いまから10年後、25年後、どうなってると思いますか?人口統計から見る日本の未来①
こんにちは。こんばんは。Synapseです。
突然ですが、未来をみてみたいとは思いませんか?
未来を妄想するというとバラ色の未来を想像しがちですが、今回はちょっぴりリアルな数字を使いながら、少し遠い未来を垣間見てみたいと思います。
未来は人口から予測できる
今から約10年後は2035年ですね。それから25年後は、2050年です。日本の人口予測については、国立社会保障・人口問題研究所(以下 社人研)という機関が行っている予測データがあります。現在の最新情報は令和5年版。
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp
最近は市町村レベルの詳細地域の予測も出されています。かつてはここまで詳細には掲載されていなかったように思うのですが、時代は着実に進んでいますね。
さて昨今巷では人口減少が問題だと叫ばれていますが、社人研(と内閣府)から出ているデータを見てその事実を検証してみましょう。ちなみに2024年10月1日時点の人口推計は、1億2379万人だそうです。
2020年時点の予測は内閣府から出ています。2050年でもかろうじて1億人を維持している状況となっています。2023年版は社人研から出ていますが、少し回復基調となり、+270万人程度の約1億500万人予測。出生率は上がったように思えないので、外国人が想定よりも増えているのでしょうか。健康状態が良くなったのでしょうか。
いずれのグラフからしても、日本の人口はじりじりと減っていくということがわかりますね。
自作データで検証してみた
社人研の未来予測に、どんな要素や意思が込められているのか、詳細にはわかりません。様々な事象を織り込んで、作成されていると思いますが、自分でも再現できるのかどうか検証してみました。
今回は、2020年の国勢調査の結果を始点として、5年刻みで2050年までシミュレーションしてみました。その結果が、以下の図で緑色の線になります。2050年でおよそ9,700万人となりました。1億人を割るのはおおよそ2048年ごろでしょうか。グラフの中ほどにある線は現役世代人口(今回は20歳~64歳)です。また総人口に占める現役比率を記載しました。
シミュレーションの内容
政府統計の総合窓口、e-Stat https://www.e-stat.go.jp/ から、国勢調査の結果をダウンロードし、シミュレーションを実施します。
今回Synapse版シミュレーションで反映した項目は次の内容。
①出生率:2023年の1.2を都道府県別に反映
②死亡率:2023年の5歳区分での死亡率を男女別に反映
③社会増減:独自指標を用いて年齢別増減を男女別、都道府県別に反映
※少し補足すると、出生率1.2は過去最低レベルですから、未来人口は低めに出ています。また、2023年の死亡率も2020年に比べ少し高めという事実もあります。
このグラフからわかることは
すでに減少期であることは自明の事実ですが、今後坂道は急になっていくように見えますね。特に、全体の人口が23%減であり、労働者人口は32%減となっています。労働者層が全体に占める割合も、5割を切っており働き手の世代の減少が顕著ということがわかります。
ちなみに通常の統計では労働者人口は15歳~60歳とすることが多いのですが、15歳~20歳は学生が多く、一方で60歳以上も最近では働いている方が多いので、5歳分レンジを変えてみました。
この1年、盛んに人手不足が叫ばれるようになりました。背景はこのグラフにも表れているとは思いますが、まだまだ序の口であることがわかります。これからどんどん人手不足は深刻になるのでは?と推測できそうです。
出生率向上で未来はどう変わるのか?
シミュレーションの出生率を250%にして、全国平均3.0にした場合をシミュレーション(Synapse2)してみます。その他の条件は同じです。
以下の図が結果です。赤い線が総人口、濃い緑が労働者人口です。
さて、どう変化しましたでしょうか。
赤い線が新しいシミュレーション結果(出生率3.0)です。人口は2050年まで1億2千万人レベルを維持できていますね。しかし、今生まれた子供たちが働き手となる2040年までは現役世代は減り続け、現役世代の比率は2040年に41.3%、最小となります。わんさか生まれた子供たちと高齢者の両方を支える時期となり、現役2人で子供と高齢者の合計5人を支える構造です。
言い換えると、現在実施している少子化対策が効果を発揮し始めるのは少なくとも2045年以降ということです。それでも2050年の現役比率は44.5%と、出生率1.2の条件よりも負担が重い状況で、現代並みの負担率に戻るのはもっと先になりそうです。
ちょうど今生まれた子供たちが日本で社会人デビューするころが、最も厳しい負担を強いられるというストーリーも見えてきます。現代ですら五公五民の税率と言われていますから、六公四民、七公三民くらいになっていてもおかしくはなさそうですよね。
不確定要素もたくさんある
人口はある程度予測できるとしても、その他の外部要因は予測不可能なことも多いです。たとえば、AIやロボットの進化は目覚ましいものがあり、10年先の産業構造すら予測するのは大変難しいものとなっています。移民政策の転換(なし崩し的に受け入れるを含め)もあるかもしれません。
デジタルネイティブの世代が社会人となって既に数年が立ちますが、世の中はデジタルネイチャーの時代へと着実に向かっており、Society6.0も見え始めてきました。
10年後、どんな仕事が世に残っているでしょう。
みなさんはどんな未来を想像しますか?
▼さて次回は、「高齢化率」について記事を書いてみたいと思います。
妄想作品に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。皆様の心の片隅に少しでも引っかかれば幸いです。
<出典>
2020年版(内閣府):https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html
2023年版(社人研):https://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson23/t-page.asp
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