初めて、編集部にマンガの持ち込みしてきた話
先日、初めて「漫画の持ち込み」をしてきた。
とはいえ、私には、P32の読み切り漫画を完成させた経験などもないので(そういえば、そうだった……描こう)、今、Twitterやnoteでアップしている『子育ての地図』を、持ち込んだ。
紙に印刷して持ち込むらしい常識を知らなかったので、会場では「データでいいですか?」と聞き回った。
持ち込み先は、コミティアの出張編集部。出張編集部ってすごくいいなあ、と思ったのは、会社として「漫画を見る時間」を確保して来ている編集者さんたちなので、(早い時間帯に行けば)時間に追われて気もそぞろな感じが、ないのがいい。
会社で働いているとPCもそばにあるし、いろいろ時間とかTo Doとか気になっちゃうもんね。
まだ混み合う前だったので、前から持ち込みたいと思っていた某社の編集者さんに、ゆっくりじっくり見てもらった。すごく丁寧に見てくれた。
さすがにP60以上の漫画を「全部見て」というわけにはいかなかったので一部だけだけど、ipadを何度も上下に行きつ戻りつしながら、「これはどういうテーマですか?」「この人はなんていう名前ですか?」など質問を受けた。
そして言われたのが、
・子どもというのは、可愛いものという前提があると思うが、なぜ、主人公がここまで悩んでいるのかの背景が見えない。
・主人公の明確なwantが見えない。
・絵が下手
というものだった。なるほど〜!!おそらく、編集者さんは若かったので、子どもがいないような感じだったんだけれど、そうした人からすると、「なんでこの人、こんな辛そうなんだろ?」と、思って当然なんだよな。見落としていたよ。
1話で伝達すべき情報が甘いのも自覚していたので、ありがたかった。でも、編集者さん曰く、「そうした情報不足は、些細なこと」だそうで、
めちゃくちゃ言いにくそうに伝えてくれたのが、「絵が下手」ということだった。
これさ、なかなか言ってもらえないよね。マンガ専科のメンバーや家族であっても、気を使うもん。それだけに、軽く高揚して、
私:「つまり、絵が下手だから掲載はできない、ということですよね?」
編集者さん:「え、えーと、まあそうですね。例えば、ここのところが……」
私:「たしかに!あと、どこ気になりましたか?」
編集者さん:「視線が定まっていないですね」
私:「なるほど!はっきり言ってもらったほうがうれしいです」
編集者:「まあ、そうですよね」
といった、やりとりをしてきた。
で、一応、名刺をいただいて「また、連絡してください」と言われたので、
私:「いつ、どういったタイミングで連絡すればいいですか? 絵が上手くなったら連絡すればいいですか?」
編集者さん:「まあ(言いにくそう)」
私:「わかりました!すぐにうまくなるので、そうしたら連絡しますね!」
と伝えた。私、いい加減、おばちゃんで良かったと思ったよ(笑)。
『子育ての地図』は、私が、ページ数などのシバリを一切排除して漫画を描こうと決め、実験的に描き始めた漫画だ。
企業からの依頼でもなく、Twitterなどのページ制限もないツールをせっかく使っているのであれば、一度、自分が何を描いてみたいのか、描けるのかを、ちゃんと知りたかった。
そうしないと、自分なりの課題が見えてこない気がしたし、「P4漫画で練習せよ」「エッセイから始めよ」などのノウハウも、どこか腹落ちしなくて、やりながら迷いが出てきてしまうから。
でも、この漫画を描くようになって、いろいろ見えてきたよね。
そして、今回の持ち込みのもっとも大きな収穫は、「絵を上手く描けるようになろう!」と、めちゃくちゃ素直に思えたこと。
どこかにあった、「とはいえ、面白ければいいのでは?」という甘えをきれいに排除してくれたし、実際、今、立方体を描くところから、やり直している。
ここまで原点に戻って学び直そう!と思えたのは、まぎれもなく、編集者さんから貴重なアドバイスをもらえたおかげ。
あと、複数の編集部に持ち込んでみてもらったけど、共通して褒めらたのは、漫画のテーマだった。私自身、「自分が子育てに悩んでいた頃、読みたい漫画がなかったな」という思いがあって、
もっともっと、不倫でもママ友地獄でもない、「子育てのエモさ」をリアルに知ってもらいたい気持ちがあって、それを理解してもらえたのは、すごくうれしかった。
これで絵が上手くなったら、あれもこれもやってみたいと思っていたことが広がる気がする!!自分の市場価値もすごく上がる気がする。
今、すっごく「漫画がうまくなりたい!」という気持ちが強くなっていて、スポンジみたいに、いろいろな情報が入ってくるようになったので、このまま走り抜けていきたいな〜。
※『子育ての地図』、ネームがなかなか進まず掲載が遅れていることをお詫びいたします。