3Dプリンターで作る研究室グレードのオートフォーカス顕微鏡制作記①
研究室グレードの顕微鏡を3Dプリンターで作れるというネット記事を読み、少し材料をネットで買えば自分でも作れそうだったので早速作ってみました。
日本語での情報がそれほどなかったので、参考になればと思いまとめてみます。ブラウザの翻訳機能を使えば中学生でも作れると思います。
顕微鏡の機能
オートフォーカス
電動ステージ
キーボードや操作画面からステージを上下左右に操作できます。
撮影画像をクリックしてステージ操作
画面をクリックすると、クリックした場所が中央になるようにステージが動きます。
広範囲の画像をつなぎ合わせて自動撮影
ステージの移動と撮影を自動で行い、画像をつなぎ合わせて広範囲の結合画像を作成できます。
ネット接続でリモート操作
通常ここまでの性能をもった顕微鏡を買うと100万円以上はすると思います。
材料と作り方は、かなり細かくサイトに書かれています。ここでは、私が引っかかった部分を書きたいと思います。
材料あつめ
オープンフレクシャ顕微鏡は、世界中どこでも作れるように一般的な材料で作られています。それでもなかなかどれが良いのかわからず調べるだけでも時間がかかりました。
本家サイトの材料リスト
<サイトの翻訳>
●ツール
・ #1ポジドライブドライバー
・2.5mmボールエンドアレンキー
1つの余分なM3x10キャップネジ - 閉じ込められたナットを取り付けるため
・Piカメラレンズツール - これはRaspberry Piカメラモジュールv2に付属しているはずです。欠落している場合は、[回避策レンズリムーバー]を3Dプリントできます。
・精密ワイヤーカッター - これらが利用できない場合は、ユーティリティナイフを使用できます。
・RepRapスタイルのプリンター1本
・ユーティリティナイフ ×1 - メスではありません!
●材料
・厚さ0.5mmの半透明白色ポリプロピレンシート 4平方センチメートル ×1
・50gのブラックPLAフィラメント
・205gのPLAフィラメント - あなたが望むどんな色でも。2つの対照的な色が最もよく見えるかもしれません。
●消耗品
・軽油3滴 - これを飛ばさないでください、さもないとネジが損傷します
●光学部品
・12.7mm無彩色レンズ ×1
・コンデンサーレンズ ×1
・顕微鏡対物レンズ ×1
●電子部品
・ 2ピンデュポンコネクタメスハウジング ×1
・200mm Piカメラリボンケーブル - ×1 これは、Piカメラが販売されている標準的なリボンケーブルよりも長いです!
・28BYJ-48マイクロギヤードステッピングモーター ×3
・1つの照明PCB - [LED回避策]に従えば、代わりに5mm LEDを使用できます。
・ラズベリーパイ
・ Raspberry Piカメラモジュールv2
・ラズベリーパイ電源
・サンガボード - サンガボードを入手できない場合は、代わりに[回避策モーターエレクトロニクス]をまとめることができます。
●機械部品
・ M3真鍮ナット ×3
・ M3ナット ×14
・ M3ステンレススチールワッシャー ×8
・M3x10キャップヘッドネジ ×11
・M3x25mmステンレススチール六角ボルト ×4
・M4x6mmボタンヘッドネジ ×6
・ No 2 6.5mmセルフタッピングネジ ×16
・バイトンOリング(30mmx2mm) - 「バイトンバンド」 ×3
アマゾンで買えるもの
●六角レンチ ボールエンド (端がボール状になっているもの)
●ラズベリーパイ Raspberry Pi 4 Model B (4GB) 10302円
●Raspberry Pi Camera Module V2 3300円
●Micro HDMI to HDMI ケーブル 799円
●フッ素ゴムOリング 32 mm外径 30 mm内径 1 mm幅 440円
(私はセリアの手芸用シリコンゴム線を使いました。)
●対物レンズ 160mm 同焦点距離 45mm
私は手持ちのレンズを使いましたが、スペック的にはこちらのもので大丈夫だと思います。 40倍のものが推奨されていますが目的に合わせて選んでください。ヤフオクでも高性能なものが出品されていることがあります。
対物レンズを選ぶ際の注意点としては、現在主流の無限遠補正光学系の対物レンズではなく、機械的鏡筒長160mmのものを選んでください。
また、レンズの根本からスライドグラスまでのピントが合う距離を示す同焦点距離が45mmのものを選んでください。
対物レンズの商品名には機械的鏡筒長と同焦点距離を足した数字が書かれていることもあります。(例 機械的鏡筒長160mm+同焦点距離45mm=195)
OpenSCADというCADソフトをつかって設計の変数を変えて適応されることもできますが、対応した対物レンズを選んだほうが無難です。
3Dプリンターの部品を接続すると樹脂のカスがつく可能性もあるのであまり高価な対物レンズは避けたほうが良いと思います。
●microSD 256GB 2199円
●六角穴付ボルトセット 1667円
●セルフタッピングネジ 長さ6.5mm 1584円
16個あればよいので、ホームセンターなどのほうが安く手に入ると思います。
●ステンレス/生地 六角ボルト (全ねじ) M3×25 400円
●白色LED 直径5mm 5V
●M4 6mm 丸頭六角穴付きネジ 465円
●PLAフィラメント 3199円
・普通のPLAで大丈夫ですが、レンズに関わる部分は黒いフィラメントで作る必要があります。私は強度と色の点でカーボンファイバー入のPLAを選びました。
カーボンフィラメントは真鍮製のノズルが削れることがあるそうなのでタングステンのノズルも購入しました。
中国ネット通販(AliExpress)で買ったもの
初めて使う方には不安かもしれませんが、品揃えと価格の面で中国通販でも買いました。日本語も使えますし、これまで特にトラブルなく使えています。
●Piカメラ用30cmケーブル 46円
何種類か長さがありますが、30cmを選択してください
●28BYJ-48 5vステッピングモータ + ULN2003ドライバ 672円
アマゾンにもあったのでこちらでもいいと思います。
●Arduino nano互換コントローラー3.0 USB Type-C 386円
amazonでもありました。Mini USBでも大丈夫だと思います。
●2ピン デュポンジャンパーコネクタ メス 10本
●1ピン デュポンジャンパーコネクタ メス 黒10本 赤10本
●LED用 プラスチック コンデンサーレンズ 直径13mm 焦点距離5mm
LEDライト用のプラスチックレンズはアマゾンにもありますが焦点距離が5mmというものは見当たりませんでした。照明のユニットは上下するので、厚さ5mm程度の凸レンズを選べば大丈夫だと思います。
その他海外通販で購入するもの
●12.7mmアクロマティックダブレットレンズ(50mm焦点距離) $7.5
重要なレンズですがアマゾンや中国通販でも見つかりませんでした。私はレンズの個人売買のサイトで注文しました。注文すると送料があとでメールで届くので、メールに書かれた手順で追加の支払いをする必要があります。
これでだいたい材料はそろいました。次回は制作のコツを書いていきます。