デュエマクラシック08のすゝめ
はじめに
皆さんこんにちは。ラテと申します。
今回はタイトルの通り、「デュエマクラシック08」の解説記事になります。
私自身がこの度08の大会を新しく開くことになったため、できる限り参加へのハードルを下げ、よりたくさんの方に08を遊んでいただくことが今回の狙いです。
「カードの種類が増えて集めるのが大変…」
「新しい能力を覚えるのが大変…」
などなど、05は遊んでいるけど08に触れたことがない方向けの記事となります。
既に08で遊ばれている方には今更感のある内容になってしまうかもしれませんが、環境の主要サンプルレシピもまとめていますので、デッキ作りの一助となれば幸いです。
デュエマクラシック08とは
クラシック08は、名前の通り「2008年までが初出のカードで戦うレギュレーション」です。
エキスパンションで言うと、05の「基本編1弾〜転生編3弾」に、さらに「転生編4弾〜戦国編3弾」までが追加されています。
YouTuber「思い出のデュエマ」氏が考案されたと記憶しており、独自の制限ルールも設けられました。
05だと制限カードだったカードが、08ではお助けカードに格上げされている物もあり、構築の際は注意が必要です(LO呪文など)。
その逆に、05だと制限だったカードが無制限になっている物もあります(ガラムタやエタトラ、WS各種など)。
また、新しい制限要素として「プレミアム殿堂コンビ」も追加されています。
『龍仙ロマネスク』単体は無制限カードですが、その噛み合いの良さから『母なる〜』系列のカードと同時に入れる事を禁止されています。
『アクアパトロール』と『ラストアヴァタール』はどちらも単体では無制限ですが、組み合わさった時の危険性は効果を読めばわかるかと思います。
クラシック08の新ギミック
カードプールの拡大に伴い、当然05にはなかった新しい能力や効果も追加されています。
全ては紹介しきれませんが、よく見るものを簡単にまとめましょう。
①城
新しい効果というよりは、新しいカードタイプ。いつも通りコストを払い、「自身のシールドに重ねる(要塞化する)」ことで効果を発揮します。
城の効果は要塞化したシールドが場を離れない限り永続的に発動し、シールドが離れると同時に効果を失い、墓地に行きます(割られたシールドは普段通り手札に入ります)。
②シールド・フォース
この能力を持つクリーチャーを場に出した時、自身のシールドを1枚指定し、そのシールドが場にある限り、そのクリーチャーの効果が発動します。
逆に言えば指定したシールドが離れてしまうと効果を失うため、如何にそのシールドを守るかが鍵となります。
③S・バック(ストライク・バック)
指定された色のシールドが手札に加えられた時、それを捨てることでS・バック持ちのカードを踏み倒して使う事ができます。
手札消費の激しいS・トリガーみたいなイメージでしょうか。
例:「S・バック-自然」の場合
自然のカードがシールドから手札に加えられた時、その自然のカードを手札に加える代わりに捨てると、手札に抱えていた「S・バック-自然」を持つカードが無料で使える。
④メテオバーン
進化クリーチャーが持つ能力で、進化元のカードを指定の枚数墓地に置くことで効果が発動します。
進化元を「銃の残弾」のようにイメージするとわかりやすいでしょうか。進化元が残っている限り(残弾がある限り)何度でも使えます。
⑤ゴッド・リンク
カード1枚でも機能しますが、対となる相棒が揃うと合体(リンク)し、更に強力な効果を得るギミックです。
リンクしたゴッドは2枚で1体のクリーチャーとして扱い、場を離れる時はどちらかを片方を選び、もう片方は場に残るため、擬似的な除去耐性も備えています。
3枚以上リンクできたり(↑)、相棒が固定されていないゴッドも存在します。
⑥ニンジャ・ストライク
この能力だけは説明が長くなります。
08の醍醐味とも言える一方、08を難解たらしめている最大の要因とも言えるギミック。
種族に「シノビ」を持つクリーチャーの多くがこの能力を保有しています。
