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ゲームチェンジャーだ!何が?【統率者/EDH新規制カード解説】

はじめに

2/12未明「統率者戦ブラケット」の情報が発表されました。

新たなレベル分けであるブラケットと同時に「ゲームチェンジャー」カードの暫定的な発表もありました。
一言で言えば「普通に使うには制限のある強いカード」となります。
さてまあこれを受けて、国内外でたくさんの議論がなされるでしょうがとりあえずは今分かるものの話をしてみましょう。

つまり例によってゲームチェンジャーに指定された各カードの強みを解説していきます。
こいつ大きな動きがあった時だけ解説だけ出して満足してんな
それでは行ってみましょう!

※この記事は初心者~中級者向けの記事となります。


そもそもゲームチェンジャーって?

こちらが該当記事になります。まだ未読だという方はこちらを読んでからどうぞ。

こちらの動画も併せて。

去年発足した「統率者戦フォーマット委員会/Commander Format Panel」(以下CFP)が色々と新しくルールの改修をするよ! というお知らせ。その中の目玉の一つが今回発表された「ゲームチェンジャー」カード(GCとも表記)。今回制定されたブラケット1と2では使用できず実質禁止カード。ブラケット3では3枚まで使用できるとのこと。(一応ゲーム前の話し合いで低ブラケットで使用も可能です。この辺は禁止推奨と同じ立ち位置か)
強力なカードプールから枚数を選んで入れるというのは遊戯王ラッシュデュエルのLEGENDカードだったり遊戯王リンクスの「リミット3」が近いですかね。

これらはプレイヤーがリソースを独占したり、多くのプレイヤーが嫌うような変異をもたらしたり、ゲームを満足にプレイできなくしたり、カジュアルな方向から遠ざかる方針で組まれてしまいがちな統率者であったりと、統率者戦のゲーム性を変えてしまうカードたちです。

記事内(https://mtg-jp.com/reading/publicity/0038450/)より引用

要するに「これは明確に強いカードだったりヤバいカードだから注意して使ってね!」というカードと考えていいかと思われます。
また禁止カード候補でもあるとの事なので、今後検討する際はそれも考慮して購入などをしていきましょう。

では前置きを長くしても良くないのでさっそく個別の解説を。
また、前の記事に則って以下の3点を5段階評価で記載しておきます。

塩度       :後述するソルティなカードか否かの度合い
これ一枚で勝てる度:いわゆるパワカかどうかの度合い
cEDH適正      :ブラケット5で見る頻度。強さと言うより便利さ。

例によって記事は全て私自身の主観によるものですのでご留意ください。
一応cEDH~カジュアルをメインに遊んでおり、今回で言えばブラケット2・3・5についてはそれなりにやっております。
ご意見・ご指摘などございましたらコメントやX(https://x.com/lastkotoha)などでご指摘くださいませ。

白(5種)

《ドラニスの判事》

心をまっすぐにしてくるのですねッ!

言わずと知れた犯罪者代表。
なんでタフ3あるの? なんで手札以外全部止めるの?? なんで対戦相手だけなの???

大雑把に説明すれば「統率者を唱えられなくするカード」という側面が統率者戦では強いカードです。
ソルティ(塩・しょっぱい。カジュアル帯で出すと冷めるカードの俗称)の代表格とされるこのカードを最初に置いてきたのはCFPからの何かのメッセージに違いない(ぐるぐる目)

通常セットに入っている統率者向けカードが増え始めたイコリア出身と言う事で話題になる事も多く、同期の【ウィノータ】(後述)や【ブリーナ】と組んで暴れまわり、cにおいて「スタックス(行動阻害する置物やクリーチャーなどで相手の動きを封じて走り切るアーキタイプ)」が出来る一因となった存在でした。
今では昔ほどはcで見ることは無いものの、忘れたころにポン置きされて涙目になる事も……。
あと続唱系デッキや【プロスパー】のような衝動ドローデッキもついでに死にます。火力はちゃんと3点以上、お姉さんとの約束だ。

