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ポートレート 好きなレンズの見つけ方

みなさん、ご訪問いつもありがとう
ございます。
Laskey@Photographerです。

写真界隈でレタッチについて何やら
SNSで揉めていましたが、要は自分
が表現したいように仕上げたらいい
ワケで、それには、道具、ライティン
グ、現像にレタッチ、加工。と手段は
人それぞれ。最終目的が大事。

さて、今日は沼の入り口。レンズ。
自分に合ったレンズを探して彷徨える
仔羊さん達に、反省を込めて沼の底
から近道をお届け出来ればと思います。
近道ってだけで、到着が沼の底。は
オススメしませんが。

経験から言うと、被写体によって、
撮り易い画角、焦点距離。と言うのは
あるし、写真に後から手を加えるにして
も、元画の素性はいい方がクオリティ
は上がる。と言うことは間違いありま
せん。
また、元画にある雰囲気は仕上げで
大いに影響もします。

APS-C 50mm

過去、使ったレンズは恐らく、100種類
はゆうに超えていると思います。
例えば、水中撮影ならNikonos用の
レンズに始まり、ハウジングに入れての
広角やマクロレンズ。
野鳥や戦闘機撮影には300mm〜600mmクラスの望遠、超望遠レンズ、
そしてブツ撮り、人物撮影でやっと中望
遠や標準域のレンズ。と、そんな遍歴で
す。
Lensbabyのアンバサダーもやってます
から、Lensbabyは全部あるし。
実際、手元に転がっているレンズ。
焦点距離もまちまち、マウントもいろ
いろで、100本は軽く超えてます。
洋服タンスを廃棄して、整理棚を作ら
無いと、ホント機材に埋もれます。
そんなに雑然とあっても、アレがあっ
たハズ。
は不思議と覚えてる。
ですが、使うレンズは被写体や気分に
よってだいたい決まって来る。と言う
モノです。

(それなのに、なんで、そんなにある
 の?
  ソレを沼と言うのです。^^;)

で、先ず結論から言うと、自分が気に
入るか、否か。これが大事。
納得して使えるモノが見つかると幸せに
なります。
ではどんなところを見たらいいか?
です。
おそらく、最初は分からないから、
他人にいろいろ聞いたり、ネットの書
き込みや、メーカーの宣伝見て選ぶん
だと思いますが、メーカーのカタログ
なんかに書いてある文言は、評価して
欲しい部分を書いていますから、当然
参考になります。
他は主観がかなり入って来るから、鵜
呑みは危険。
そして、1番大事な事は、実は自分の好
みがしっかり分かっているか?が問題
なんです。
分かっていないとアッチコッチ行く訳で
すよ。
ですが、好みはある程度経験を積まな
いと分からない。と言うこともあって、
気がつくと沼っている訳です。

自分が思う、浅い沼にする方法ですが、今は海外含めて写真サイトが
沢山あって使用レンズが撮影データに
載っていることもあるから、そこから自分の好きな写真をピックアップして
どんなレンズで撮影しているか?の
統計を取ることです。
もちろん、現像にレタッチもしている
でしょうから、割引いて見る必要は
あります。
そして、見る時にピント面とボケは
きっと見ると思いますが、被写体や背
景までどのくらいの距離で、どんな光
の状態で、どんな絞りで撮っているの
か?は推測と、確認しておくといいです。
そのあたりに、レンズの個性を見る
ヒントがあると思います。

そして、沼も首まで浸かるその前に、
とり あえず1本を使い込んでみる。
これ、2〜3日でもいいからレンズ交換
無しで1本のレンズで風景から、人、
花、動いてる物。などを撮るんです。

そうすると、一つには好きな被写体の
ジャンルも見えて来るし、ソレを撮る
のに使ったレンズが、もっとこうだった
らな。なんて感想が出て来ます。
それこそ、自分の好みの理解が一歩
進んだってことです。

自分はもっぱらポートレートですから、スナップなんかなら、35mmを
オススメしますが、人物は先ずフル
サイズで焦点距離85mmのレンズを
オススメします。
APS-Cセンサーなら50mmとか56mm
くらいのものですね。

理由としては、

・バストアップも全身も適度な距離で撮
れる。
・被写体の歪みが少ない。
・種類が豊富で各社チカラの入ってい
る製品が多く選択肢がある。

と言ったところでしょうか。

その他の焦点距離ももちろんアリなの
ですけど、先ずはオーソドックスな
ところから。
因みに自分は室内撮影では56mm、
75mm 、85mmが定番です。

85mmを例に、画角の次に考えたいの
がレンズの明るさ。いわゆる開放F値。
F1.2とか、F1.4、1.8、2.0、2.8なんて
数字が書いてあると思います。
数字の小さい方が大抵、描写能力には
こだわりを持って作られていると言って
もいい過ぎでは無いでしょう。
と、言うのも明るく、描写性能の良い
レンズを作るには、設計から、材料
まで、かなり手がかかるのです。だから
値段も大抵は高価。