相手クリーチャーがアタックまたはブロックした時、自分のマナゾーンに指定された枚数が貯まっていれば、手札から無料で召喚できます。
(ニンジャ・ストライクを使って場に出た場合は、そのターンの終わりに山札の1番下へ送られます。)
場に出た時の効果を持つ場合がほとんどで、自分のクリーチャー1体に「ブロッカー」を付与したり、相手クリーチャーのパワーを下げたりなど様々。
05だと最後のシールドを割り切ってトリガーも無く、1打点でも残っていれば勝ち確となりますが、08はこのギミックがあるため勝ち確にはなりません。割られたシールドからこの能力を持つクリーチャーが捲れることもあるため、実質S・トリガーのような働きもします。
注意すべき裁定は色々ありますが、長くなるのでここでは触れません。またの機会に。
…他にも色々あるとは思いますが、特によく見かけるのはこのくらいでしょうか。
S・バックとニンジャ・ストライクが飛び抜けてややこしいと思いますが、実際に触れてみるのが1番早いと思います。恐れずチャレンジしてみましょう。
クラシック08の主要デッキ
ここからは、08環境で使用率の高い、あるいは知名度のあるデッキをタイプ別に紹介していきます。サンプルレシピも載せておきますが、私のデッキへの解像度が著しく低い場合もあります。あくまで参考例としてご容赦ください。
①ビートダウン系統
・赤緑速攻
アグロは08でも健在です。
ピーカプなどの低パワーSA獣に代わり、新たな進化形態「マナ進化」を要する2体の軽量進化獣を獲得しました。
マナ進化とは、名前の通りバトルゾーンではなくマナゾーンのカードを種にする進化方法。
特筆すべきは『ハックルキリンソーヤ』で、先程解説した新能力「シールドフォース」によって、自身よりパワーの低いクリーチャーにブロックされない効果を味方全体に付与します。
キリン自身がパワー5000と高めであるため、単騎での奇襲性も抜群に高いです。
・エンペラーマルコ
場に出た時に3枚ドローする進化獣『エンペラーマルコ』を軸にしたビートダウンデッキ。
「牙マルコ」や「赤マルコ」とも呼ばれます。
「赤緑速攻」には速度で劣りますが、潤沢な手札による継戦能力、盤面処理能力、高いパワーラインが特徴です。
青赤緑のシータカラーで組まれることが多いですが、赤の代わりに黒を入れ、各種シノビや最凶ハンデス呪文『ソウルアドバンテージ』を呼び込む「黒マルコ」も派生として存在します。
・グランドデビル
不死鳥編で登場した新種族のデッキです。
青黒で構成されることがほとんどで、軽量ながら強力な効果を持つカードが多いのが特徴。
妨害、軽減、バウンスなど様々な能力を挟みながらビートダウンを仕掛けつつ、フィニッシャーとなる各種進化獣へ繋ぎます。
・盤面と手札に干渉する『アスティマート』
・頭数を増やせる『グレンベルク』
・呪文を封殺する『マーキュリー』
・盤面を一掃する『ネプチューン』
採用する進化獣や枚数は好みで分かれますが、どれも強力な物が多いので肌に合う物を選びましょう。私自身、このリストとは全く違う配分を好んで使っています。
能動的なマッドネス発動をはじめ、かなりテクニカルな動き方をするデッキです。
・ヴァルディビート
4コスト7000+除去という破格のコスパを誇る多色進化獣『ジャックヴァルディ』を軸にしたビートダウンデッキ。
08環境で採用率の高いシノビ『ハンゾウ』の−6000を越えられるのが偉いです。
見ての通り多色が多いため事故率は高めです。
(こればっかりはサンプルリストへの自信が毛ほどもありません。お許しください…)
②ミッドレンジ系統
・ロマノフサイン
『ロマノフⅠ世』と『インフェルノサイン』によるリアニメイトをメインギミックに据えたデッキ。
序盤にロマノフを墓地に落とし、サインで釣り上げて早期着地を狙います。
その後はロマノフの攻撃時効果で再びサインを唱え、2体目のロマノフを出すもよし、龍神のリンクを目指すもよし、ソウルアドバンテージで手札を枯らすもよし…いった具合で臨機応変に攻めていきます。
黒のカードはロマノフの登場時効果でサーチできるため、サイン以外は1〜2枚の採用に抑えられるのも嬉しい点。