代替?ねぇよそんなもん。

評価
塩度       :5
これ一枚で勝てる度:3
cEDH適正      :3.5

《悟りの教示者》

1マナでデッキトップに対応した種類のカードを置けるカード群、所謂「チューター」サイクル初出の白版。
白はアーティファクトやエンチャントサーチ。
統率者においてはかなり幅広いレベル帯で見るカードというイメージ。
まずサーチ範囲が腐りにくく、序盤は【太陽の指輪】や【秘儀の印鑑】をサーチでき、足回りが確保できているなら【リス研】や【息詰まる徴税】でアド差をつけるカードを探したり、終盤には【食物連鎖】や【ボーラスの城塞】といったエンドカード群にもアクセスが出来ます。
インスタントなので除去を構えるだけで終わりがちな白で、浮いたマナをサーチに充てられるのも細かくありがたい。気遣いの塊カード。
代替は【牧歌的な教示者】になりますが使い方も何もかも変わるので単純に強いカードと入れ替えた方が無難。

まあチューターサイクルは一律禁止なのは納得性高いかな……。
みどチュー……? ギャンブル……?

評価
塩度       :1.5
これ一枚で勝てる度:2
cEDH適正      :5

《セラの聖域》

再録禁止の高額カード

ウルザズ・サーガの伝説の土地サイクルの一つ。
青緑白の三枚しかないのに青が禁止推奨で緑白がゲームチェンジャーになった悲しき壊れカード……。
【シヴの地溝】? 知りませんね……。

理由は書かなくていいと思います。マナ出すぎ罪です。しけぇ。
ごくたまに2ターン目くらいに出て来てマナが出ねえ!!! ってなるのが観測されます。

評価
塩度       :2.5
これ一枚で勝てる度:3
cEDH適正      :4

《息詰まる徴税》

どっちも好き(右の子が金貨を吐いてる特殊性癖版は無いんですか)

白が統率者戦での役割として与えられた「相手の行動に反応して自分の利益を産みだす」、徴税系カードの大元。
余りにこいつがやり過ぎたのか後続の【独演の代償】などのカードはかなりセーブして作られています。
なによりドローというターンに1回必ず行う必要のある行為に反応するので一巡で最低でも3回反応が担保されているのが強み。
【朝の歌のマラレン】で対策だ!

記事内に書いてあった「リソースを独占するカード」はまさにこの系統と思われます。
ドローを鍵とするジェネラルがいると勝手にマナが増えまくる地獄絵図になって卓が終わります。【赤歯の執政、イェナ】などが増やそうもんなら地獄開始に。
また、徴税系・リス研系すべてに言えますがエンチャントの誘発忘れが起こりやすく、また頻繁に確認も挟まる為ゲームのテンポを大きく損ねるのも欠点……こう書くと良い所全然ないな!
使う側としてはかなり助けられたことも多いエンチャントなんですが。

評価
塩度       :3.5
これ一枚で勝てる度:4.5
cEDH適正      :4

《つるむ面倒》

ついでにイラストも面倒(問題)

徴税系2枚目としてこいつもリスト行。
かなり広い範囲に反応する為、中盤に出せば大体一巡の間に2~4枚は引けるカジュアル帯での白い【リス研】と言った感じ。
オマケのような追加ターン拒否も偶に青が悶絶したりする。

これと【息詰まる徴税】と【エスパーの歩哨】が白を取る理由の一つにもなっているので3枚中2枚がゲームチェンジャーになったことでブラケット2・3では白が大きく弱体化するのではないでしょうか。
とはいえ【密輸人の分け前】や【独演の代償】などもあるのでやれない事もないといった感想。

評価
塩度       :2.5
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :3.5

青(9種)

《サイクロンの裂け目》

FTも秀逸

青単の最終兵器が死んでおられるぞーー!!
2019年の統率者ブーム以前までの統率者の「顔」ともいえるカード。
まさしくフィニッシャーであり撃てば勝ちの一方的リセットボタン。膠着した盤面から上家エンドにリフトで一気に終了なんてザラに起こること。

青入りは打消しをたくさん構えながらこれを通してコンボを決めるというのが昔からの定番だったのですが今後はそうもいかなくなりそう。
【シンクロ解除】など代替カードもありますが完全な互換ではないので運用には注意しましょう。

評価
塩度       :2
これ一枚で勝てる度:5
cEDH適正      :3

《召し上げ》

青単の核弾頭も死んでおられるぞーーー!!!
追加ターンとコントロール奪取の†最悪の二択†を相手に迫る、重いだけのコストに見合った強カードと言った風情でしたがこれもゲームチェンジャーに。
どちらかと言うと2位3位に居る時に撃てば3ターンくらい追加ターンを貰えるカードと言った感じなのでお願いでぶっぱする印象が強め。

