君は「指輪物語:ホリデーシーンボックス」新規カードを知っているか【EDH/統率者視点で24種解説】
はじめに
※本記事はEDH/統率者 中・上級者向けの記事となります。
ホリデーシーンボックス(正式名称はThe Lord of the Rings: Tales of Middle-earth Scene Box)という商品がある。指輪物語が発売されてから半年以上後に発売された商品で、4種類が発売された。
指輪物語の名シーンを再現した6枚が美麗イラストで収録されているボックス商品……なのだが問題はそこではない。
この4*6=24のカード群、なんと全て完全新録新規カードとなっている。
一応同時発売したSpecial Edition Collector Boosterにも封入されているのだが、そもそもスペシャルエディション自体の流通量も多くないので、国内でのショップ在庫が怪しいカードもかなり多くなってしまっている。
これがゲームナイト新規のようなカードパワーが抑えられた新規ならばそれほど問題ないのだが、【Legolas's Quick Reflexes】というレガシー・cEDHで使用実績があるカードもあるように、構築級のカードがたくさんある。(ゲームナイトにも【Rot Hulk】のような突然変異種はいるが)
流石にレゴラスは名前を変えての再録があるとは思うが(ありますよねウィザーズさん?)、他のカードも実はかなり魅力的なものが多い。
今回はこの24枚のある意味オタクカードを統率者の観点から見ていこう。なお、ガチガチな環境でなくレベル6以下、晴れる屋さんのレベル分けで言うParty~Battle視点で解説していく。
和訳のカードテキストについてはMTG Wikiの記載を参考にしている。
解説:The Might of Galadriel(緑白青)
Arboreal Alliance
(X)(緑)(緑)
エンチャント
Arboreal Allianceが戦場に出たとき、緑のX/Xのツリーフォーク(Treefolk)・クリーチャー・トークン1体を生成する。
あなたが1体以上のエルフ(Elf)で攻撃するたび、居住を行う。
おすすめ度★☆☆☆☆
ツリーフォークを出しつつ、エルフの攻撃をトリガーにして居住を行うエンチャント。居住はトークンのコピーを出せるキーワード能力。
マナ受けで巨大なクリーチャーを出しながらそれを増やせるのは強いが、いかんせんトリガーが難しい。
後述する【Galadriel, Light of Valinor】や【エルフの刃、ラスリル】で使うのが良いか。ラスリルは特に自身の能力でエルフ・トークンが出せるので噛みあうかもしれない。
Galadriel, Light of Valinor
(2)(緑)(白)(青)
伝説のクリーチャー ─ エルフ(Elf) 貴族(Noble)
団結 ― これでないクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、以下からこのターンにまだ選ばれてない1つを選ぶ。
・(緑)(緑)(緑)を加える。
・あなたがコントロールする各クリーチャーの上に、+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。
・占術2を行う。カード1枚を引く。
3/3
おすすめ度★★★☆☆
統率者向きの3色伝説エルフ。超すごい【祝祭の出迎え】みたいなクリーチャー。団結はGGG3マナ生成とカウンターばらまきと占術1ドローと腐る部分がない。
この色の伝説のエルフは初だが、エルフシナジーがあるわけでは無い。どちらかと言うと団結を誘発させる為にトークンなどを相手ターンにも出せるカードと相性が良い。
【星界の大蛇、コーマ】や【若葉のドライアド】などと組み合わせるべきか。他の記事にあるように【ダニー・ピンク】との噛みあいは良好。
Rally the Galadhrim
(2)(緑)(青)
ソーサリー
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それのコピーであるトークンを1体生成する。
共謀(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたはあなたがコントロールする、この呪文と共通の色を持つアンタップ状態のクリーチャーを2体タップしてもよい。そうした場合、その呪文をコピーし、あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)
おすすめ度★★☆☆☆
コピー生成呪文。オマケで共謀を達成すればもう一度唱えられる。
系統としては【大笑いの写し身】や【内省】が近いか。コピーカードとしては相手のコピーが出来ないため使用感はまずまず。
【双子唱者、アドリックスとネヴ】などで候補に挙がるか。
Galadriel's Dismissal
(白)
インスタント
キッカー(2)(白)
クリーチャー1体を対象とする。それはフェイズ・アウトする。Galadriel's Dismissalがキッカーされていたなら、代わりにプレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールする各クリーチャーはフェイズ・アウトする。
おすすめ度★★★★★
