見出し画像

クラシックカメラファン<王様の瞳 2>

Contarex Bullseyeの洗礼

Laskey @ カメラマンです。
古い機械式カメラ。それも1950年代は
小さなカメラメーカーが沢山、台頭した
りと機械式カメラが一番元気だった時代。
この頃のカメラはなにかしら、撮影への
こだわりから、そのカメラ特有の操作方法
があって、それを誤るとフィルムが巻き
上げできない。シャッターが切れない。
最悪は壊してしまう。なんてことがある
のです。
普通はそんなに難しくはないのですが、
このContarexは王様だけあって一筋縄
ではいかず、撮影もさせてくれませんで
した。

1.裏蓋が外れない

画像1

ドイツからはるばる海を越えてやって
来たBullseye。とても状態が良く、キレイ
です。カメラの背面にある黒い裏蓋を外
してフィルムを装填します。

画像3

カメラの底の左右にある銀色の丸いのが
取り外しノブです。左右にあるのは珍しい
かもだけど、こんなものですよね。
爪を起こして半回転させれば、パカっと
蓋が取れるハズ。
が、うんともすんとも言いません。外れ
ない!
「なんで?」
それに裏蓋にはどっかで見たような金属
プレートが一枚付いています。

画像4

「なんじゃ?こりゃ?」です。
プレートは抜けるようになっていて、
外すと昔のカメラによくあるメモ
代わりの指標が。

ブルズアイ_85N8576

なんで、135フィルムのカメラに
プレートがあるのか?謎でしたが
中判カメラなんかのフィルムマガ
ジンに付けるプレートと同じよう
です。
そして、ヒントは裏面に書いて
あった文字。

画像5

指標の下に、ドイツ語と英語で何か
書いてあります。
フィルム巻き上げレバーを巻き上げて
スライドを差し込んで
裏蓋を外せ
まさしく呪文です。いちいち書いて
なかったら外し方は永久に分からな
そうです。
しかも、装着する手順も書いてある。

画像6

書いてある通り、フィルム巻き上げ
レバーはしっかり最後まで巻き上げて、
スライドを差し込んでみると・・・
外れた!めっちゃ嬉しい。せっかく来た
のに、オブジェで終わるかもと言う
一抹の不安があっただけに一人で喜ん
でました。

画像7

シャッター幕は綺麗。中も綺麗。
そして、プレートを挿した裏蓋は
こんなです。

2.謎だらけ


さて、じゃぁ、フィルムを装填して
みましょう。

画像8

・・・が、本来パトローネを収める
はずの右側に空間が無い。なんか
入ってるの?
「なんじゃ、こりゃ」です。
いじりまわすこと数十分。

画像9

なんかの拍子に爪が外れてカバーが外れ
ました。そしたら、そこに空間が。
理由がまだ分からないけど、このカバー
を外してパトローネを装着するようです。

画像10

3.フィルム切れちゃうんですけど

それにしてもフィルムが入れにくい。
オマケにフィルムをセットするにも
さっきのプレートが邪魔で入らない。
プレートを抜いて、フィルムセット
して、裏蓋をカメラにセットする
にはプレートが差し込まれた状態じゃ
ないとハマらない仕組みのよう。
だけど、プレートを差し込むと
プレートでフィルムが切断されて
しまう。
これで貴重なフィルムが2本ダメに。
3度目の正直。もう一度よ~く。
構造を観察してみる。

画像11

普通にフィルムを通したら、プレート
で切れる。フィルムの押さえがあれば
切れないハズ。と良く見ると、圧延板
の上下に銀色のレールのような部分が。
コレ、ってもしかして、フィルムガー
ド?隙間なんてなさそうなんだけど。

画像12

オブジェにしたく無い、一心で、
フィルムを挿してみると、
を!通った!!

画像13

金属ガイドの下にフィルムがあれば
プレートを挿してもフィルムは切れ
ないハズ。

画像14

4.アイディア満載

スゴイ~~。もう感動モノ。
なんでこんな仕組みになって
んだろう?と考えたら、この
裏蓋はフィルムバックな訳です。
仮に、フィルムバックが2つ
あったとすると、撮影の途中
でもフィルムバックを交換すれば、
撮影途中のフィルムを露光させる
こと無く、違うフィルムでも撮
れる。
と言う、そういう事。
中判のフィルムバックと同じ仕組
みな訳ですね。
こんな135フィルムカメラは
初めてです。
右側のフィルムが見えている巻き
取り室は裏蓋を閉めるとカバーが
くりんと出て来て窓を遮蔽して
露光させないようになるのです。
誰が、こんな仕組み考えたんだ!?

画像15

その後、送り忘れていた。と予備の
フィルムバックと普通の裏蓋が送ら
れて来ました。

画像16

画像17

最初から送ってくれたら、この
違いでもっと早くに分かった
ろうと言うもの。
オマケに「使い方わかるか?」
って遅いっちゅうに。

5.闘い終わって

画像18

Model LUNA

ですが、PlanarにSonnarの写りは
やはり格別です。
しかも露出計がしっかり機能して
いる。
約60年を経ているのにです。
こんな思いして撮って、何が楽
しいの?って、ハイ。単なる
自己満足。
カメラを横に、撮影途中のコーヒー
が格別に美味しいもの。こんな
思いして付き合ってるカメラ
だから。
沼の病ってのはこういうもん
ですね。
次のカメラもちょっとステキ
ですよ。お楽しみに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?