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【5分でわかる!】「社員エンゲージメントを深めるストーリーの創り方〜見逃せない、絶好のタイミングとは?」

「会社のビジョン」と「個人のビジョン」を両立する。事業の利益を維持しながら社会性も獲得し、個人のやりがいも実現する。

こういった社会の潮流が高まる中で、今、さまざまな企業の現場で、試行錯誤が行われています。

とはいえ、まさに言うは易く行うは難し。

バランスをとれた持続的な状況を作るためには、社員ひとりひとりの声を拾い上げ、経営に反映させるコミュニケーションが欠かせません。そしてそれは、組織の規模の大小に関わらず、なかなか大変なこと、と感じられる方が多いのではないでしょうか。

私たちは、「ショートストーリー for サステナビリティ」というプロジェクトを通じた発信や伴走を通して、「ストーリー」の力を活用した新戦略をみなさんのもとにお届けしています。
 
今回は、社内コミュニケーションの真髄・人事部で活躍するゲストをお迎えし、社内エンゲージメントを高める具体的なアクションから、活用しないわけにはいかない「絶好のタイミング」まで幅広くお話ししました。
 
こちらの記事では、トークのダイジェストをお届けします。

記事の最後には今日からお役立ていただける資料もご用意していますので、ぜひ最後までご覧ください。

トーク全編はこちらから。

登壇者プロフィール

左上から時計回りに、秋間・大泉・諏訪・木下(敬称略)

【ゲスト】 株式会社コスモスイニシア 人事部長 木下 修文 氏
2002年に株式会社リクルートコスモス(現 株式会社コスモスイニシア )に入社し、人事・財務・経営企画・新規事業開発などを担当し、現在は人事部長として個と組織が躍動する会社づくりを推進中。同社は新卒入社して良かった会社ランキング第3位*、不動産ディベロッパーとしては珍しく20年連続で住宅などの幅広い分野でグッドデザイン賞を連続受賞など、特徴的な組織・事業運営の面で知られる事業会社。

* 新卒入社して良かった会社ランキング:https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_95

株式会社FROGLOUD CEO 諏訪 慶
 2005年、米国アカデミー賞公認 アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を企画運営する株式会社パシフィックボイスに入社。映像事業部 部長 兼 映画祭のチーフ・プロデューサーとして、映画祭協賛営業や企業・行政団体とのショートフィルム製作、
ショートフィルムを活用したビジネス周りを統括。2015年1月、同社執行役員に就任。代表の別所哲也と共に株式会社FROGLOUDを設立。代表取締役社長として現在に至る。
 
株式会社FROGLOUD CCO 大泉 共弘
 事業創造・ブランディング・マーケティング領域で、一貫したストーリー性を重んじるクリエイティブディレクター。理念は「ビジネス価値のあるオリジナルストーリーを生み出す」。映画業界を経て、大手広告代理店(オプト/東急エージェンシー)で、マスとデジタル、ブランドとダイレクトなどボーダレスな領域で指揮を執り、現在はフードデリバリーmenuなどの事業を担うレアゾン・ホールディングスで、部長 / シニアクリエイティブディレクター・コミュニケーションデザイナーとして、コミュニケーション領域を管轄する一方、ストーリーマーケティングを得意とするフログラウドでCCOを務め、社会貢献価値のある新規事業の立ち上げに従事している。
 
株式会社La torche CEO 秋間 早苗
 東京大学大学院在学中の2006-7年、MIT、スイス工科大学などの大学連携より、サステナビリティをテーマにした学生サミットを主宰。 2008年同大学院国際協力学修士課程修了。卒後1社目の起業より、環境・医療・教育など多分野を横断する産官学連携および事業開発プロジェクトに携わり、事業性と社会性の統合、マルチステークホルダーの協働関係創出について研究と実践を重ねる。 2社目の株式会社La torcheの起業を機に、認知科学的アプローチによる「ものの見方の転換」による個人・組織の活性を取り入れ、アフリカをはじめとした国内外のSDGs事業開発、組織開発、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)をプロデュ―ス。2児の母。

「ショートストーリー for サステナビリティ」とは?