左側のオーガの顔が印象的な白のフェイズアウト呪文。特筆すべきはその柔軟性。1マナインスタントで1体を対象にフェイズアウトするか、キッカーを支払い4マナでプレイヤー1人の全てのクリーチャーをフェイズアウトさせるか選択できる。一見すると防御呪文のようにも見えるが、キッカーで相手を対象にして相手の盤面をすっからかんに出来る。しかもフェイズアウトの処理上、次の相手のターンの開始時までクリーチャーは戻ってこない為、クリーチャーが並んで魔王になったプレイヤーの戦闘開始フェイズに打つことで1周の間3人で殴り放題にできてしまう。
白であればデッキを選ばず採用できる良カードだが、特に装備品・オーラ系ジェネラルは腐る場面が少ないありがたいカードだろう。cEDHで試されているのも見るカードなので確保はお早めに。
Mists of Lórien
(2)(青)
ソーサリー
複製(青)
土地でないパーマネント1つを対象とする。そのパーマネントと、それと同じマナ総量を持つ土地でない各パーマネントをそのオーナーの手札に戻す。
おすすめ度★★★★☆
3マナソーサリーと少し重いが、上手くいけば自分だけ有利な盤面を展開できる。軽い複製コストで小回りも効くナイスカード。やはり0マナを対象にトークンを一掃するのが強い動きか。
自分はパーマネントが手札に戻ることでの損失が少ないデッキなどではアド源と妨害を兼ねる。ETB使いまわしを狙っていこう。
【生ける卒論、オクタヴィア】は本人のマナ総量が重く、魔技を簡単に連打できるためシナジーが高い。
Galadhrim Brigade
(2)(緑)
クリーチャー ― エルフ(Elf) 戦士(Soldier)
分隊(1)(緑)
あなたがコントロールする他のエルフ(Elf)は+1/+1の修整を受ける。
2/2
おすすめ度★★★☆☆
分隊を持つエルフロード。大体【ジョラーガの樹語り】だがロードが横に並ぶのが最大の特徴。エルフは横に並んだ分だけ強くなる種族の為、一枚が複数に増えて打点も底上げできる非常にありがたいカード。
エルフ使いがトップして計算しだしたら用心せい。
なおその性質上【ワイアウッドの共生虫】とのシナジーがとんでもなく高い。エルフ部族デッキなら採用して損はないカード。
解説:Aragorn at Helm's Deep(赤緑白)
Andúril, Narsil Reforged
(2)
伝説のアーティファクト ─ 装備品(Equipment)
昇殿(あなたがパーマネントを10個以上コントロールしているなら、このゲームの間、あなたは都市の承認を得る。)
装備しているクリーチャーが攻撃するたび、あなたがコントロールしている各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンター1個を置く。あなたが都市の承認を持っているなら、代わりにあなたがコントロールしている各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンター2個を置く。
装備(3)
おすすめ度★★★☆☆
装備品には珍しい修正でなくクリーチャーへカウンターを載せる形で強化してくれる剣。なんと自身でなく自軍の各クリーチャーに+1/+1カウンターを載せるのでクリーチャーが横に並ぶデッキでは大変なことになりがち。昇殿達成で載せるカウンターを増やせる。昇殿は横に並ぶ戦略とか噛み合っていてそこまで意識しなくてもいいのも便利で、総じてトークンや小粒を横並びするデッキで強いカード。キャストと装備で計5マナが必要だがその価値はある。
普通に使っても強いが、【千番目の月、アニムパカル】や【君主のオキネク・アハウ】で使えば爆発的に打点を増やすことが出来るトンデモカードとなる。
Aragorn, Hornburg Hero
(1)(赤)(緑)(白)
伝説のクリーチャー ─ 人間(Human) 兵士(Soldier)
あなたがコントロールする攻撃クリーチャーは、先制攻撃と高名1を持つ。
高名であるクリーチャー1体がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーの上に置かれている+1/+1カウンターを倍にする。
4/4
おすすめ度★★☆☆☆
高名という能力を攻撃クリーチャーに持たせ、高名になっているクリーチャーがダメージを通すたびにカウンターを倍々にしていく変則的な自軍強化型ジェネラル。
高名は「戦闘ダメージを与えた時に高名でないなら+1/+1カウンターを置き、高名になる」という能力で改善に近い。ただし高名は「自身の高名が誘発しないと達成しない」為改善のようにズルはできず、少なくとも2回は殴らないと誘発しない。さらにカウンター倍化の誘発は戦闘ダメージを与えた時なので実質的な恩恵があるのは3回目以降のアタックととにかく悠長。
統率者に指定するのも良いが、統率者【シャライとハラー】に入れても非常にシナジーがある。
Legolas's Quick Reflexes
(緑)
インスタント
刹那
クリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。ターン終了時までそれは呪禁と到達と「このクリーチャーがタップ状態になるたび、クリーチャー最大1体を対象とする。これはそのクリーチャーにこれのパワーに等しい点数のダメージを与える。」を得る。
おすすめ度★★★★★★★★★★
説明要ります?