・メインの黒
・墓地肥やしとブーストを担う青緑
・サブプランとして龍神の赤
の白抜き4cが最もオーソドックスです。
私は4cが苦手なのでアナカラーを愛用していますが、それはまた別の機会に。
・ロマネスクサイン
先ほどの「ロマノフサイン」の派生型。
サインの蘇生先として、『龍仙ロマネスク』が追加されています。
ロマネスクの大量マナブーストによるビッグマナ要素に加え、セルフランデスで墓地に落としたカードをサインで釣り上げる芸当も可能。
やりたいこと全部盛りみたいなデッキですが、やや安定性に欠ける印象です。
・五元神
理論上無限にリンクできる5体の神(通称:五元神)が主軸のデッキ。
五元神とは名ばかりで、実際に使われるのは赤・黒・緑の3体(人によっては青の4体)だけです。
リンクするほどその力を増し、最終的には
・アンタップキラー
・攻撃時2体破壊+2枚ランデス
・選ばれない
・破壊されても手札に戻る
というバジュラもビックリの怪物になります。
色的にドロソが不足しがちなため、『口寄の化身』や『ハッスルキャッスル』、『ドボルザーク』などで上手くカバーしましょう。
・シノビドルゲーザ
08の目玉ギミックである「シノビ」を最も多用した、かなり有名なデッキです。
最強の相棒である『西南の超人』がギリギリ使えないため相当なパワーダウンをしているものの、他のシンパシー元も粒揃いであるため、意外とやれます。
動きとしては、ブーストから4コスト帯のシンパシー元に繋げ、リソース補充や盤面展開をしながらドルゲの着地を目指します。
連鎖的にドルゲを並べていき、大量ドローで抱えたシノビや手札を駆使してゲームを進めましょう。
・連ドラ
見ての通りなので特に言うことはありません。
魂を込めて山札を捲りましょう。
一応解説すると、05の連ドラよりも当然出力先のカードパワーが上昇しており、ランデス、呪文封殺、焼却、なんでもできます。
有用なマッドネスの獲得によって苦手だったハンデスにも少し耐性が付きました。
また、ロマネスクのマナブーストによって普通に重量級ドラゴンを投げつける事もできます。
・ジャックライドウ
別名「ゲッターライドウ」。
『ジャックライドウ』の登場時効果で自身の進化先をサーチし、ルピアが立っていれば次のターンそのまま進化できます。
・盤面制圧したければ『ボルガウルジャック』
・手札にも干渉したければ『ドランギレオス』
・マナを潰したければ『バジュラ』
状況に応じた進化先を持ってきましょう。
ジャックライドウ自身が3種族持ちのため、『口寄の化身』と相性が良いのも嬉しい点。
③コントロール系統
・ネクラギャラクシー
当時猛威を奮ったクリーチャーコントロール。
ただし、デッキの中核を成した
・『パーフェクトギャラクシー(PG)』
・『ミストリエス』
・『母なる呪文』
これらが軒並み制限されたことで、2008年当時よりもかなりの弱体化を受けています。
当時はPGを複数並べればそのまま勝ちでしたが、08環境ではそれを補うためにアルカディアス夫妻やデルフィンで相手をロックしながらのフィニッシュが一般的でしょうか。
母なる〜系統の制限によって当時の滑らかさが失われており、勝利まで少し遠回りをしないといけなくなった印象を受けます。
・ナイトコントロール
戦国編の新種族「ナイト」と、その専用能力「ナイト・マジック」がテーマの呪文コントロール。
「ナイト・マジック」を持つ呪文は、唱えた時に自分のナイトクリーチャーが場にいれば、効果を2回発動できるというもの。
・『バレットバイス』なら1→2ハンデス
・『オープンブレイン』なら2→4ドロー
といった具合に、条件付きで圧倒的な出力を叩き出します。
今回はドロマー型の紹介に留めますが、『ネログリフィス』を主軸にした白黒型のデッキも存在します(所謂アルカディアスナイツ)。
・ヘヴィメタル
08界隈のランデスデッキ。
焦土から強力な7コスト帯に繋げ、ヘヴィ&メタルのゴッドリンクで殴り切ります。
ボルベルグとバザガジールを合体させた性能を持つ『バザガベルグ疾風ドラゴン』を入れて、場とマナをボロボロにするのもいいですね。
