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【絶対王者】家庭教師と築いた歴史




青春の始まり

彼と出会ったのは2016年の6月。当時の私には身内以外に友達が存在せず、私自身もそれをなんとも思わなかった。ある日、家族が私の成長の為に家庭教師を雇った時に彼が来た。彼は私と出会った瞬間から家庭教師という第一印象に反して当初の私にもフレンドリーに絡んでくれた。そんな彼となら私でも打ち解けられると一目で理解した。家族以外で親しくなったのは彼が初であり、私が皆から愛されていたと言うよりは身内と彼にだけ心を開いていたと言った方が適切。

彼は私が好きだったアニメや漫画の多くを網羅しておりそれでいて連絡したらすぐ既読及び返信出来るので連絡の取り方にも一切制限がない。彼は私の特徴を捉えた弄りやからかいをして私がそれに反応したりする事でも楽しめるという未来で出会う人の中でも稀にしかない個性をも持っており、私の好きな趣味である深夜アニメも多く見ていたのも相まってまさに家庭教師ながら私にとっての完璧で究極の友になった。冬になってからは授業の合間に頭でイメージしたストーリーを元に自作小説を休憩を挟む事に彼に小説を見てもらっていた。ただ勉強するだけでなく、楽しみながら家庭教師の時間を過ごすアドリブも魅力的。


家庭教師、覚醒

時は流れ2017年、彼は病院への通院が原因で一時期は家庭教師に来れなくなっていた。その間過ごしている時間では一度だけぼんやりとしていて彼を忘れかけていた事があったものの、今年の春に彼が病院を退院し家庭教師が再開して間もなく華麗に復活を果たした。

ある日、彼が車を使えなかった日は母の車で彼が住むマンションの近くまで送り届け、送迎中でも時を共有しながら帰った。去年よりも会話の面白さ、精神世界の物量どちらにおいても2016年度より圧倒的に豊富になっておりキレが増していた。


不滅の絆

時は流れ9月。諸事情により一週目の家庭教師は見送られたが二週目で再会を果たした。彼は気に病む事はないとフォローを入れてくれたが、彼との家庭教師の時間が1回分とはいえ少なくなってしまった事が実に惜しまれる。

ある日、彼は私にプライベートで外食しようと提案してきた。それは彼との絆が不滅の存在になった事を暗示していた証拠だろう。いつか機会を見つけて彼と共にどこかへ行きたい。そう願っていた。その日に彼が帰った後に誤爆LINEをかましたが、彼はしっかり私のギャグに便乗してくれ、早く寝ようと声を掛けてくれた。

この様に、これまで私は順風満帆な時間を過ごして来たが、11月頃には諸事情で一時期は家庭教師をするのも難しくなるくらいに体調を崩していた。自分の人生が不幸だと思った事は一度もないが、ただ一つの事が必要以上に気になるのは何故だろうか。それ以来彼の家庭教師は体調が回復するまでお預けとなった。

しかし、そんな状況でも彼は文字通り私の味方でいてくれ、他愛も無く連絡を取ってくれたのだ。9割の人は多忙になると連絡が取れなくなる。しかし、彼は家庭教師時代に積み重ねた思い出やそれによって培った関係や親しさは勿論、私は彼と一緒にいたいからこそ連絡がどんなに途絶えたとしても依存せずに自分の人生を生きる事に絶対的な自信があり、彼は話せる時はしっかり話すものの、典型的なお人好しみたいに返信の義務感やタイミングに囚われる事なく仕事に専念出来る。それ故にお互いがどんなに忙しくても何も遠慮せず連絡しても気に留める必要が皆無なのである。

時は流れ2018年の3月、遂に彼との外食ドライブが実現した。当時の春は綺麗な青空と涼しいそよ風も私の過ごす時間を彩っており、出掛ける機会が多かった時期でもある。彼と行ったのは主に寿司屋やカフェ。私達が寿司屋で最初に頼むのは概ねまぐろとブリであり、これは私と彼に共通しているだろう。ちなみに彼は勉強する時には2人で行ったカフェを利用した事もあるらしい。

彼とのドライブが終わり、自宅まで送ってもらった後は母の従姉妹の息子達が我が家に遊びに来た。


再出発

2018年の4月、今年からは就職に向けて彼は多忙になり家庭教師のバイトとも縁が切れたが、機会がある時に家庭教師を開く生活リズムは変わらずに続けてくれた。彼は2020年の4月に福岡を出て行く事を示唆していたものの夏休みにも外食ドライブに行く機会を作ってくれており、カフェタイム中には私に自分が離れて行っても元気に生きて欲しいと頼まれた。私自身も彼が旅立つまで、彼が旅立った後にはもう一度彼と再会するまでは死ねないと考えていた。だからこそ私はそれに応えるべきだったのであろう。