代替カードとしては【時間の伸長】や【露骨な窃盗】などを選択で入れられる分【サイクロンの裂け目】よりはマシかなぁといった感じ。

評価
塩度       :3
これ一枚で勝てる度:5
cEDH適正      :2.5

《意志の力》

どのイラストも「赤を入れろ」ってオーダーが入るらしい

FoW、フォースオブウィルとも。レガシーの顔とも言われるピッチ打消し。
正直なところこれに関しては「ゲームチェンジャー枠に入れなければいけないカードか?」と思います。
よく言われますが、4人対戦における打消し呪文は「打消しを撃った側と撃たれた側の2人が損をするカード」でしかないのです。
なおかつ手札を1枚切ってまで打ち消している時点で、キャストしたプレイヤーはかなり苦渋の決断をしているものと思われます。

【否定の力】の説明である通り、勝ち確定の状態で無限ドローした際の妨害ケアになってしまうというのは確かにあれど、個人的には「他の人に撃ってもらったFoWで生き永らえた」という経験の方が遥かに多いので……。
ブラケット3辺りでは脅威になる事が多いかもしれないので色々意見を聞きたいところ。
高いからGC入れといたよ! と言われるとありがとうございます…。と言う他ない。
何気に万能打消しでクリーチャーにも当たるのがかなり偉いポイント。

一応代替には【撃退】がありますが相当重いので入れ替えになるかは不明。素直に【否定の力】でも入れましょう。

評価
塩度       :2
これ一枚で勝てる度:1
cEDH適正      :4

《激情の後見》

サイクルに緑なんてなかった

イコリア統率者最強の4枚である統率者ピッチの青版。
こちらと【偏向はたき】のどちらが最強かはよく議論になる所。

どちらかと言うとFoWよりはこちらの方がゲームチェンジャーとして納得感が大きいかなといった所。
統率者が居るだけで除去などをなんでも一回は弾けるのは超偉い。
最近高騰してる【青閃光】なんかが台頭してくる形になるのでしょうか。

評価
塩度       :1.5
これ一枚で勝てる度:1
cEDH適正      :4.5

《リスティックの研究》

【サイクロンの裂け目】と共に統率者と言えばこのカードという「顔」。
3人に対して何をするにしても➀の追加を要求して来て払えなければカードを引けるというイカレた性能。ターン内の制限もカードの種類も問わないのが特にヤバく、一巡の間に手札が10枚を超えることもザラ。

まあこれは5-6で置かれて首を傾げる場面もそれなりにあったのでゲームチェンジャー枠としては妥当かなと。
代替は【神秘的負荷】ないしは【両生類の神童】あたりでどうぞ。

評価
塩度       :3
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :5

《タッサの神託者》

オラクル……お前の罪はただ一つ。強すぎた……!イージーウィンコンボの核であるタッサの神託者、通称オラクルもゲームチェンジャーに。
【デモコン】で山札を吹き飛ばして勝つデモコンタッサが有名ですがそれ以外にもソートラッシュタッサやらパラダイムタッサやら色々と悪さをします。
似た効果を持つ【研究室の偏執狂】や【神秘を操る者、ジェイス】と比べて一番の強みは勝利条件が常在型でなくEtBの誘発である点。

出てしまうと打ち消しや誘発を止める手段がないとほぼ負けが確定します。
cはともかく5-6や7でこれが飛んでくると悶絶ものなのでこの措置は納得。(個人的には【デモコン】もゲームチェンジャーで良いとは思いますが)

ドロー方のジェネラルでブラケット3くらいを目指す場合は上の常在型のカードを代替にするのも手。

評価
塩度       :3.5
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :4

《最高工匠卿、ウルザ》

ワンマンアーミー

おじいちゃんそれモックスじゃないですよ。
全てのアーティファクトをモックスと思い込んでいる痴呆老人も無事収監。

こちらは今回の発表の中では少ない「統率者に置くことを想定されたカード」です。
アーティファクトの高速展開から相手の行動を縛る【冬の宝珠】などを置いて相手の行動を縛り、ウルザ着地からコンボやウルザをブリンクしてトークンで殴り切る「青単スタックス」「ウルザスタックス」と言うデッキの統率者。
大体やりたいこと1人でやれる凄いやつ。流石PWは格が違った。
低レベルで見たことは無いのでゲームチェンジャー枠に入ってるの結構驚きなんですが5-7辺りでウルザ使ってる人が相当数いるって事なんでしょうかね。
統率者に置かなきゃ大丈夫でしょ? と言いながら【ヨーリオン】や【ブレイゴ】が出してきて延々とブランクしてきたのもあったのでそう言う対策でもあるのかな?