マルコムターナで【光り角の海賊】に付けるとオリカと化す。
Gimli's Reckless Might
(3)(赤)
エンチャント
あなたがコントロールするクリーチャーは速攻を持つ。
圧倒 ― あなたが攻撃するたび、あなたがコントロールするクリーチャーのパワーの合計が8以上である場合、あなたがコントロールするクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。前者は後者と格闘を行う。
おすすめ度★★☆☆☆
【熱情】に類する速攻付与エンチャント。1マナ重くなった代わりに圧倒達成時に格闘のオマケが付いた。
ただし圧倒を達成できているならわざわざ格闘をする意味合いがあるのかは微妙なところで、条件とご褒美が少しちぐはぐである。指輪物語のメインセットで【日の出とともに】という便利な速攻付与エンチャントが登場している為、こちらを採用する場合は格闘に恩恵がある統率者で起用したい。
【Zangief, the Red Cyclone】や【不吉な狩猟のニース】は格闘によって統率者の能力を誘発できるため相性は良い。最近の統率者であれば【茨の吟遊詩人、ベロ】も自身がクリーチャー化する上に破壊不能クリーチャーで一方的な格闘を行えるので採用候補になるだろう。
Isengard Unleashed
(2)(赤)(赤)(赤)
ソーサリー
このターン、ダメージは軽減されない。このターン、あなたがコントロールしている発生源1つが、対戦相手や対戦相手がコントロールしているパーマネントのうち1つにダメージを与えるなら、代わりに、それはその3倍の点数のダメージを与える。
フラッシュバック(4)(赤)(赤)(赤)
おすすめ度★★★☆☆
【ラースの灼熱洞】系のダメージ倍化カード。ソーサリーで奇襲性はない使い切りの代わりに自分だけに効果が及び、それなりに軽い。フラッシュバックも付いている為、倒し損ねても二の矢を放てるうえオマケのダメージ軽減無効も偉い。同じ3倍シリーズの【焦熱の解放】や【燃える都市】のようにパワー7以上の統率者で攻撃を通してワンパンKOを狙うのが良いか。
【無情の碑出告】では実は待望のカード。ダメージ倍化カードは多く種類があるが、赤単色で対戦相手に与えるダメージのみを倍化できるのは【擾乱のドミヌス、ソルフィム】とこのカードの2種類のみしかなく、他はダメージの軽減手段が必須となる。碑出告のコンボで気持ちよくなりたい人は購入しておこう。
Rohirrim Chargers
(2)(赤)(白)
クリーチャー ─ 人間(Human) 騎士(Knight)
Rohirrim Chargersが攻撃するに際し、あなたはこれを督励してもよい。(これはあなたの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。)
あなたがクリーチャーを1体督励するたび、装備品(Equipment)カードが公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上からカードを1枚ずつ公開していく。そのカードをそのクリーチャーにつけた状態で戦場に出し、その後、残りを残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為な順番で置く。
4/4
おすすめ度★★☆☆☆
督励することで装備品をデッキの上から探し出して装備させる突撃部隊。出てきた装備の修正などはかかるが攻撃時誘発などは当然誘発しない。
一応督励の対象を自身に限定していない為、他の督励でも効果の誘発が出来る。……がEDHで見る機会が多い督励クリーチャーは【戦闘の祝賀者】、次いで【栄光をもたらす者】くらいの為、どちらにせよあまり効率のいい効果とは言えない。最近出た便利カードである【栄光の闘技場】をクリーチャー化すれば割と簡単に誘発するのはどこかで使う機会があるかも。
どちらかと言えば他の装備品を入れず、【巨像の槌】などをピン投して確定ガチャにしつつ14/14でパンチ! とかを狙った方が楽しいかもしれない。
解説:Gandalf in the Pelennor Fields(青赤白)
Olórin's Searing Light
(2)(赤)(白)
インスタント
各対戦相手は、自分がコントロールするクリーチャーの中で最も高いパワーを持つクリーチャー1体を追放する。
魔巧 ― あなたの墓地にインスタント・カードやソーサリー・カードが合わせて2枚以上あるなら、Olórin's Searing Lightは各対戦相手に、そのプレイヤーが追放したクリーチャーのパワーに等しい数のダメージを与える。
おすすめ度★★★★★★
この記事を書く原因となったカード。赤白4マナとそれなりの重さだが、対象を取らない追放除去という最高クラスの除去性能を持ち、インスタント・ソーサリーが墓地に2枚以上という軽い条件で対戦相手に追放したクリーチャーのパワー分のダメージを与えるという大きすぎるオマケが付いている。
カジュアルな統率者で起こりがちな殴り合いで全員がライフを削りあっている中で打てば一気にトップ1~2人が脱落しかねないパワースペルと言える。
あまりピンと来ないかもしれないが実際に使ってみるとテキスト以上に使い勝手がいいカードなので、色が合えば是非試してみて欲しい。
今のうちだぞ!
