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まずは胚盤胞を目指そう

これ、「当たり前じゃーん」と思われる方いらっしゃると思いますが
私のような「AMH激低い民」「採卵しても数取れない民」にとっては当たり前ではありません。
胚盤胞の方が着床率が高いのは知っているのに、初期胚で移植する事になるケースにはいろいろあるかと思います。

私の場合、通っていたクリニックの医院長の方針が

「AMHが低かったり、40歳以上で卵胞の質が心配されたり、採卵しても数量とれない方は、胚盤胞まで培養すると、ただでさえ少ない卵が”0”になってしまう可能性が高いので、培養は初期胚までにしてグレード良好な初期胚をバンバン移植しましょう。大前提としてまずは移植しなければ着床もないんですから」

という考え方でした。

当時は「そういわれてみたらそうかもしれない」「そういうもんか」と思って初期胚を移植しまくってたんですが、今振り返ると、これが大きな間違いだったと思います。

結果論になりますが、私は43歳でしたが「胚盤胞」で妊娠しました。
もちろん、採卵した卵胞も43歳の時のものです。

つまり、AMH激低で高齢で採卵できる卵胞の数が少ないからと言って、
”受精卵の質”を吟味しないまま移植しては成果は薄い。
という事です。

ではなぜ胚盤胞にすると”吟味”できる事になるのか?

まず、胚盤胞まで培養できた=ある程度の質の良い受精卵である、と考えて良いと思います。
経験者はお分かりだと思いますが、
採卵した数>受精した数>初期胚まで成長した数>胚盤胞まで成長した数
というように、段階が上がるごとに卵数は減っていきます。
初期胚まで元気だったのに胚盤胞まで成長しない卵というのも多くあるので、初期胚の段階で移植していたらそんな卵まで移植しちゃってるって事。
あと単純に採卵からの受精&培養で淘汰されずに胚盤胞まで育ったならグレードうんぬんの前に質が良く生命力の強い選ばれし子なんです。

あともう1つ、胚盤胞まで育った場合、染色体検査ができるようになります。
これ、すごく重要です。
PGT-Aという検査で費用は高額ですし保険外になりますが、私は絶対にやった方が良いと思います。
この検査についてはまた別で詳細を書きたいと思いますが、利点としてはざっくり2つ。

1,流産、死産を未然に防ぎ着床率の高い胚を移植できる
染色体に異常のある胚を移植すると、大多数は着床しませんし着床したとしても流産や死産になる可能性がべらぼうに高くなります。私も化学流産を2回していますが一度妊娠反応が出てから流れてしまうって精神的にめちゃくちゃキツイです。
ただでさえ不妊治療ってキツイのに流産まで加わったキツイ状況から復活する体力、精神力を考えると、検査で異常なしでパスできた胚盤胞だけを移植して着床率を上げていく方が効率的だと思います。

2,着床しなかった場合の原因がつきとめやすい
染色体検査で異常がなかった胚盤胞を移植して着床しなかった場合、胚以外の子宮サイド、または母体サイド(免疫とか血液特性とか)に問題がある事が考えられるので、検査や治療の幅が広がります。
初期胚で着床しない場合は、「胚の質が悪かったんだろうね」と言われて終了で、子宮や母体に原因があるかどうかなんて考えずに、さっ次の移植!移植!と切り替えられるため、もし胚以外に原因があった場合は、原因が発見されにくくなります(体験談)。

というわけで、胚盤胞まで育てると”質”を吟味する事ができて、やっぱり初期胚よりは着床率があがる行動がとれるわけです。

もちろん胚盤胞まで育てるデメリットもあります。
・初期胚よりも培養にお金がかかる
・培養しても胚盤胞にならない場合も当然ある。
 (採卵費+培養費はかかる)
・胚盤胞ができてもPGT-A(染色体)検査が不合格だと移植できない
 (採卵費+培養費+検査費はかかる)

という、お金はかかるのに何の手ごたえも得られない、移植なんて夢のまた夢、
ただただ無限採卵地獄に陥るというデメリットです。

採卵は正直辛いです。何度もやりたくない気持ち痛いほどわかります。

でも、初期胚を数打ちゃ当たる方式で移植し続けるのも結局同じなんです。
吟味できない状態の初期胚を移植しまくっても、着床しないんだから
結果、無限採卵地獄なんですよ。
(なんだったら私は初期胚で2回化学流産してますし…)

同じ採卵という辛い思いをするのならば、
せっかくだから着床UPを目指そうよ!という結論なんです。
少しでも可能性がある卵を移植した方が、コスパ面を考えても、体力や精神面の消耗を考えても絶対良いと思います。

なので、今、初期胚を在庫している方や
初期胚移植でうまくいってないない方は胚盤胞まで育てる方向も検討してみてください。

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