「物語」の力を使ったストーリーマーケティングを専門とするFROGLOUDのお二人と、サステナビリティを道具に長年企業の伴走に携わってきたLa torcheの秋間。この三人がタッグを組んで展開するのが、「ショートストーリー for サステナビリティ」(以下、SSS)です。

近年、「ミッション」「ビジョン」「パーパス」「理念」など、企業が大切にしている考え方を言語化すること公表することが重視されています。しかし、SDGsなどへの意識浸透も重なったことからか、その多くが「成し遂げたい未来」を志向したもの。

社名を隠すと同じような内容になってしまうほど、せっかくのその企業「ならでは」「らしさ」を打ち出せていないものになってしまいがちです。

そこで一つの解決策となるのが、企業を「キャラクター」と見立てること。キャラクターの個性を考えていくと、自然とチームが過去にやってきたことや、大切にしてきた価値観が浮かび上がります。それをもとに「今後のチャレンジ」や「チャレンジに対する向き合い方」を考えることが、「ショートストーリー新戦略」の真髄なのです。
 
▼「ショートストーリー for サステナビリティ」について、詳しくはこちらから

今求められている「社員エンゲージメント」と「組織の躍動」

「社員エンゲージメント」は、会社の方向性に対して社員が納得していたり、共感していたりする状態のこと。近年、この社員エンゲージメントが高い企業ほど、売り上げが高く、離職率も低いことが指摘されています。

また、このエンゲージメントを伸ばす方法としては、企業が社会に目を向けた活動をしていることや、ミッション・ビジョンが浸透していることが挙げられています。

しかし、ここまではあくまで「当たり前」のこと。問題は、どうやって社員エンゲージメントを高める仕組みを社内に実装し、継続させていくかです。
そこで、今回は株式会社コスモスイニシアで人事部長 として働かれている、木下修文氏に、現場ならではの工夫や苦悩、ストーリーの活かし方についてじっくりお伺いしました。

木下
株式会社コスモスイニシアの木下です。
コスモスイニシアは「Next GOOD」を掲げ、次の時代のスタンダードを意識した事業を展開しています。主な事業は一般の方向けの分譲住宅の開発・販売事業・投資家向けの収益不動産の開発・流通・管理事業などで、最近ではホテルの新ブランド立ち上げなどがトピックスです。

ホームページより

木下
その中で、私は人事部長として、社員との面談や面接、より良いコミュニケーションを取るための仕組みや制度づくり、システムの運用などに日々取り組んでいます。
当社は「個と組織が躍動することが、事業がうまくいく最大のキーポイント」と考えている会社なので、ここで働く個人と集団が楽しく躍動している状態を作るのが私のミッションであり、仕事です。

忙しい日々を送りながらも、強い一貫性会社との一体感を武器に前進している木下さん。躍動するチームづくりのためには、具体的にはどんなことをしているのだろうか。

木下
テーマを3つ設定しています。
一つ目は、組織の文化や風土といった「らしさ」を醸成していくこと。
二つ目は、個人がやりがいを持って働くための報酬や福利厚生のプランをきちっと機能させること。
三つ目は、近年特に増えている働き方の多様性にアジャストしたり、時にはリードしたりしていくこと。
ただ、仕組みと主旨は常にセットでなければいけないとも思うので、「なぜやるのか」を従業員とコミュニケーションをすることを大切にしていますね。それで今回のテーマにも、興味を持っています。

木下さんが「超重要課題」と位置づける、従業員の共感度や納得度を高めるアプローチ。
 
SSSチームも同様に、社内外に企業の価値観を伝える際の課題感を、多くの人から聞く機会があります。

大泉
パーパスや理念って、設定はできるんですけど、浸透させるっていうところが非常に難しいんですよね。

筋の通った理論の存在だけではどうにもならないものだからこそ、現場の声を拾うこと、具体的なアクションを策定していくことが大切。ここからはその観点で、より深くコスモスイニシアさんの社内エンゲージメントを深掘りしていきます。