代替と言う訳ではないですが【工匠の主任、ウルザ】も5-6帯だと強ジェネラルとして有名。

評価
塩度       :3
これ一枚で勝てる度:5
cEDH適正      :4


《神秘の教示者》

青のチューターはインソーサーチ。
性能は白と同じ感じです。
ただし大きく違う部分はこれで持ってきていたサーチ先のカードも軒並みゲームチェンジャー枠に入ってしまっていること。
暇な時に【意志の力】や【激情の後見】と言ったピッチ打ち消しを引き込むのは勿論、劣勢で【サイクロンの裂け目】をサーチしたり、他のチューターを経由して万能サーチに変える緊急策も講じるのが難しい形になっています。

【商人の巻物】や【親身の教示者】も代替にはなりますがサーチ先の弱体化が痛い為ブラケット3でどこまで採用されるかは不透明です。

評価
塩度       :1.5
これ一枚で勝てる度:3
cEDH適正      :4.5

《核の占い師、ジン=ギタクシアス》

色々話題になりがちなファイレクシアン法務官サイクルの一人。
初代法務官サイクルは重いがどれも強力といった風情でジンギタはその象徴とも言える。10マナ!ドローいっぱい!相手の手札ゼロ!
【グリセルブランド】に取って代わられるまでリアニの釣り先であっただけあり、即効性は薄くとも強力なクリーチャーになります。

問題としては定着した場合、「限りなく勝てない状況になるが勝たない」「誰かが除去を持っていた場合他プレイヤーだけが大きく沈む」という部分。
盤面にも干渉しないという部分もあり、出すと「下家が1位でもない限り一人か二人が大きく辛くなるだけ」という結果を産みがちな困ったカード。
使用する際は卓の空気を読みながらどうぞ。法務官かっこいいから使いたい人が沢山いるからね。

評価
塩度       :4.5
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :2

黒(7種)

《ボーラスの城塞》

ボ城。【未来予知】をライフペイで行える重アーティファクト。
ライフが40点ある統率者戦においてはほぼ土地が来るまでの踏み倒しとなるアド製造装置。
更に【霊気貯蔵器】と【師範の占い独楽】のセットで即死コンボまで繋ぐこともできる便利なカード。このコンボは構成が全てアーティファクトなのもありサーチの軸が通しやすくかなり強力。唯一の欠点は黒のトリプルシンボルであることくらいか。

低ブラケット・低レベルにおいてはライフルーズ効果も最後の一押しに使える為、案外と「これ一枚で勝てる」カードでもある。
大抵そんな効果使う前に終わるので忘れがちという話だが。

評価
塩度       :3.5
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :3.5

《悪魔の教示者》・《伝国の玉璽》・《吸血の教示者》

黒のチューターサイクル3人衆。
他の色と違い黒のみ別のコストを要求する代わりに何でもサーチという優れもの。【吸血の教示者(ヴァンチュー)】と【伝国の玉璽】は2ライフルーズ、【悪魔の教示者(デモチュー)】はマナが①増えた代わりに手札に直接加えられる。
かつては黒含むデッキでは必須であるとされていて青が相対的に強い一因と言えた。1T目に飛んでくるチューターから生き埋めが飛んできてそのまま終わるなどが多発したので…。
レベルの概念が出来てからは多少緩和したがやはり「1T目チューターで【クリプト】トップに積んでスタート」などはよく見たのでGC枠も止む無しだろう。安定して初手にクリプト引き込んだらそれはもうゲームが違うんよ。

他のチューターサイクルよりも汎用性が高い為、ブラケット3ではGC枠の採用を見る機会が多いだろう。
当然cEDHでは常連。

評価
塩度       :2.5
これ一枚で勝てる度:3
cEDH適正      :5

《敵対工作員》

上記のサーチ絶対許さないマン。
cEDHではチューターに当てて構築を確認しつつ相手の勝ち筋を潰せるカードとなる。出来ればフェッチではなくチューターなどに当てたいところ。
だが低レベル帯においては多くの場合フェッチに頼る多色デッキを虐めるくらいしか仕事がない為、チューターと同じくゲームチェンジャーなのは納得。
一応、本当に一応【朝の歌のマラレン】統率者の場合の必殺技ではあるんで可哀想かな…とは思ったり。あとは【遺棄の風】などと組み合わせて土地を奪ったりもありましたがまあ3以上でやってねという所でしょう。