・ゼンアク
強力なゴッド『ゼンアク』をフィニッシャーに据えたコントロールデッキ。
紹介用にパパッと組みましたが、ゼンアク自身でフィニッシャーとして自己完結している&4色出せることから、色が合って単体で強いカードをブチ込むグッドスタッフ的な構成を取ることが多いです(要するに人による)。
アクがいると自身のゴッドがモヤシ(破壊されたら手札に戻る)効果を得るため、破壊以外に除去手段を持たないデッキはジリ貧に陥ります。
どちらも多色であり、クリーチャーによる破壊効果を持つことから、アルカディアス夫妻やデルフィンを出されても容易に返せるのも強みですね。
・5cコントロール
現代でも使われる『フェアリーミラクル』で爆発的なマナブーストをした後、『ゲルネウス』や『ヴァルチャー』をはじめ高いカードパワーで臨機応変に戦います。
ミラクルでマナゾーンに落としたカードを、各種回収札によってピンポイントで対応していくイメージでしょうか。
見ての通り完全なグッドスタッフ、人によっては準ハイランダー的な構成を取ることもあるくらい、使い手の好みで採用カードが変わります。普段使わないため紹介用に組むだけでも色配分考えるので精一杯でした。
④コンボ系統
・カウンターヒャックメー
相手ターン中に手札から捨てられる事で場に出る「マッドネス」効果を利用したデッキ。
鬼面城やエマタイで手札にマッドネスを揃えていき、盾に『ヒャックメー』を仕込めば準備完了。相手がその盾を割った途端、ヒャックメーの効果で捨てられたマッドネス達がワラワラ出てきて強烈なカウンターをお見舞いします。
相手が何もしてこないなら『アントワネット』でこちらからビートダウンを仕掛けて対処を迫ったり、『強制突撃』で無理矢理盾を割らせましょう。
・バキュームロック
制限時間との戦い。
『バキュームクロウラー』で登場時効果持ちを使い回し、相手の動きをロックします。
特に『アドラク』や『コーライル』を使い回すと、相手は前のターンに引いたカードを永遠に引き続ける地獄が始まります。
こちらは追加ドローとブーストでリソースを稼ぎ、相手の山札枚数が少ないならLOさせても良し、『ガジラビュート』を使い回しジワジワ焼却しても良し。弄ぶだけ弄んで勝ちましょう。
おまけ:08の優良カードリスト
最後に、サンプルリストで紹介した物も含め、08環境で追加された優良カード一覧を載せておきます。
正直入れるか迷った物もありますが、知っておくに越したことはないということで…。
逆に「何でこれが入ってないんだ!」という場合もあるかもしれません。お許しください。
光文明
水文明
闇文明
火文明
自然文明
多色
おわりに
いかがでしたでしょうか。
できる限り幅広い系統を紹介したので、概ね今回紹介したどれか、あるいはその派生型を見かけることになるのではないかと思います。
とはいえ05と比べてカードプールもかなり広がっているため、ここでは扱わなかったデッキもたくさんあります。
08では3色以上のカードも複数登場したため、05では色配分がシビアだった4c以上のデッキも比較的楽に組めるようになりました。
ただし、『ラストバイオレンス』や『パーフェクトアース』など、1枚で5色を持つカードはマナに置いても色を生むだけで1マナとしてカウントされないのでご注意を。
(ちなみに5色で1マナを生み出すカードは、ここから約17年経った今月発売の最新弾でようやく登場しました。)
「今から新しく08のカードを集めるのは大変…」という方は、05のデッキに08のカードを追加してみるのもおすすめです。
中でも「クローシスボルコン」なんかは、
・執拗なる鎧亜の牢獄
・バキュームクロウラー
・魔刻の斬将オルゼキア
・威牙の幻ハンゾウ
・炎晶バクレツ弾
あたりをちょこっと追加するだけでかなりそれっぽくなりますよ。
最後になりますが、ここまでお読みいただきありがとうございました!
少しでも「08に興味が出た」という人がいれば、ぜひこれを参考にデッキを組んで遊んでみてください。
大会で皆さんと戦えることを楽しみにしております!ではまた!