分かち合うプロセスをデザインすること

株式会社コスモスイニシアのホームページを開くと、シンプルながらも心に響くビジョンや、視覚的にわかりやすく整理されたCSV・ヒストリーなどが目に入ってきます。

ホームページより

大泉
ブランディングとマーケティングを両立させること、事業成長と社会貢献のバランスをとることは簡単ではない中で、コスモスイニシアさんはその転換を上手にされている印象もあるんです。この辺り、意識されていることはありますか。

木下
経営側としてはそのバランスに葛藤しながらも都度判断を行い、前へ前へと進めていっています。ただ、検討プロセスや判断の理由が現場に伝わらないと「うちの会社は売り上げ至上主義か」などと誤解されてしまうこともあるので、理念と業績の両立を定着させることには苦悩していますね。

諏訪
ブランディングとマーケティングを融合させた考え方が踏襲されるのが、まさに会社のビジョンを言語化したパーパス、フィロソフィー、理念といったものなんですね。Webページにも書いていてみんな「知っている」のに、社員の誰にも「伝わっていない」という課題感も、よく聞きます。
 
現場と経営側のコミュニケーションを深めるための工夫として、木下さんは毎年行われる大規模なミーティングや、事業部のトップがそれぞれのビジョンや達成までの道筋を言語化、発表する取り組みを挙げられました。

「伝説のムービー」から学ぶ、草の根的エンゲージメント

言葉による定義に依存するのではなく、議論のきっかけになる余白の部分を分かち合おうとしたり、実際の業務の中で体現することを大切にしたりと、コスモスイニシア、そして木下さんの哲学が垣間見えた前半のトーク。
 
ここからは、今も語り継がれているという「伝説のムービー」を切り口に、具体的なエンゲージメントの生み出し方を探っていきます。

木下
不動産を扱う事業部の中でも、実際にお客さんに物件を説明して買ってもらうフローを担う部署が、自分たちの仕事についてアンケートをとり、まとめたムービーがあります。
 
10個ぐらいのエピソードを文字や画像で表現した簡単なものなんですが、その仕事をしている人は涙なしには見られない、感動ムービーになっています。今でも節目節目で振り返りの意味で見たり、それを見て頑張ろうと思えるような機会になったりしています。

諏訪
これを見たら、自分の仕事に誇りを持てるなって率直に思いました。
余計な絵をつけず、エピソードの文章を読ませて、頭の中で想像させるような作りをしている。そして、入社2年目から20年目ぐらいの方々のエピソードが散りばめられているので、どの入社年数の人にとっても、今後仕事の中で得ることができる誇りを思い出させるようなものになっているのも、すごいなと感じました。

大泉
結婚式ムービーのような...映像のプロが作ったものではなくて、純粋にエピソードを並べているからこそ生み出せる感動がありました。
 
また、大々的な予算を組んだプロジェクトではなく、社員自身の小さなアクションが形になったという点も、参考になりましたね。こういったストーリーづくりは、事業成長との関係性や費用対効果を簡単には説明できないのですが、iphoneでつくれる、けれど心のこもった作品づくりが、社員エンゲージメントのきっかけになるのはすごく良いなと思いました。

「自分たちらしさ」が凝縮されたようなこの映像。
ただ、諏訪さんはもう一つ、大切なポイントがあるといいます。

諏訪
社員エンゲージメントを高めるからといって、社員が主語ではないのもいいなって思います。自分たちが顧客の人生を変えました!ではなく、顧客がどれだけ幸せになったかを表現して、そこをお手伝いできたという目線に立っている。
 
僕たちが手がけるブランデッドムービーでも1番やっていけないことは、広告色や押し付けがましさが出てしまうことなんです。心が遠ざかってしまうんですね。
 
まさにこの映像は押し付けがましさがなく、「100回の説明よりも1回のストーリー」を体現しているようなところに共感しました。

もちろん、全ての企業にとっての解決策が、「伝説のムービー」だと言いたいわけではありません。
 
コスモスイニシアさんの場合、社員の目線に立った具体的なエピソードが、ショートストーリーの真髄でもある「”らしさ”をもったキャラクターが、挑戦に取り組む姿」を反映していました。外注ではなく手作りだからこそ生み出せる共感も重なり、心を動かし、エンゲージメントを高める大きなきっかけになったのです。

