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【Webデザイナー】Webをやり続けるという狂気

職業・デザイナーシリーズ。

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ノーコードが世に出て久しく、チャットGPTに聞けばどんなコードも出してくれる。
そんな時代にまだなりたい人がいるか分からないけれど、Webデザイナーに必要なことを書いていく。

わたしはWeb業界に足を踏み入れて七年になる。
デザインすることとプログラムを組むことで飯を食ってきた。

Webデザイナーの卵時代に、知り合った仲間はたくさんいる。その頃は学校に通っていたし、横の繋がりを作ろうとテック系のイベントにもちょくちょく顔を出していた。
そこで繋がった知り合いの中で、デザイナーやプログラマーでい続ける人は少ない。
別業種に就職したり、転職前の業界に戻っていったり、そもそもWebデザイナーになれなかった人もいる。

その人たちは私よりずっとデザインが好きで、オシャレで、流行に敏感で、Webの仕事に大義を持っていた。コンペに出しまくっている人もいた。
それらのに彼らは、この業界にいない。
なぜ私か残り、彼らは残れなかったのか。その違いをいつしか考えるようになった。

何回も書いている通り、Webデザイナーはオシャレではないから、流行をキャッチする能力は意外と必要ない。
最新ツールやサービスがどんどん出てくるが、安定しない信頼性が薄いなどの問題から業務ではほとんど使わない。
真剣さとか情熱とか、スピリット的なものも関係ない(私にないから)。
それでは何が必要かというと、ひとえに「ずっとやり続けてしまう狂気」だと思う。

ずーっとわけわからんコードを見続けていても大丈夫な狂気。
時間を忘れて面白くもなんともない画面を見続けられる狂気。
映画「マトリックス」のオペレーターが「コードを見続けているとマトリックスにいる金髪の女が見えるようになるんだよ。俺はもう慣れちまったぜ」的なことをネオに言うシーンがあるが、わたしはこれを強く持っている。
小説を書いているせいもあるし、もっと遡れば子供の頃にずっとファミコンをやり続けたあの感覚が抜けきれないまま大人になった。
中学生の頃にパソコンを買ってもらいWebサイトを作っていたので、小学生(ファミコン)→中学生〜大学生(Webサイト作りや小説書き)→大人(Webデザイン)とゲーム感覚が媒体を変えて引き継がれている感じがする。

これは体質というか、脳の作りの問題だと思う。
ASDまでは行かないけど、無機的なものを触り続けられる耐性があるのだろう。

昔、Webデザイナーに向いている人の特徴を記事に書いた。

今ではチャットGPTで秒速で解決する問題も、この時代の私は解決に何十時間も費やしていた。

そういう過集中、没頭癖、ある種の狂気のようなものがなければ、この仕事は難しいのではないだろうか。

これはWebに限った話ではなく、生き物以外を相手にする仕事(バイク整備とかパチンコ台の釘打つ人とか美術鑑定士とか漫画家とか)全般に言えると思う。

この数ヶ月、家でずーっと一人で仕事をし続けて思った。
非人間相手には狂気が必要。

その極地にいるアーティスト系の人で鬼才と称されるのは、この過集中話と多かれ少なかれ関係ある気がする。

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オニキ ヨウ
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