知られざるフィリピンの誕生日会。誕生日は主催者自らが招きふるまうもの?
オンライン英会話を始めて2年目半。3回目の誕生日を迎えました。私の誕生日は7月20日、先生の誕生日は7月22日なので、とても近い。今年は、私もいろんな先生と知り合い、先生たちがお祝いしてくれました。また、私もメインの先生のためにいろんな先生に頼んでお祝い動画を作ってみました。知っているようで知らないフィリピンの誕生日という文化にスポットを当ててみましょう。
誕生日は主催者自らが招きふるまうもの
もうすぐ誕生日なんだ。僕もあなたも誕生日月!おめでとう~」。7月になってから何回もそういっていたオンライン英会話の先生。誕生日の話をするときには毎回楽しそうに話すものの、同時に「とはいえ、お金が大変なんだよ」と。
どういうことかというと、フィリピンでは誕生日などのお祝い事があるときは、主催者自身が食べ物を用意して、みんなにふるまわなければいけないのです。しかも、フィリピン文化としては、家族だけじゃなく親戚や友達、近所の人など、かなり大人数でやるから、参加者の数は半端ない。みんなが十分に飲んだり食べたりできるように、食事を用意しなければいけないのです。
とはいえ、先生がいるセブ島の学校では、そこに滞在している先生たちしかいないし、友達同士でやるから人数も限られている。仲いい先生たちもレッスンがあるから、リアルタイムで参加できるのはせいぜい10人程度だと思います。
とはいえ、10人分の食材を全部自分一人で買って、そのうえ料理しなければいけないとなったら相当大変。だから、誕生日はお祝いしたいけれど、準備することを考えると、「お金もかかるし、料理を作るのも大変」ということで、ちょっとナーバスになっているところもあったよう。
ちなみに、先生のパートナーである別の先生(私はハイスペック先生、またの名を道明寺司先生と呼んでいます)は、自分の誕生日に日本円で4万円から6万円ほどかけたそうです。さすがハイスペック先生。
お祝いに欠かせないフィリピンの伝統的料理、豚の丸焼き「レチョン」
ちなみに、誕生日などたさんの人がお祝いで集まる席には、フィリピンの伝統料理、豚のレチョンが丸ごと出されることが多いそう。1匹5000ペソくらい(約1万円)だそうです。去年かおととしのCEOの誕生日の際には、CEO自らポケットマネーで4頭用意して食べたとか? 先生自身も、高校生の卒業の際に義理の父親がお金を出してくれてレチョンを買ってくれたと、以前話していました。
家族や親せき、近所の人を招いて盛大なパーティーを開催
誕生日のお祝いは、親戚一同、近所の人を呼んで盛大にパーティーをするのがフィリピンの伝統文化ですが、その一方で、家族だけでお祝いしたいという人たちも。私のフィリピン人の友達夫婦(24歳と23歳)は、それでおおもめして、別れるかどうかまでいってました。
というのも、友達の3歳になる娘の誕生日をお祝いする際に、友達は子どもが人見知りするタイプだし、自分も知らない人ばかりくると疲れるから家族だけでお祝いしたいといったそうです。
でも、旦那さんはフィリピンの伝統にのっとり、親戚一同呼ぶべきだ、と。実は、友達夫婦はつい最近までセブ島の端のほうにあるオスロブという街に住んでいたのですが、半年くらい前にセブ市に引っ越してきたばかり。彼女はオスロブが実家だったからそこに住みたかったけど、彼のお父さんが海外から帰国して、広い一軒家に同居することになったからです。
彼女は「お義父さんのことは好きだけど、実家のあるオスロブに戻りたい」と。それもあってかなりナーバスになっていて、彼とけんかに。私はどちらも友達なので、両方から話を聞いていて、どうしたものかなーと思ってました。結局、彼が折れて、家族だけの誕生日会にしたようですが、こんなところから少しずつ文化は変わっていくんだろうなと感じた出来事でした。
ちなみに、セブ島で同じく語学学校ターゲットを運営している石原智之さんによると、セブ島の先生たちは台風が来るかもしれないとニュースで知ると「家に帰らないと危険だ!」といって雨も降っていないのに授業を放棄して帰ってしまうのに、夕方友達の誕生日があるとなったら、友達の家には集まるのだそうです! しかも、そこであっても別に悪いともなんとも思っていないようで「あ、あなたもきたの?」くらいの感じだそうです(笑)。仕事よりも台風よりも誕生日が大切!恐るべしセブスピリッツ!
レッスン中のサプライズプレゼント
オンライン英会話の先生との話に戻します。先生の誕生日の2日前が私の誕生日だったのですが、ちょうどレッスン日だったこともあり、先生からサプライズプレゼント!
いつもだったら、モニターがついてすぐに「Hi,Yuriko」というのに、なぜかこの日はモニター画面が暗くて、音楽が……。直前までヘッドフォンで別の音楽を聴いていた私は、なんの曲だろうと思ってよく聞いたら、バースデーソングでした!