代替類似枠としては【エイヴンの思考検閲者】などの白のサーチ禁止系や【法務官の掌握】などのカードがあります。
まあ低レベル・低ブラケットにおいてはあまり採用候補にはならないと思うので素直に他のカードを入れましょう。

評価
塩度       :3
これ一枚で勝てる度:1.5
cEDH適正      :3.5

《恐怖の神、ターグリッド》

裏面見たことない

恐らくウルザと並んで単色で「統率者としての使用を想定して規制されたゲームチェンジャー」。
そしてウルザのような強さでなく、立ち回りの鬱陶しさと処理のめんどくささという不快さ一点突破で枠に入っているという恐ろしい存在
俺はもうヤバいと思う。

基本戦術はターグリッド着地からのハンデス連打や布告系除去を飛ばしてのパーマネント奪取。
ただでさえ除去とハンデスが多めの構築な為、同卓した三人は
「なんとかしてターグリッドを沈めてからゲームを始める」か、
「誰かが走ったのをターグリッドに止めてもらいながら漁夫る」かの
最悪の二択を示し合わせてプレイする必要があります。
なんだこいつ~。

ちなみに使ってる側は超楽しいそうです。

類似のジェネラルは【小物泥棒、チビボネ】など。
また黒単色の相手に布告をしつつアドを稼ぐジェネラルには【甦りし悪夢、ブレイズ】などもいます。
両者とも構築が独特な為、同卓した際にはしっかりと対処を意識しましょう。

評価
塩度       :5
これ一枚で勝てる度:3
cEDH適正      :1

《むかつき》

一時期のcEDHの顔と言われたカード。
青黒含みで赤などの急速なマナ加速から上家のエンドに【むかつき】を唱えて打消しとサーチやコンボ札を揃えて勝つ構築は「ターボむかつき」「ターボナウス」と呼ばれていました。

【クリプト】や【はとかつ】が禁止になってからは以前ほどの信頼度は無くなりましたが、それでも強力な札には変わらない為GCに入っても違和感はないかと思います。

同じような一気にアド源となる【ボ城】もGCに入ったためどうしても低ブラケットで黒で大量ドローがしたい場合は【ネクロポーテンス】などをどうぞ。

評価
塩度       :2.5
これ一枚で勝てる度:4
cEDH適正      :4.5

赤(2種)

《ジェスカの意志》

またそうやってCFPはオレから翼を奪うのか!!
はとかつは死に!マナクリプトは冷凍刑!
どうやって俺に戦えと言うんだ!!!!

赤の急速なマナ加速代表も更にGC入り。通称は赤ウィル・ジェスウィル。
主な用途はマナモードで唱えてから統率者の早出しか統率者着地後に両モードを打ってアド稼ぎと言った感じ。
序盤中盤で腐る場面がまず無く、cEDHでもリソースを一気に回復可能な為チェインコンボ中に引いても嬉しい万能札です。

代替の加速手段としては【背信のオーガ】など。ただしライフの消費がマッハなので簡単に入れ替えとはいかなそう。
時間差はありますが【不可能の一瞥】なんかもどうでしょう。

評価
塩度       :2
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :3

《死の国からの脱出》

こいつは死んでいい奴だから。

通称ブリーチ(【裂け目の突破】というカードも通称ブリーチですが統率者で使われた場合ほぼこちらを指します)。大体の事が出来る悪い奴。後述の【ライオンの瞳のダイアモンド】などを使い回してサーチを連打して勝てるやべーやつ。
実質マナ加速やサーチを複数枚入れてるのと同じことなのでGCなのは当然。

一応【はとかつ】を使ったルートが多かったので少し弱体化していたものの逃げきれず。
代替というか元ネタは【ヨーグモスの意志】なものの再利用が出来ない為フィニッシュルートは相当限られてしまいます。

評価
塩度       :2.5
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :5

緑(3種)

《ガイアの揺籃の地》

説明いる?
まないっぱいでつよいよ。

代替は【イトリモクの成長儀式】【夢の円環のドルイド】【三本木市】など。
三本木市また高くなりそうなんで買いたい人は今のうちかも?

