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汝、我が妹の仇




※危険な描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。











【前半】濡れ衣

ある日の昼休み、かがみ、こなた、つかさの3人で廊下を歩いていると廊下の生徒達がいつもより騒めいていた。


学生 A「この学校の子が別の学校の子誘拐したらしいよ~。」
学生B「怖~い。早く誘拐犯捕まればいいのにー。」

かがみ「誘拐って、誰がやったんだろ・・・?」
こなた「もしかしてかがみがやったんじゃない?w」
かがみ「私がそんな事する訳ないじゃない!」
こなた「だよね〜wプププwww」
つかさ「誘拐怖いよ〜。誘拐されたくないよ〜。」


翌日の昼食の時間、4人で弁当を食べているとこなたが衝撃の発言をした。

こなた「誘拐事件の事についてだけど、誘拐された子の姉がかがみの事狙ってるらしいよ!」
かがみ「嘘でしょ?なんで私の事を?」
こなた「昨日帰りがけに見かけた。めちゃくちゃ怒ってた。かがみを見つけたら苦しめ続けるとか言ってたよ。」
かがみ「ほぉー。中々凄い事言うじゃない。で、そいつってどんな奴なの?」
こなた「紫髪のロングヘアーで、バイクに乗ってる。」
つかさ「その人誤解してるんだよきっと。お姉ちゃんが誘拐なんてする訳ないよ。」
かがみ「誤解を解くのは一筋縄では行かなさそうね・・・。」


その日の夜、学校から帰ったかがみとつかさは一緒に勉強していた。

つかさ「お姉ちゃんここの解き方教えて~。」
かがみ「ここはこうやって…。」
つかさ「あ、そういえば私学校に国語の教科書忘れちゃった〜。」
かがみ「私が取って来てあげるから待ってて。」

そう言ってかがみは夜遅くに家を飛び出して行った。


学校に到着したかがみはB組の教室に行き、つかさの机の引き出しから国語の教科書を見つけた。

国語の教科書が見つかり家に帰る途中、かがみが進む向こう側にバイクに乗った紫髪の女、すなわち藤林杏がいた。

かがみはこなたの言った事を思い出し逆の方向に逃げたが、杏はかがみに気づいたらしくバイクで追って来たので
かがみは近くのコンビニに逃げ込んだ。

かがみ「これじゃ家に帰れないじゃない…。」

かがみは暫く考えた後、強行突破する事を決意しコンビニを出たが、その瞬間杏のバイクが横切ってきた。
かがみは間一髪回避したが、杏は直ぐにUターンして猛スピードで迫る。
かがみも追いつかれない様に全速力で走っているものの、杏はかがみ目掛けて辞書を投げた。
かがみは時々後ろを見ながら走っていた為、辞書が左目に当たってしまい、左目を失明した。
杏はかがみが辞書攻撃で住んだ隙を付いてバイクで衝突した。
バイクに轢かれたかがみは動けなくなり、意識が朦朧としている。


杏「椋はどこにいるのよ!?正直に言いなさい!」←かがみ「椋って誰?そんな子知らないけど。」
杏「白状しないなら更に痛めつけるわよ?」←かがみは反論する気力も無かった。
杏は何も言わないかがみを更に攻撃し続け、かがみはいつの間にか失神していた。

杏「椋はどこにいるのよ!?正直に言いなさい!」←かがみ「椋って誰?そんな子知らないけど。」
杏「白状しないなら更に痛めつけるわよ?」←かがみは反論する気力も無かった。
杏は何も言わないかがみを更に攻撃し続け、かがみはいつの間にか失神していた。


-病院搬送後-

あの後杏が去った後、誰かがかがみの前を通りかかり救急車を呼んでくれたらしい。
病室にはこなたやつかさが集まり、かがみを見守っていた。
つかさ「お姉ちゃん起きてよぉ~!」

つかさはかがみのベッドにもたれかかり泣きじゃくっている。

その時、銀髪の少女が病室に入ってきた。

こなた「こんばんは。貴女誰?」
智代「私は坂上智代。柊かがみは今起きてるか?」
こなた「起きてないけど何か?」
智代「私から彼女に話があるのだが・・、起きるまでいていいか?」
こなた「あ、うん。」