なおダメージはこのカードから発生するので強いて言えば【ファイアソングとサンスピーカー】で採用すれば異常なライフを得ることが出来る。
Sorcerous Squall
(6)(青)(青)(青)
ソーサリー
探査
対戦相手一人を対象とする。そのプレイヤーはカード9枚を切削する。その後、あなたはそのプレイヤーの墓地からインスタントやソーサリーである呪文1つをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その呪文が墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。
おすすめ度★☆☆☆☆
激強ぶっ壊れキーワードの探査を持つスペル。
ただし内容は相手依存かつシンボルも重めでかなり調整されている。
【魔女王、ターシャ】の誘発条件を満たせるスペルなので試してみても面白いかもしれない。
Rammas Echor, Ancient Shield
(3)(白)
伝説のアーティファクト
あなたが各ターン2つ目の呪文を唱えるたび、カード1枚を引く。その後、防衛を持つ白の0/3の壁(Wall)・クリーチャー・トークン1体を生成する。
あなたのターンの戦闘開始時に、ターン終了時まで、あなたがコントロールする防衛を持つクリーチャーは賛美を得る。
おすすめ度★★★☆☆
はい。
以上です。
壁を生成できるアーティファクトって結構珍しいですね。
Courageous Resolve
(2)(白)
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー最大1体を対象とする。ターン終了時までそれはプロテクション(あなたの各対戦相手)を得る。カード1枚を引く。
窮地 ― あなたのライフが5点以下である場合、このターン、あなたはライフを失うことはなく、あなたはゲームに敗北することはなく、あなたの対戦相手はゲームに勝利することはない。
おすすめ度★★★★☆
窮地はともかく、プロテクション(あなたの各対戦相手)というほぼ無敵の耐性を得られるインスタント。軽いとは言えないがキャントリップ付なのが嬉しい所。
どちらかと言うと攻め札で【数多のラフィーク】や【放浪の勇者、バーラン】などの殴りジェネラルの攻撃を通すために使いたい。
更に、【贖いし者、フェザー】や【Chun-Li, Countless Kicks】のような呪文を再利用可能なジェネラルが使用した場合は強力な攻防一体のカードになるうえ、窮地達成時は相手ターンに構えることで相手が攻めるに攻められない状態を作ることが出来る。
Gandalf of the Secret Fire
(1)(青)(赤)(白)
伝説のクリーチャー ─ アバター(Avatar) ウィザード(Wizard)
対戦相手のターンの間にあなたがあなたの手札からインスタントやソーサリーである呪文を唱えるたび、解決に際してそのカードをあなたの墓地に置く代わりに、時間(Time)カウンターを3つ置いた状態で追放する。その追放されたカードが待機を持っていない場合、それは待機を得る。(オーナーのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、それをそのマナ・コストを支払うことなくプレイする。)
3/4
おすすめ度★★☆☆☆
飛蔭を駆り魔王と対峙する超カッコいいガンダルフ翁。ジェスカイの三色なので統率者向き。性能としては相手のターンに唱えたインスタントソーサリーを再利用できる。但し3ターン後。
時間カウンターを扱う【10代目ドクター】+【ローズ・ノーブル】と同様に追放されているカードは「見えている脅威」として全員に公開されているうえに即効性に欠ける。カジュアルなゆっくりとしたゲームでガンダルフの強さを体感したいなら組んでみても良いだろう。
相性の良いカードは【9代目ドクター】などのドクター・フーコラボの時間カウンターに関するサポートと【予期の力戦】のような瞬速付与カード。
Fell Beast's Shriek
(青)(赤)
ソーサリー
各対戦相手は自分がコントロールするクリーチャー1体を選ぶ。それらをタップし、使嗾する。
連繋(インスタントかソーサリー)(2)(青)(赤)
おすすめ度★☆☆☆☆