評価
塩度       :3
これ一枚で勝てる度:4
cEDH適正      :4

《適者生存》

通称サバイバル。
初心者が見るとテキストを2,3度見ることになりそうなヤバいカード。
実際使ってみると意外と融通が利かない場面も多いやつです。
とはいえ低ブラケットにおいては複数回起動可能なサーチの時点でヤバい為GC行きは妥当なところ。

緑は【俗世の教示者】がGC枠になく、またクリーチャーサーチは非常に豊富な色なのであまり困らないかと思われます。【獣相のシャーマン】もあるし。
【中心部の防衛】【歯と爪】【野生のつがい】など使いやすいカードを取りましょう。サーチの入れ過ぎはブラケットにそぐわない場合も多い為うまく調整必須ですが。

評価
塩度       :2
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :3

《飢餓の声、ヴォリンクレックス》

初代法務官サイクルから2枚目がエントリー。
【マナの反射】等の自分のマナ2倍と相手のマナが2ターンに1度しか起きなくなるマナ虐め能力。
そして概ね規制理由も青の法務官【ジンギタ】と同じです。

出すと圧倒的に有利になるが勝ち切るわけでなく、除去られるまでのプレイヤーが損をするだけの嫌がらせ特化です。
一応代替の【ニクス咲きの古きもの】だったり【絢爛なビヒモス】との差別化点として伝説であることと、法務官である為【侵略樹】で持って来れる拘束力の高いジェネラルである事が挙げられます。
それを言い訳にわざわざ使ってると言われると半分は当たっている耳が痛い。

評価
塩度       :5
これ一枚で勝てる度:2
cEDH適正      :1.5

無色(10種)

《金属モックス》・《厳かなモノリス》・《モックス・ダイアモンド》・《魔力の櫃》・《古えの墳墓》

まずマナファクト・マナ加速群。

説明不要。無から有を産み出す諸悪の根源。
大体これが手札にたくさんあると大変なことが起きてゲームが壊れるシリーズ。手っ取り早くブラケットを上げたければこれらを投入しましょう。マナ基盤は嘘をつきません。

【金モ】と【モクダイ】に関しては値段故かあまり低レベル域では見ないカードだった印象があります。
【魔力の櫃】に関しては10年くらい前には1000円以下で買えたこともあってどのデッキも標準搭載されてたくらいのイメージ。流石に最近は低域では見なかったけど。【墳墓】も同じく古のMTGプレイヤーなら持ってて当然だからどんなデッキにも入れてるというスタンスで見ることは多かったです。

【モノリス】に関しては少し特殊で、一時的なマナ加速にも使える上で【Power artifact】や【ザーダ】との無限マナコンボとしても昔から採用されていた印象。

どれも強いですがGC枠としてブラ3で採用するならまずは【金属モックス】と【魔力の櫃】優先かなと思います。取り回しの良さとマナの加速力はこの2つが便利なので。
あと代替と言うわけではないですが【宝石の洞窟】もこの中に入ってもおかしくないカードだと思うので挙げておきます。
これに関してはc以外でほぼ見たことないのであまり低ブラケットで考える必要はないかもしれませんが。

評価
塩度       :1
これ一枚で勝てる度:2
cEDH適正      :4

《一つの指輪》

結構な議論を呼ぶこのカードもゲームチェンジャーに。
ライフコストが相対的に軽い統率者でこの方式のドローはあかんて。
【水面院】と噛み合うと2周で10ドローとか言うとんでもない事をやり出す。

普通にプロテクションもヤバく展開の仕上げに置いておくだけでとりあえず返しで死ななくなる為捨てるところがない。作中のヤバさ完全再現しすぎなんだけど!