10分後、漸くかがみが目を覚ました。

かがみ「…。」
智代「かがみ、お前に話がある。」
かがみ「話って何?」
智代「椋の誘拐事件の事についてだが、椋を誘拐した奴はお前の学校内にはいない。」
かがみ「じゃあ誰なの?」
智代「真犯人は私の学校の男子の集団だ。」
かがみ「でも誘拐したのは私の学校の生徒って…。」
智代「それは真犯人が流した誤情報だ。」
かがみ「何で分かったの?」
智代「学校の帰りがけに奴らの話し声がはっきりと聞こえた。

「椋を誘拐したのは俺達なのに」とはっきり言っていたからな。」

何と、椋を誘拐したのは桜学園の生徒ではなかった。

かがみ「そうだったのね。真犯人が早く捕まると良いわね。」
智代「この事は杏にも伝えておこう。後、通りすがりに救急車を呼んだのは私だ。」
かがみ「本当にありがとう。」
智代「礼には及ばん。早く元気になれ。」
こなた「今日は遅いからもう私達帰るね。」
つかさ「また来るからね。」
かがみ「うん、来てくれてありがとう。」

そうしてこなた達は帰っていった。


それから3日後、病室でかがみが本を読んでいると陵桜学園とは違う制服を着た不良男子が病室に入ってきた。

かがみ「貴方誰ですか?」

不良A「お前があの区暴女に殺されるの楽しみだったのに、なら直接俺の手で殺してやる!」

不良は質問にも答えずにナイフをかがみに振りかざした。
かがみは重体でベッドに入っており躱すことが出来ない。
絶体絶命かと思われたその瞬間、不良は何者かの攻撃を受けその場に倒れた。

かがみが病室の入口の方を見てみると遠距離から辞書を投げた杏がいた。

杏「大丈夫?」
かがみ「ありがとう、でも何であんたがここにいるの?」
杏「智代からあんたの居場所との誘拐の事全部聞いたわ。ごめんね、私が誤解してた。」
かがみ「いいって、妹が誘拐されたらそんなに怒るのも無理ないわよ。」
杏「でもあんた、体と目大丈夫なの?」
かがみ「あ、大丈夫気にしないで。体はともかく両目が見えなくなった訳じゃないんだし。」
杏「良かった。もし死んでたらあんたに濡れ衣を着せた奴らの思い通りだったわ。」
かがみ「そういえば妹が誘拐された場所ってまだ分かってないの?」
杏「まだ分かってない。見つけたらタダじゃおかないんだから・・・!」

杏の内心は狂気に満ちていた。誘拐事件が原因で重度の怪我を負ったかがみは勿論、妹を誘拐
された杏もこの事件の被害者である。

杏「そういえばさ、折角会えた訳だし、連絡先交換しない?」
かがみ「おー、いいね。やろうやろう!」

この日の和解を機にかがみと杏は少しずつ親密な関係になっていった。
更には柊姉妹と藤林姉妹の容姿が似ているということで、つかさは最初はかがみを攻撃された
事から杏に対して友好的でなかったが次第にかがみの仲裁によって緩和されていき最終的には敵意を向けなくなっていた。






【後半】仇討ち





かがみが入院してから2週間後、かがみは左目を失ったものの次第に怪我も癒えており、杏は
つかさ達と一緒に見舞いに来る事も増えた。

かがみ「今日は二人で来たのね、来てくれてありがとう。」
つかさ「偶々都合が合ったからね~。」
杏「早く治るといいわね。」

かがみ「治ったら私も妹探し手伝うわ。」
杏「ありがとう。椋を誘拐した奴らをこの手でバラバラにするのが楽しみだわー。w」

3人はいつもの様に楽しく話している。

かがみ「そういえば私が退院して杏の妹が見つかったら皆で出掛けたいわよねー。」
杏「そうねー、その時が来るのが楽しみだわ。」


-2週間後-

かがみはある程度身体が動く様になり、完治した訳ではないものの辛くも退院する事が出来た。
学校の昼食の時間、こなた達が祝ってくれた。
こなた「退院おめでとう。」
みゆき「おめでとうございます。」
かがみ「ありがとう。」
つかさ「お姉ちゃんが元気になってくれて良かったよ〜。」
かがみ「///」
こなた「…、そういえばあの誘拐された子の姉ってどうなった?」
かがみ「あの人とはもう和解したわよ。」
こなた「えー!いつの間にー!?」
つかさ「それどころか仲良くなっちゃったよ〜。」
みゆき「それは良かったです。」