チャンスを見逃さない!きっかけの見つけ方、活かし方

コスモスイニシアさんにとっては、「伝説のムービー」が自分たちらしさと向き合い、見つめ直すきっかけの一つになっています。しかし、日々の業務に追われる中で仕事を振り返り、らしさを発見するのはなかなか難しいもの。多くの人を巻き込める機会やタイミングは、どこにあるのでしょうか。

木下
今の会社に20年間勤めてきて、経営と現場がコミュニケーションをとり、自分たちらしさを見つめ直すタイミングは大きく分けて3つありました。
 
一つ目は、リーマンショックで打撃を受けた時など、会社が耐え忍ばなければいけない時期。二つ目は、経営計画の発表など、目標を打ち出すタイミング。そして最後は、周年ですね。過去を振り返り、今後何を大事にしていくかが自然と問われるタイミングだと思っています。

木下さんが最後に挙げられた「周年事業」は、「特別な時期である」という認識が社内外を通じて集まりやすいため、まさに見つめ直すベストタイミング。

また、コミュニケーションの過程にも、自社らしさを反映させることがとても大切です。
 
コスモスイニシアさんの場合は、OB・OGとのつながりが豊富という特色を活かしたOBやOGに対するアンケート調査、関係会社と連携したキャンペーンなどを通して、周年の機運を高めているとのこと。また、周年事業に担当者を設け、普段の業務量を調整するなどのハード面での工夫も欠かせないと語られていました。

木下
まずは、自分たちがどういう存在で、世の中にどういうことを期待されているかを認識することが大切です。周年はステークホルダーやお客様へのアピールの機会でもありますが、まずは自社のビジョンに心の底から共感できる環境をつくることを最重要視しています。

 冒頭から徹底されている「躍動する組織」の理念。個人も会社もパワフルであるために、機会を逃さない姿勢が感じられました。

木下
この会社が提供するサービスを通して、人がわっと笑顔になったり驚いたりすることが大切だと思っています。「Next GOOD」をたくさん生み出していけるような組織の体力を、10年、50年と磨いていきたいですね。社会が良くなることとビジネスを伸ばすこと、その両輪を回していくために日々仕事に取り組んでいます。

自社の「らしさ」や「軸」が体に浸透し、一つ一つの言葉に力が宿っている印象の木下さん。最後に、「ショートストーリー for サステナビリティ」への期待についても語っていただきました。

木下
社内で思いや考えを共有し、共感を生み出すのはとても大切なことです。一方でうまく行かないこと、大変なこともたくさんあります。コミュニケーションに労力をかけてもやりきれていないということもたくさんある中で、ストーリーという形での整理は、間違いなく刺さります。私と同じように、苦悩しながらも社員エンゲージメントに取り組んでいる人事・経営企画・総務などの人にとって、一つの選択肢になったらいいなと思います。

最後に

エンゲージメントが高い状態で働くということは、人事戦略上必要という文脈もありますけど、人としてやりがいを積み重ねるって言う意味でもすごく大事ですよね。エンゲージメントが高い状態は大切...いや、なくてはいけないものだと思います。

「社員エンゲージメント」についてこう語っていた木下さん。一人一人の体感や感覚をボトムアップで積み重ね、統合させていく私たちの信念にも、重なる部分が多くある対談でした。
 
「ショートストーリー for サステナビリティ」も、社員を巻き込み、コミュニケーションを深めていくプロセスのデザインを重視しているサービスです。
 
みなさんにとってより良い発信・プロジェクトになれるよう、これからも邁進していきます。

プレゼントのご案内

「周年をきっかけにブランディングに取り組む施策づくり」「人材の確保に欠かせないストーリーの活かし方」の2つのテーマで、資料をお届けします。
 
それぞれ、自社の現在地を測ることができるチェックツールもご案内していますので、ぜひ
チェックしてみてくださいね。
 
①「周年から未来を見据える企業のサステナビリティブランディング」

②「HRに効果があるストーリーの創り方」



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