつかれるとすぐに寝袋に籠ってしまう。空気を殆ど感じずにいられる密着性の高い布に囲まれると、冬眠できたようで安心する。
夏も涼しい部屋の中、寝袋の中で夏眠する。
いつまで経っても苦手なことからも好きなことからも抜け出せないでいる。
南蛮漬けを一緒に食べる彼女は、きっと、あなたは友達!と言えるはず。今日もさっさとまるくなってながい眠りにつこうと思う。