ソーサリーのうえまあまあ重い。連繋で使いまわせるが連繋コスト自体もかなり重い。そして効果は不確定と使いどころに悩むカード。
強いて言えば【負け知らずの精鋭射手、リラー】あたりで計画カードに連繋しつつ自身も踏み倒しの弾に出来るくらいか。
解説:Flight of the Witch-King(赤黒)
Call Forth the Tempest
(5)(赤)(赤)(赤)
ソーサリー
続唱、続唱
Call Forth the Tempestは、あなたの対戦相手がコントロールする各クリーチャーに、このターン、あなたが唱えたこれでない呪文のマナ総量の合計の値に等しいダメージを与える。
おすすめ度★★★☆☆
続唱が2個以上付いているのはバカカードを体現するバカカードの新参。
8マナととんでもなく重い代わりに対戦相手の各クリーチャーのみにこのターンに唱えたマナ分のダメージを飛ばせる。続唱が二つあるため0点という事はほぼ無いのと続唱で出てきた自分のクリーチャーは無傷なのがありがたい所。
【大渦の放浪者】など続唱系の統率者にはもちろんの事、【先見的発明者、カイロックス】や【魔法の糸のメイガ―】のような踏み倒し系ジェネラルでも非常に便利。特にメイガーは自軍のクリーチャー化したインスタントソーサリーが巻き込まれず、アドも稼げる全体火力のためありがたいカードだろう。
Nazgûl Battle-Mace
(5)
アーティファクト ─ 装備品(Equipment)
装備したクリーチャーは威迫、接死、滅殺1と「対戦相手1人がトークンでないパーマネント1つを生け贄に捧げるたび、そのプレイヤーが3点のライフを支払わない限り、そのカードをあなたのコントロールの下で戦場に出す。」を持つ。
装備(3)
おすすめ度★★☆☆☆
装備まで8マナかかる代わりに回避能力と滅殺1を与え、対戦相手版の【通行の神、エイスリオス】のような相手に3点のライフか死んだクリーチャーを奪うかの二択を迫るカード。ダスクモーンで似たような処理を行う【続・食肉鈎殺人事件】が登場した。あちらの方が軽く、死亡時と対称に取れるタイミングも多い。
だが真に重要なのは滅殺1の付与。トークンが並んでいないプレイヤーであれば滅殺はかなり痛い効果になる。あと滅殺って言うのが楽しいので是非試してみて欲しい。
生贄シナジーよりも装備品関係のジェネラルで使いたい。【ラドンハゲードン】や【飛空隊長、アーナ・ケネルッド】がおすすめ。特にアーナでこれを増やし始めると無法も無法なムーブとなる。
Witch-king, Sky Scourge
(5)(赤)(黒)
伝説のクリーチャー ─ レイス(Wraith) 貴族(Noble)
飛行
あなたが1体以上のレイス(Wraith)で攻撃するたび、あなたのライブラリーの一番上からカードX枚を追放する。Xはそれらのパワーの合計に等しい。このターン、あなたはそれらのカードをプレイしてよい。
不死
5/5
おすすめ度★★☆☆☆
黒、青黒と出てきたナズグルの首領である魔王(特定の固体を指す)の4枚目の新規。青黒の【ナズグルの首領】と違い単体でも使える攻撃時をトリガーとした衝動的ドロー能力を持つ。能力としては誘発条件が厳しい代わりに全てプレイできるようになった【ヴォルダーレンの末裔、フロリアン】と言った趣。ただし7マナと重さもトップクラスの為、フロリアンのように早期着地してドローカードを引き込んで手札を整えるといった使い方は難しい。
その性質上追加コンバットと非常に相性がいい。ただしカードが捲れて何が使えるか分かってからブロックが確定するため、レイスに回避能力は欲しい所。
後述の【Minas Morgul, Dark Fortress】とは相性が良い。追放したカードを複数プレイできる可能性があるため、【秘本に縛られし者、プロスパー】や【ナルフェシュネー】の追放領域からのキャスト・プレイに反応するカードは必然シナジーが生まれるだろう。
Mordor on the March
(3)(赤)(黒)
ソーサリー
あなたの墓地からクリーチャー・カード1枚を追放する。それのコピーであるトークン1つを生成する。ターン終了時までそれは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。
ストーム
おすすめ度★★★★☆
