自律したチームを作るためには
今回のテーマは、
「自律したチームを作るためには」です。
イメージとしては、
あれこれ言わなくてもそれぞれのメンバーがチーム・個人としての軸を持って行動できる態勢づくりです。
1.数年後(未来)の姿を描く
「いきなり何だ」と思われたかもしれません。
しかし、私が考えるチーム作りには欠かせないものです。
例えば、3年後に現有メンバーを核としてどのようなチームにしていくのかを考えます。
それは、今できていないことも含めて。
勿論、出来ていないことが出来るようになるのかどうかは分かりません。
ただ、出来ないものをどうすれば出来るようになる可能性があるのかを考えることは可能です。それがリーダーの役割です。
3年後に核となる人財を育てたいことが明確になれば、該当するメンバーにどのようなことを経験させたり、役割を任せたりするのかを考えることが可能となります。
あるいは、デジタル化に伴うインフラの変化や所属するメンバーの配置人数が変わることが予定されているのであれば、業務内容の見直しや個々のメンバーの役割の見直し等の対応が出来る態勢づくりについて考えることが必要です。
今ある状態を動かしていくのではなく、このチームの未来を描き、そして、そこに向けた手を打っていくことがとても重要です。
リーダーの想いを込めて!
2.変化を常に生み出せる環境をつくる
経験し、慣れた業務を行なうことは、誰しも居心地が良いものです。
5年・10年と同じ業務を担当していた人にとっては、同じ業務を同じやり方でやっていくことが最高に居心地が良いようです。
そして、「自分しか知らない」状態になると、周りからも頼られるので自分のポジションが確立されたかのように感じる状態になる。
この状態が、チームの中で発生していたら少し注意が必要です。
長い間に亘って同じことをやってきたメンバーにとっては、現在やっていることが当然かつ最善であるとの意識を持っています。そうすると、変化することに対して、かなりの抵抗を示すようになります。
例えば、
「変えることによって、ミスを起こすリスクが生じる」
「私が一番分かっているのだから、このままで良い」
「忙しくて、新しいシステム要件を考える時間がない」
等のさも正しいように聞こえる意見を出して、変化することを嫌います。
この状態となった時には、"担当を説得する"のか"担当を変える"ことでの対応が必要となります。いずれも、リーダーにとっては、パワーの必要な対応となります。
では、この状態を生み出さないためには、どのようにするのか?
① 一つの業務を複数のメンバーが分かる態勢にする
➁ 適宜ローテーションを行ない、違う視点を業務に取り入れる
➂ 他部署間での異動を行なう
④ リーダー自身が変化に対して前向きな姿勢をとる
このことを行なうことにより、従来の取扱いに疑問を持ったり、改善していく流れが自然と発生していきます。
勝手に変化が常に生み出されるようになります。
リーダー自身が変化に興味を持ち、積極的に取り組むことが加速させていきます。
3.チャレンジした失敗は、受け入れ認める
「失敗することは許されない」とメンバーが感じていると、新しいことに取り組むことにとても消極的になります。
酷い場合には、失敗することを前提に対応し、自分がリスクを負わないようにすることだけに傾注してしまう場合もあります。こんな状況になると、当然ながら、良いものが出来るはずはありません。
では、どうすると良いのでしょうか?
チャレンジして失敗したことは、事実としての失敗は受け入れます。
そして、頑張って取り組んだという姿勢と失敗から何を学んだのかに焦点を当てて、次に生かすことを一緒に考える。
これを繰り返していくことにより、失敗に対するメンバーの意識が次第に変わっていきます。
そして、もう一つ大事なこと。
リーダー自身が、チームのメンバーに任せた仕事に対して責任を取ること!
とても当たり前です。(残念ながら、ここから逃げるリーダーでは上手くいきません。)
4.長い目で見て判断する
デジタル化の影響もあるのだと思いますが、全体的にすぐに答えを見たいという意識に向かいがちです。
組織は、生き物です。そう簡単には、変わりません。
リーダーがどっしりと構えて、大きな流れでチームの変革を行なっていく姿勢が大事です。
失敗もあれば、成功もあります。
最終的に向かうのはどこなのか。
リーダー自身が忘れずに持っておくことが、自律型チームをつくる最大のパワーだと思います。