モダン規制後から値段が戻り気味なので今一枚も持ってない人は購入を検討しても良いかも?
あ、代替カードなんてないです。

評価
塩度       :3
これ一枚で勝てる度:4.5
cEDH適正      :4

《三なる宝球》

絶対3マナ要求するファクト。恐らくですが統率者プレイヤーの場合は普通に見るより「注釈文における色マナの表記は固有色に含まない」という説明で見た人の方が多そう。黒じゃなくても入れていいです。

普通の2人対戦と同じく用途は相手の妨害用ファクトですが、どちらかと言うとこちらが仕掛ける際に置いて、除去や打ち消しを弾く使われ方をします。

やはり余り低レベル帯では見たことがないカードですが使われると嫌なカードであるのも事実。一応代替としては【防御の光網】とかでも。低ブラケットでは不要とは思いますが。

評価
塩度       :3.5
これ一枚で勝てる度:1
cEDH適正      :3

《ライオンの瞳のダイアモンド》

通称LED。流石にこれだけ重いコストを付ければブラックロータスと言えど弱いでしょ!→強かったよ……となりがちな奴。

大体【死の国からの脱出】が悪い。
また墓地からの再利用ができれば大抵悪さしてる。
【オーリオックの廃品回収者】とのボンバーマンコンボや【テシャール】【ムルドローサ】辺りを統率者にしている場合は無限としても足回りとしてもぜひ欲しくなるカード。
低ブラケットならそんなもんは気にしなくていいです。

代替は【ダイアモンドの瞳のライオン】です。
嘘です。

評価
塩度       :2
これ一枚で勝てる度:3.5
cEDH適正      :4.5

《Glacial Chasm》

通称チャズム。実はこのカードがゲームチェンジャーに入ったのを見て、自分はかなりCFPに対しての信頼度が上がりました。
このカードコンボ無しの卓だとマジで強い。

自分の運営するDiscordのサーバーではレベル5-6(ほぼブラケット2相当)の対戦が多かったんですが、【屍花】などがこれで耐久して他がほぼ詰みになることがかなり多くて色々と議論されていました。
土地なので触りにくい・コストが統率者だと軽い・再利用が容易・ダメージ軽減が対処しにくい といった環境の隙間で蠢動していたカードなので、これをゲームチェンジャー枠にちゃんと入れてきたのは議論の活発さの表れだと思っています。

評価
塩度       :3.5
これ一枚で勝てる度:2.5
cEDH適正      :2

《The Tabernacle at Pendrell Vale》

直訳で”ペンドレル峡谷の幕屋”

たばなくるあっとぺんどれるべいる。通称「名前の長い土地」。
確かこの土地の周りの霧が召喚を阻害してクリーチャーを維持するのにマナを要求するとかそんなのだった気がする。

横並び系の戦略を全否定してしまう上、土地なので対処が難しい為ゲームチェンジャー行きはまあ納得。
そして超高額土地でもあります。使ってる人がいたらべたべた触らないように注意しましょう。

代替は素直にリメイクの【ペンドレルの霧】や【幕屋の大魔術師】でも使いましょう。

評価
塩度       :4
これ一枚で勝てる度:1.5
cEDH適正      :2.5

多色(4枚)

《眷者の神童、キナン》

パワカ統率者四天王そのいち。
多色のゲームチェンジャー4枚はほぼ全て「低レベル・低ブラケットでは統率者領域に置くだけで危険視される」カードです。

キナンは単純にマナの加速性能と起動能力で一枚で勝ちに持っていくパワーが高い為規制もやむなし。
【玄武岩のモノリス】から無限マナが生まれたり色々バグめいた挙動をして全てを壊していきます。

cEDHでも強い立ち位置にいるガチジェネラルの一角と言っていいでしょう。

《虎の影、百合子》

パワカ統率者四天王そのに。
そして問題児。

私は所謂「ハイパワーカジュアル」という存在について度々Discordなどで話しているのですが、その時よく例に挙げるのがこのカードとなります。

つまりは「低レベル帯では止めにくく勝ちすぎるが、高レベルに行くと勝てない」統率者たちです。
百合子だけが持つ能力、上忍術は能力による場への移動なのでいくら使用しても統率者税がかかりません。つまりブロックされないクリーチャーがいる限り2マナだけで何度でも出て来て全員へのライフルーズ効果を連打し続けます。
基本的にはアンブロ軽量生物と忍者+除去と打ち消しに積み込み用の高コストカードで確定枠がほぼ埋まる為、専用構築ですが自由枠も少ないものになりがちです。

全員にルーズを与える都合上、誰か一人に協力もしにくく交渉も難しいものになります。
「強いジェネラル」として有名だったため、2020年頃に統率者を始めたプレイヤーで「強いなら組んでみよう」という人が少なくなく、結構問題になっていたような気もします。
統率者においては「強い統率者」=「勝てる統率者」ではないのが難しい所…。