その日の夜、かがみが部屋でくつろいでいると杏からメールが来た。

杏『椋を誘拐した奴らの居場所を遂に特定したわ。明日の放課後にでも乗り込むわよ。」
かがみ「どこにいるのよ!?」
杏「私の学校の屋上。』
かがみ『了解。多分明日は行けるから一緒に妹を助けましょ。』
杏「ありがとう。じゃあ放課後私の学校に集合ね。』
かがみ「とは言ってもどこにあるのよ?』
杏「私の学校の屋上。』
かがみ『了解。多分明日は行けるから一緒に妹を助けましょ。』
杏「ありがとう。じゃあ放課後私の学校に集合ね。』
かがみ「とは言ってもどこにあるのよ?』
杏「私達はアンタの学校知ってるから先に私達がそっちに行ってそれから一緒に行きましょ。」
かがみ『了解。それじゃまた明日ね。お休み!』


-翌日の放課後-

かがみ「今日は私やる事あるから先に帰ってて。」
こなた「了解。」
つかさ「やる事って何?」
かがみ「秘密。あんた達には教えられないの。」
こなた「えー、気になるよ~。」

3人が話していると杏と智代がそこに到達した。

杏「お待たせー。」
智代「待たせたな。」


かがみ「おーす。2人ともー。」
杏「じゃあ行くわよかがみ。」
つかさ「お姉ちゃん行ってらっしゃい。」
かがみ「行ってきます。」
こなた「無事に帰ってきてね〜。」
かがみ「当たり前よ!」
かがみは杏や智代と共に誘拐犯達の居場所へと向かった。
かがみ達は杏や智代が通う「光坂高等学校」に来た。
杏「ここが私達が通ってる学校よ。」
かがみ「この屋上にあんたの妹がいるって事?」
杏「その通り。だから屋上に乗り込むのよ。」


かがみ達は杏や智代が通う「光坂高等学校」に来た。
杏「ここが私達が通ってる学校よ。」
かがみ「この屋上にあんたの妹がいるって事?」
杏「その通り。だから屋上に乗り込むのよ。」
智代「とは言っても屋上は今鍵が掛かってるから入れないんじゃないのか?」
かがみ「じゃあ鍵を取ってこなきゃいけないわね。どこにあるのよ?」
智代「おそらく職員室にあると思うが、先生達が貸してくれるのか…・・?」
杏「じゃあ強行突破するしかないわね・・・!」
智代「私が先に行って時間を稼ぐ。その隙に 2人は忍び込んで屋上の鍵を取れ。」


杏「おっけー!」
かがみ「了解!」

智代は真っ先に職員室に赴いた。
智代「失礼します、坂上智代です。屋上の鍵を貸してもらえませんか?」
職員 A「そんなのダメに決まってるじゃないか、早く立ち去れ。」
智代「お願いします、貸してください、大事な事情があるんです!」
職員 B「んなのタダの言い訳じゃないか、お前は屋上の鍵を盗みたいだけだろ?」

職員室の職員全員が智代に注目している。

杏「行くわよ。」
かがみ「うん。」
かがみ達は隙を突いて職員室に忍び込み屋上の鍵を奪った。
しかし職員達はかがみ達に気づいていない。

智代「藤林の妹が屋上に拉致されてるんです。お願いします。」
職員 A「全く仕方ないな、今回だけだぞ。」
智代「ありがとうございます。」
職員 B「その代わり藤林の妹を頼んだぞ。」
智代「はい!任せてください!」

時間稼ぎに成功した智代は再びかがみと杏の後を追った。


その頃かがみと杏は屋上の入口に到達していた。

杏「屋上にはを誘拐した奴の手下達が数十人程いる。私が先に行って奴らと戦ってる間に椋を解放してくれない?」
かがみ「任せて。私は戦えないけどそれならお安い御用よ。」
杏「ありがとう、じゃあ行くね。」で
そう言うと杏は単身で屋上へと突入した。かがみは誘拐犯達が杏を標的にするまで屋上の外に隠れて待機している。
杏「よくも私の妹を誘拐してくれたわね、あんた達めて叩き殺してやるわ!」
椋「お姉…・、ちゃ…・・!」
杏の双子の妹である藤林椋は手足を縛られ奥に拉致されていた。
誘拐犯「ああ?お前ずっとウザかったからお前の妹を誘拐してやったんだよ!」
手下「女1人で男の集団に勝てる訳ねぇだろ?」