開放F値が小さい。と言うことはピント
面の描写特徴もさることながら、ボケ
にも特徴が出ることが多いです。
有名どころで言えば、ZeissのPlanar F
1.4とか、旧ソビエト製 Helios 85mm
F1.5。
分かり易い例を貼ると…

Zeiss Planar 85mm F1.4


Helios 85mm F1.5

上の2枚。カメラは同じです。
絞り開放で撮ってますから描写も少し
あまいけど、背景のボケも全然違うの
が分かるでしょうか?
そして、発色も幾分違います。Heliosは
寒色系。
レンズの光の捉え方もそれぞれ違う
ってことです。

開放F値が明るい。と言うことは多少
暗い場所でもシャッタースピードを
稼げたり、ISO感度を上げなくても
撮れるメリットもありますが、絞る
幅があるので、表現としてのボケ味の
コントロール幅が広がるのが最大のメ
リットです。
光学的なボケ味はレンズ毎に違うから、ソフトによるボケ処理とはテイストが
違います。

さて、レンズ選び。
焦点距離、F値。先ずこのあたりで
選択肢を絞り込んで、それから実際に
、出来れば自分のカメラを使って絞り
開放での描写を見てみると良いです。
レンズによって、パキッとしたり、
少し柔らかく感じたりと同じモノを
同じ場所、同じ条件で撮って、背面液晶
では無く、きちんとモニターで見ると
やはり違いがあるのが分かると思いま
す。
因みに、絞りを絞るとどのレンズも
大抵は描写性能が上がるので、比べる
としたら、開放絞り値近辺がいい。っ
てことになります。

実はF値が大して明るく無い、古い
レンズでも味のある写りするモノも
あるから困りますが、先ずそこへ行く
前に自分のスタンダードレンズ。
コレを1本持っておく。
AFレンズなら、AFの速さや、精度も
信頼出来るものか?を確かめておく。
MFならピントリングの回し易さや
ピントのヤマを外さないで撮れるか
どうか。
場合によると、重さや、外見が気に
入った。なんてこともあるけど、写り
や使い勝手がついて来ないと、外見が
良くてもそのうち使わなくなる。と言
うモノです。

因みに、今度、講座でZeiss特集を
やります。


カール=ツァイス ドイツの名門光学
メーカーで、一部は今、日本で作って
います。なので、品質は高い。(値段も)
材料だけで無く、コーティングも素晴
らしい。
レンズのコーティングも時代やメーカー
によって違いがあって、写りにかなり
影響を与えるんです。
Zeissはクリアでメリハリある写りがす
るものから、クラシックタイプはそれ
こそPlanar に代表される軟調な写りま
で、同じZeissでもラインナップが豊
富。
ケンコー・トキナー さんが日本のZeiss
総代理店なおかげで、コレをお試し放
題って回です。
(但し、マウントの種類には限りがある
から、事前に確認が必要です。)
普段使ってる自分のレンズと比較する
のにいいチャンスかも知れません。
因みに自分はZeissのBatis 85mm F1.8
はSony Eマウントなのですが、マウン
トアダプター経由でNikon Zシリーズで AFで使っています。

Zeiss Batis

Nikkorの85mm F1.4Gと比べると、も
う少しモダンな雰囲気がする描写に
なります。 コントラスト、解像に
色も違うので、そのあたりが写真全体
を俯瞰してみた時に印象の差を生む事に
なるんだと思います。
いわゆる違いの分かる目を養う。
決してブランドなんて当てなくてもいい
のです。あれ?なんか違う。コッチの
方が好き。そのレベルで十分。
時間を取って普段やらない比較をす
る。
いい練習になるだろうとは思います。
そのためにはこう言う機会を利用して
いろいろやってみると、きっと自分の
好みに近づくし、それに合ったレンズ
が見つけられるんじゃなかろうか?と。

生意気ですけど、やはり、自分を知っ
た上で違いも見分ける自分の能力を
鍛える。コレが大事なんだろうと思って
います。

あ、ところで、ちょっと弁解しておく
と、沼の住人はたまたまハマった。と
言う人もいるけど、ワザとハマって、
ソレを楽しんでいる人も沢山居ますの
で、決して居心地が悪い場所じゃ無い、
と言うのが、また困ったモノで、そう言う人には沼では無くて、泉なのかも
知れないと言うね。
無くならない理由ですね。(笑)
くわばら、くわばら。


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