しかも、曲が終わったら誕生日ハットをかぶって先生登場(笑)。手には、誕生日ケーキを持ってました! 実は、先生は料理がとても上手でお菓子作りも大得意。手作りのカップケーキにクッキーとろうそくをつけてお祝い。これはかなり嬉しい&かわいい(笑)
「このケーキは僕が食べるからね。安心して。日本に送っていたら腐っちゃうから」といってました。わざわざカップケーキを焼いてくれるサプライズはとっても嬉しいです。ありがとうございました!
懐かしい仲間からのお祝いメッセージ
私は、先生の誕生日にお祝い動画をプレゼント。といっても、動画はみんな作って送るだろうからと思い、今回はちょっと懐かしい仲間にコンタクト。2年前、学校を辞めた先生の仲のよかった人に連絡を取ったり、もう1つの学校にいる先生の親しい人たちにお願いして、動画メッセージを送ってもらいました。もちろん、今一緒にいる仲間たちにも。総勢10人以上が参加してくれました。
みんなそれぞれに先生への思いや、この1年間のねぎらいを伝えたり、とってもハートフルなメッセージばかり。今まで毎日一緒にいたのに、コロナでバラバラになってしまい、いろんな事情がありやめてしまった仲間もたくさんいる。その中でお互い励まし合い、1年以上耐えてきたことは本当にすごいことだと思います。
家族に会えない、学校から一歩も外に出られない。今まで対面で教えていた生徒たちには誰一人会えなくなり、にぎやかだった学校も先生たちだけ。毎日変わらない単調な生活。ストレスはマックス。体調が悪くても収入のことを考えると休むこともできない。そんななか、仲間がいたからこそお互い励まし合いながらやってこれた。
もう1つの学校の先生たちとは、1年以上会っていないから、かなりひさしぶりだったと思います。本当は、留学生だった友達にも連絡したのですが、既読にならなかったのでメッセージを見てないのかも。
みんな思いが溢れすぎてメッセージ動画がおさまりきらず、2分半くらいにしたかったのに10分以上のロングメッセージになっちゃいました(汗)。
しかも、動画が完成して「さあ、送ろう」と思った瞬間、先生のパートナーから、「今まさにパーティーやってます」動画や写真が送られてきて、それも追加するために作りなおして……。3回送られてきたので3回作り直しました(笑)
誕生日動画につけたBGMは、B’zの「Happy Birthday」。でも、これだと4分弱しかないのでほか2曲をつけて、最後はしっとり締めました。
やっぱりB’z、歌詞が最高ですね! 先生には理解できないと思うので、あとで歌詞を翻訳して送っておきました。
ワケあって、先生が疎遠になってしまっていた友達にも参加してもらったこともあり、この動画は本当に喜んでくれてよかったです。
家族からのサプライズ動画
先生のパートナーであるハイスペック先生は、先生の家族のメッセージ動画を作ったそうです。この動画を見た先生は、涙腺崩壊。ハイスペック先生がいうには、「彼の妹たちもお母さんも泣いていたよ」と。家族とはもう2年以上あっていないから、よけいにですよね。
去年、シーフロントで開催したCEOの誕生日会も、誰かが先生のお母さんからのビデオメッセージを録画して流したそうですが、やはり家族からのメッセージは効きますね。とくに去年なんてコロナでたちゆかなくなったときだったので、相当心にしみわたったんじゃないかと思います。
ハイスペック先生、今年はほかにも先生にギターをプレゼントしたそうです。先生は音楽好きだから、とってもよいプレゼントになったと思います。
真夜中に始まった仲間たちとの誕生日会
ハイスペック先生が送ってくれた動画の中に、真夜中に先生のルームに集まり、みんなで誕生日のお祝いをするものがありました。まわりの友達が誕生日の歌を歌う中、ベランダから中に招き入れられた先生。たくさんの風船をもらって嬉しそうにしていたのですが、そこはノリノリの若者文化。顔面目掛けてケーキトス! 一瞬何が起こったのかわからず立ちすくむ先生。ケーキが顔からずり落ちたところで、もう1回別のケーキトス。計3回くらいやられてて、みんな爆笑。まわりの友達が先生の持っていた風船を次々にわって、さらになにがなんだかわからないまま茫然としている先生の姿が面白かったです。
あとできいたら「なにが起こったのかわからなかったよ。マスクしているから生クリームは舐めれないし、大変だった(笑)」と。
今回の誕生日は、先生にとってすごく思い出に残るものになったようでよかったです。みんなからのお祝いもあり、さらに友達が食事の準備を手伝ってくれたり、お金もみんなで出してくれたみたいで、少ししか出さなくてよかったとのこと。先生は家族に送金しないといけないから、誕生日にお金はあまり使えないから、それをわかっていてのことなのでしょう。
「もし、あなたが来年セブに来れたら、みんなで一緒にお祝いしよう」と言ってくれました。来年はセブに行けるのかな。早くコロナがおちついて留学ができるようになることを願っています。
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