【小説】温室デイズ/瀬尾まいこ
部活動やプロ野球が再開されはじめたようですね。
私も好きなスポーツである散歩やジョギングを、マスクなしで行ってみてもいいかな…と思い、昨日は出かけました。人の多いところは避けて、人とすれ違うときは間隔をとるのを徹底しながら。
やっぱり気持ちいいな、明日も行きたいなと思ったら今日は、疲れがどっと出て昼過ぎまで寝てしまった。内臓疲労もある。
元気に動き回る生活まではまだまだ段階を踏まないといけないな、と思いました。
昨日は久しぶりに、1冊の本をノンストップで読みました。それが標題作です。
私は本好きを自称するわりには読むのが遅く、集中が続かない時には途中で放置しちゃうこともしばしば。
著者の瀬尾まいこさんは元々中学校の先生をされていて、学校を舞台にした話が多いです。
ガラスが割られる、廊下に落書き、廊下を自転車で爆走する…荒れた中学校で「このままではいけない」という思いを抱く2人の女子生徒が主人公。1人はやがていじめの標的になり、もう1人はなんとか親友を助けられないかと奮闘するが…。
瀬尾さんの小説はいくつか読んでいますが、教師経験が元になっているだけあって、リアルなものが多いと思います。
生々しいというよりは、「現実ってこんなもんだよね」とほっとしつつ、少しがっかりするような。小説ならではの劇的な展開や、ゴレンジャーや水戸黄門のような存在が現れてスパッと解決、という結末はあまりないかなという印象です。
それでも読後に心が温かくなるのは、日常にあってなかなか気付かない「人の優しさ」がちりばめられているからなのでしょう。そこに関してもリアルだと思います。
『温室デイズ』ではいじめのシーンが長く続きます。結末はどうなっていくのかな、瀬尾さんのことだから劇的な解決にはならないんだろうな、それとも…?と思いながら読んでいました(気になる人はぜひ確かめてください)。
思ったこと。
いじめられる側への手立てはたくさんあって、実践されている。保健室登校、フリースクール、「逃げてもいいんだよ」「学校がすべてじゃないよ」という言葉かけ…。
いじめる側への手立ては?
人間は集団で生きる動物だ、いじめは理論上なくならないとか言われてて、私もどうしていいかはわからないけど。
いじめられる側の人に逃げ道を作るのは大事なことだろうけど、
教室にその子の安心安全な居場所を確保する、取り戻すことが本当はすべきことなんじゃないかと思った。
難しいことなのかもしれないけど。
本当に大事なこと、本来必要なことは見失わないようにしたい。
間違ってることは間違ってると言える人になりたい。
と思いました。
『良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である』
これは別の小説で目にした一節。
またそのうち。