忍術が好きな場合は【堪忍雪崩、タエコウ】や【潜入者、悟】などで組むのがオススメです。

日本では【百合子】がこういう立ち位置でしたがアメリカにおいては【地下牢の管理人、グレンゾ】がハイパワーカジュアルだった模様。DDD打って即退場するだけマシかもしれない。

《軍団のまとめ役、ウィノータ》

パワカ統率者四天王そのさん。

ある日身内のコミュニティでこれを組んできた人がいたら全力で警戒してください。最悪コミュニティが崩壊しかねないです。

【ドラニスの判事】で述べたようにウィノータスタックスというアーキタイプを成立させた統率者。メタクリーチャーを並べながら殴っているだけでなんか無限コンボの要因が揃って無限戦闘に入って勝てます。

本人が殴らなくて良い為、出たターンから展開が始まるのが強み。展開効果はサーチでもコストの踏み倒しでもない為メタが難しいのも強い点であり難点。

当時はcEDHでも一線級でしたが今は大分退いた印象です。やはり赤白という色の都合上きつい部分は多い。
色々強化もあるようなのでブラケット4を頑張るなら組んでも良いかも?

《アウグスティン四世大判事》

終わってる不快統率者です。
え? パワカ統率者四天王? そりゃ【最高工匠卿、ウルザ】ですけど。

半分くらいネタで不快統率者扱いされてるのでこれを見せたらキツイ言葉が飛んでくる可能性があります(その場合、彼らは冗談を言っています)。

【ドラニスの判事】が出るまで名誉判事だったやつ。3人に不利益を与えながら自分だけ得をするので協力も出来ないどうしょうもない存在です。

ヘイトコントロールに自身があるなら…くらい。でもたぶん【偏執的な援護者、ステン】とかの方が楽しいよ。

まとめと雑感

パッと見た感想として
青が厳しく規制され、緑はかなり見逃されている
という印象を受けました。

近年強化された白を強めに押さえ、【はとかつ】を奪われた赤が緩めの規制(【偏向はたき】が無規制なのは結構驚き)なのは納得感がありますが、青と緑についてはカジュアルな目線であれば逆にすべきなのでは? とも思わなくもない形です。

とはいえ緑の中でもカジュアルな対戦で猛威を振るう青緑系の土地ランプ統率者はかなり有機的なシナジーを持つデッキなので調整は難しそうですが…。
軽く書いておくと【アシー】や【旧タトヨヴァ】【アリクスメテス】、最近は【乱伐者、ボニー・ポール】辺りを統率者に据えてひたすら【梓】やランプ呪文などを入れ、【アシャヤ】や【堅鎧の大群】、【ゼンディカーの報復者】をフィニッシャーとするタイプの土地シナジーを活かしたデッキです。土地を伸ばす事が全体のリソース確保に繋がるタイプなので対策が難しく、クリーチャーのサイズも大きいため早仕掛けでライフを詰めるくらいしか対抗策がないデッキです。

また、自分が運営しているコミュニティの独自基準がほぼブラケット2だったため、さっそくブラケット2でゲームチェンジャーを規制して試合をしていますが、特に2以下に於いてゲームとして「【サイクロンの裂け目】とピッチ打消しがない」という部分でゲームの感触は大きく変わりそうです。

あとは特にいつ打っても強いカードは厳重にゲームチェンジャー送りにされてると感じました。
一枚で勝てるカードよりもそれにアクセスできるカードの方が厳重に注視されている、というのも同時に感じます。

意外だったのは【師範の占い独楽】のスルーですね。コンボの起点になるのはもちろん、毎ターンの起動で著しくゲームテンポをロスしかねないカードなのでゲームチェンジャー枠に収監されると思っていました。

また、ブラケット3において3枚制限の中で選ばれるカードも大きく偏りがあるだろうなという印象も。これはまた記事にしてみても良いかも。

また別視点では、これまでは「レベルとは関係なくプレイングやメタを意識して最適解組むのがcEDHだ」とされていたのが明確にブラケット5=cEDHであると明言された事も注目したいです。最高到達点をcEDHとした事で歪みが生まれる可能性があります。具体的にはブラケット4がかなり混沌とする可能性が高いかなと。

雑多に感じた部分を纏めてみましたが、評価的には総じてかなり実態に即したリスト・レベル分けであると言えます。こちらはあくまでベータ版と言う事で現地イベントや意見次第で変わっていくとのことなので何かあれば意見を送っていきたいですね。

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