中学卒業後の春休みには何故かこれまでのドライブでは思いつかなかったカラオケに行く事を思いついた。ちなみにカラオケでは星に願いをを歌っていた。いつかの未来で私に親友が出来た時の事を見据え、「断られたからといって嫌われてる訳じゃない」、「勉強も重要だが人間関係やコミュニケーションはもっと重要」などとといった世の真理と本質を教えてくれ、私は今までの自分と決別し新たな自分として彼と共に未来を歩んでいく事を決意した。

カラオケが終わると昼食は海鮮丼をに行った。この店は値段がかなり安い割に普通のマグロ丼やネギトロ丼でも京寿司とは比べ物にならない程美味く、午前及び数量限定かつマグロ、ネギトロ、トロが揃ったミックス丼ともなればもはや奇跡の産物と言える程の美味さに化ける。今回は時間も時間なのでミックス丼を食べるには至らなかったが、それでも彼と丸陣で昼食が出来た事を誇りに思っていいだろう。

ドライブが終わると彼は私を家まで送ってくれ、また必ず会おうと約束を交わし自宅を去っていった。

家庭教師が終焉を迎えるまで彼は私と共にいてくれ、生涯心にその名を刻む生ける伝説と呼べる存在になるだろう。


旅立ちの前にもう一度

時は流れ2019年4月、高校へ入学してからは彼の家庭教師は終焉を迎え、会う機会が激減し夏休みや冬休みに一度会う事も叶わなかった。しかし、彼は会えなくてもいつでも連絡していいと言ってくれ、どんな時でも遠慮無く連絡が取れるのはこれがきっかけだったのだろう。どんなに連絡を取ってくれる人でも建前だけを鵜呑みには出来ないが、彼だけは100%の確信を持って大丈夫と断言出来、連絡が取れなくても待ち続けられる絶対的な安心感を誇る。

時は流れ2020年1月、家の風呂をリフォームする事になり再び親戚の家に風呂だけお邪魔させてもらう事になった。それと同時に彼をはじめとした身近な人を含む世間で爆発的大ヒットしている某鬼退治アニメを身内からの勧めもあり1話から視聴していた。本作は最近の作品の中では比較的面白く、話題についていく為の手段としてもかなり有効であり、まだ見た事がない人も一度は見てみて損はないと言える。2023年度でいう完璧で究極のアイドルが出てくる某芸能界アニメに近い存在だろう。

2020年2月中旬、卒業するまで会えなくてもおかしくないと思っていた頃、コロナが流行する直前に一度だけ彼の国家試験が終わった後に車が使えず母の送迎と徒歩で行く事になったがベストタイミングで会う機会を掴めた。

彼はアニメ黄金期時代に中高生だったので憧れると同時にこの頃は自身の生まれ年について現実が見えなくなっていた時期でもあった。しかし、彼は私の若さを称賛し、これから新たな出会いや経験が待っている事を予言した。(予言した内容については【革命への道筋】同好会と築いた歴史で紹介している)。自分より若い世代に敬意を払える先輩は実に素晴らしく、そんな彼は圧倒的に理想の先輩と称えられるべきだろう。地味に私と両親の容姿や遺伝も褒めてくれていた。私は彼が認める程の美貌を持っていたのだろうか?

そして再び来たカラオケ。彼は世代に当たるアニソンや最近人気があった有名なドラマの主題歌歌っていた。実はこの頃の私はアニソンを歌う事や興味関心の対象は少なかったのでこの頃からアニソンをマスターしていたら更に盛り上がっていた事は疑いようもない。

母の送迎で彼が住むマンションまで送り届けた後は私が成人し、会う機会を掴めた暁には酒を酌み交わそうと約束した。私は遂に彼に一人前と認めてもらえたのだろうか?


いつまででも

彼が県外へ旅立ってからはもう一度彼に会った時の為に自分磨きに目覚め、散歩や運動を積極的に行う様になった。世代は堪能できなくてもオンリーワンの自分になる事は出来る。

4月上旬、彼は福岡を出て県外へと旅立ち、コロナとの終わりなき戦いを始め、私は新たな出会いや経験を求めて自分の道を歩み出した。しかし、お互いがいつどこで何をしていても彼が私を忘れない限り私は彼を忘れない。私にとっての絶対王者は彼一人である。



総合評価

全てにおいてブレない原点にして不動の王者。
今の私があるのは概ね彼のお陰であり、現在においても人間関係の頂点に立つベストフレンドの中でも別格の存在。ただの会話でも趣味嗜好を絡めても現フレンドの中でも上位に入る程会話が面白く、どんなに忙しくても何の遠慮も無く連絡が取れる。
彼との絆があれば恐れる物は無い。