5マナでのリアニメイトソーサリーか……と思わせておいて最後の四文字で全てをぶち壊してきた新時代のヤバソーサリー。
ス・ト・ー・ムの四文字はMTG界隈では神聖四文字として知られていて秘境レガシーではストームを神として崇めてリーサル手段にする敬虔な狂信者が一定数いる事でも知られていますね。
赤黒なので採用は限られるが最終盤における優秀なリーサルになる事だろう。マナを伸ばすインソーが多い色なのも高相性。
【増殖されし者、マスター】においては完全蘇生になる。ただ、マスター自体は軽量スペルを連打するタイプのデッキにはしにくいのでストームを活かしにくい。5C系のリーサルとしてもオススメ。
Fell Beast of Mordor
(2)(黒)(黒)
クリーチャー ─ ドレイク(Drake) ビースト(Beast)
飛行
貪食1
Fell Beast of Mordorが戦場に出るか攻撃するたび、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。XはFell Beast of Mordorの上に置かれた+1/+1カウンターの数に等しい。
3/3
おすすめ度★★★☆☆
貪食1持ちのフライヤー。戦場に出る際に好きな数のクリーチャーを生贄にしてその分のカウンターが置かれる。その後対戦相手1人にドレインを行い、以後殴るたびにもドレインが誘発するタイタン型能力。
ドレインのみになった【残虐の執政官】のような使い心地。一応+1/+1カウンターの数だけドレインが発生するため後からカウンターを増やしてもドレイン量が変化するのはナイス。
殴った時に別のもう1人にドレインが飛び2人同時にライフを攻められる都合上、軽めのフィニッシャーとしての運用が可能。
トークンを並べる【カーの空奪い、プローシュ】等でも相性はいいが、+1/+1カウンター関係の能力を使うのも面白い。【本質の予見者、ウィロウダスク】は本人の能力との噛み合いが良く、倍々ゲームでドレイン量を増やしていける。
Minas Morgul, Dark Fortress
伝説の土地
Minas Morgul, Dark Fortressはタップ状態で戦場に出る。
(T):(黒)を加える。
(3)(黒)、(T):クリーチャー1体を対象とする。それの上にシャドー・カウンター1個を置く。シャドー・カウンターが置かれている限り、そのクリーチャーは他のタイプに加えてレイス(Wraith)である。(そのクリーチャーは、シャドーを持つクリーチャーのみブロックでき、シャドーを持つクリーチャーによってのみブロックされる。)
おすすめ度★★★★☆
伝説の黒単色土地。タップインだが4マナ起動でシャドー・カウンターをクリーチャー1体に置くことが出来る。
シャドーは実質的にアンブロ付与となるため、ものすごく簡単に言えば黒が必要な代わりに効果が永続する【ならず者の道】。細かく見ればブロックに制限がかかるため、完全上位互換の能力という訳ではない。
ならず者の道と違い、相手のブロッカー1体をシャドーにする事でブロック不可にできるというような器用な使い方もできる。ただやはりタップインという部分はかなり痛く、ならず者の道と完全に交換というカードでもないだろう。
汎用性が高く、黒ければ雑に入れても良いが、前述のとおり【Witch-king, Sky Scourge】との相性は良好。また、【ナズグルの首領】もレイスシナジーがあり便利に使うことが出来る。
また、統率者がどうしても殴りを通したい【アルタイル・イブン・ラ・アハド】などに入れておくのも良さげ。
まとめ&忙しい人向け
以上、簡単にだが24種の解説を纏めてみた。
唯一無二の性能をしているカードも多いため、これはというカードがあれば早めに購入しておこう。
性能で見るのであれば【Mists of Lórien】・【Galadriel's Dismissal】・【Olórin's Searing Light】辺りは押さえておくと良いかもしれない。
ただ前の2枚は執筆時点でかなり国内で品薄なため、採用したい場合は早めの確保をしておこう。
Olórin's Searing Lightは騙されたと思ってみんな使ってみよう。
今のうちだぞ!
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