杏は怒りと共に誘拐犯達に突撃していった。

手下達は次々と杏に蹴り飛ばされた。

手下「ぐはぁ…!強えぇ…!」


杏「椋を返してくれたらここで終わりにしてあげるわ。」
誘拐犯「終わるわけねぇだろ、お前に勝つまではな!」
誘拐犯「野郎共、やっちまえ!」
手下達「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

手下達は関の声と共に杏に襲い掛かる。

その頃、かがみは杏に手下達が集中したと読みが敵を引き付けてる逆の方からの救出に向かった。

かがみは何とか椋のいる所まで辿り着き、縄を解こうとするが、後ろから刃物で刺されてしまい、その場に跪いた。
かがみが後ろを振り返ってみると誘拐犯がいた。

誘拐犯「お前にコイツを解放できると思ってんのかよ?」

誘拐犯はそのままかがみを押し倒し、馬乗りになりナイフを突き立てようとした。

その刹那、誘拐犯は顔に飛び蹴りを食らい、フェンスまで吹っ飛んだ。
かがみが上を見てみると智代がいた。
智代「大丈夫か?」
かがみ「うん、これぐらい大丈夫よ。」

かがみは少し不安定ながらも立ち上がり、椋の手足の縄を解いた。

椋「ありがとうございました。後はお姉ちゃんが助かれば・・・。」
智代「私が杏に加勢する。かがみは椋を連れて逃げてくれ。」
かがみ「了解。」

そういうと智代は襲って来た手下達を蹴り飛ばし、杏に加勢した。かがみは怪我を負ったものの、椋の傍に付き、屋上から逃げた。


椋「あの、怪我してるなら無理しなくても…。」
かがみ「大丈夫、こんな怪我大した事無いわよ。」

椋「そういえば、貴女の名前は?」
かがみ「私は柊かがみ。」
かがみとが話しながら逃げていると、一部の手下達が追ってきていた。
かがみ「あの椋さん、もし私が動けなくなったら先に逃げて。」
椋「ダメです、出来ません・・・!」

かがみと椋は全速力で走り、下の階へと下りた。

やがてかがみと椋は1階下駄箱付近までやってきたが、追手の手下達は二手に分かれて探しており、かがみ達は左右両方から挟まれてしまった。

かがみ「マズい事になったわね・・!」

椋「ど、どうしましょう…。」
かがみ「椋さんは先に逃げて。私が奴らを引き付けてる間に!」
椋「あ、はい!」
かがみ『絶対捕まるんじゃないわよ・・・!』

椋はかがみが手下達を引き付けてる隙に靴を履き替えに行った。
かがみは手下達に必死に対抗するがすぐに取り押さえられ、蹴られたり刃物を突き立てられる等袋叩きにされた。

手下「コイツ、俺達の邪魔ばっかしやがって気に入らねぇんだよ!」
手下「ここで殺しとくか!」

かがみは意識が朦朧としていた。
その時、杏と智代が駆け付け、手下達を殲滅した。

杏「かがみ、、大丈夫だった?」
椋「私は大丈夫…。」


杏「・・・!かがみ!?」

杏はかがみに気づきかがみに駆け寄った。

杏「かがみ、大丈夫!?」
かがみ「…、気にしないで、これくらい・・・。」

かがみはそのまま意識を失った。

杏「かがみ、かがみ!」

その時、警察達が学校に駆け付けていた。

警官「後は私達が誘拐犯達を連行します。皆さんありがとうございました。」

そう言うと警官達は誘拐犯達を逮捕しに向かった。

智代「私達は救急車を呼ぼう!」

この後かがみは再び病院に搬送されたが、意識が回復する事はなく息を引き取っていた。


後日、かがみの葬式が執り行われ杏や智代も来ていた。
一方、椋を誘拐した男子集団は警察によって逮捕され、殺人未遂を犯した事もあり無期懲役となった。

かがみは死後、夢を見ていた。

かがみと杏は2人で部屋のベッドの上で寝ている。←かがみ「無事に妹が戻ってきて良かったね。」
杏「あんたが手伝ってくれなかったら、椋を救う事は出来なかったかもね。」
かがみ「それは良かったわ。お疲れ様、杏。」
杏「ありがとう、かがみ。」
杏はかがみに覆い被さり、2人は眠りについた。