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こんなに興奮する読書は久しぶりだった。 読むのをやめられない。ページを繰る手が止まらない。 そういう中毒にも似た面白さを持った本に出会えるのは、私にとっては年に一回あるかないかである。 『文明交錯』はインカ帝国の君主であるアタワルパが「逆に」欧州を侵略する架空の歴史物語だ。 この小説はもともとローラン・ビネがジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』に衝撃を受けた体験から構想が始まっている。 まさしくインカ帝国が滅んだ原因であるこの三つをアタワルパがどう克服したかというと