ヒストリック・アンソロジー6収録カード解説
本記事の目的
ヒストリック・アンソロジー6で収録されたカード・メカニズムについて色々書いていく記事。同時実装のエクスプローラー・アンソロジー1についてはこちら
希望の天使アヴァシン
2回前のイニストラードで人類を守護していた天使(過去形)。ソリンが人間を護らせるために作った、と聞くと正義の味方的な存在っぽく思えるけど、立場的には牧羊犬(吸血鬼が人間喰い過ぎて滅ぼすと、巡り巡って吸血鬼が滅ぶから加減させるため)。なお、1回前ではエメリアお姉ちゃんに色々されて人間滅ぼす側に回った模様。そして→苦渋の破棄
解説
破壊不能の範囲はパーマネント全体。
ダメージは軽減しないので、PWにダメージが通れば忠誠度は減る。
最近は追放除去多いんで過信は禁物。
ファイレクシアの変形者
ほぼ全ての次元で収録されている(と思う)コピー系亜種のファイレクシア版。こいつはファイレクシア次元なのでΦマナとアーティファクトになる能力を持ってる。
解説
Φマナシンボルはライフ2点でも代替可能。ライフ支払いでも呪文の色は変わらないのでこいつは青いスペル。
アーティファクトかクリーチャーなら相手がコントロールしているものでもコピー可能。
一時的にアーティファクト化・クリーチャー化しているパーマネントのコピーになった場合、アーティファクト化・クリーチャー化してない状態で戦場に出る(アーティファクト化はコイツ自身の能力によってコピー元とは別で起こるので、結果としてアーティファクト化したまま出る)。
コピーされる内容はざっくり言うと「最初からカードに書かれている内容」。↑で言う一時的な○○化や乗ってるカウンター、「永久に」系でコピー元に追加されている能力はコピーしない。
蛇術師
統率者2013に収録された蛇使い。各アップキープに蛇が居なければ接死持ちの蛇を生成してくれる。ぶっちゃけ、今回のラインナップで一番収録理由が分からない。開発陣にファンがいるとか?
解説
if節ルールの形式(○○の場合、××する)なので、蛇をコントロールしている状態でアップキープ迎えたら能力は誘発しない。
能力誘発後~解決の間に蛇をコントロールしていたら蛇は出ない。こいつを複数コントロールしていた場合、最初の1体しか出ない。
蛇はトークンに限らないので、神河のクリーチャータイプ:蛇とか多相持ちが居ても能力は誘発しない。
4人対戦前提で作られたカードなので、2人対戦のみのアリーナだとパワー不足じゃね?マジで何でこいつ選んだか思いつかない。だれか教えて。
魂の裏切りの夜
全クリーチャーにマイナス修正をかけるエンチャント。タフネス1は戦場に出た瞬間死亡することになる。蛇が即死するから蛇術師が毎ターン蛇を出せるよ!修正とのマナレシオだけ見ると、修正が常時になった代わりに1マナ重い食肉鉤虐殺事件。
解説
伝説のエンチャントなので、2枚出すと片方がレジェンドルールで墓地へ落ちる。
ただし、状況起因処理のチェックが同時なので、その時点でタフネス2のクリーチャーも同時に死亡する。
再鍛の刃、ラエリア
アド取りながらパンプして殴る統率者2021の戦士。蛇術師と比べるとアドバンテージ量が桁違い。これがインフレか。
サイズとマナコストと実質追加ドローの恩恵から、レガシー・ヴィンテージでも活躍してるそうな。
解説
追放領域からプレイしてもよいなので土地が追放されても戦場に出せる(通常通り、ターン1枚の制限はある)。
ラエリアの能力以外でライブラリや墓地から追放されても+1/+1カウンターが乗る。指定カード抜く系とか、脱出コストとか。相手の墓地追放でも乗る。ラエリアをブロックした軟泥が、ラエリアのコントローラーの墓地からクリーチャー追放するとお互いに+1/+1カウンター乗ってサイズ差変わらないよ。
1枚以上なので複数枚同時に追放しても乗るのは1個。
ライブラリと墓地から同時に追放されても乗るのは1個。同じ文章中だからね。
最近は、印刷されたサイズと実運用上のサイズ詐欺がWotCの好みなのかな?
生命起源の御神体
祭殿ロードの生きてる方。エンチャントのリアニメイトと祭殿数の倍化という「祭殿しようぜ!」なお方。
解説
祭殿クリーチャーの例によってクリーチャータイプを持たない。祭殿はエンチャントタイプ。
リアニメイトするエンチャントは祭殿じゃなくてもいい。
二つ目の能力の誘発条件がトークンでない祭殿1つが戦場に出るたびなので、祭殿をリアニメイトした時も誘発する。
自身のマナコストは緑だけだけど能力に5色要求するため、ヒストリック・ブロールで統率者にすると5色全部使える。
タルモゴイフ
モダン以下での緑のエース。カード・タイプ数でサイズが決まるため、コイツを最大限に使うためにショック亜種が真面目に使われたりする。
解説
カード・タイプとはクリーチャー、インスタント、ソーサリー、エンチャント、アーティファクト、プレインズウォーカー、土地、部族の8つ(2022年8月現在)。なのでコイツの最大サイズは8/9。バニラとはいえ何で2マナシングルシンボルなんです?
上記の内、「部族」はアリーナ未実装なのでアリーナでの最大サイズは7/8。
大差ない。両者の墓地を確認してコイツのサイズを計算することを俗にタルモ算という。
素のタフネスが1あるので、墓地が0枚でも即死しない。安らかなる眠りがあってもチャンプブロック位はする。
有名な話として、墓地にインスタントが無い状態で2/3のタルモゴイフに稲妻を撃つと死なない、というのがある。状況起因チェックの段階では墓地のカードタイプ数が増えてて3/4まで育ってる、ということ。
不可思の一瞥
2色で10枚の切削カード。60枚デッキに対して10枚なので、ライフ換算だと3.3点。これが採用されないリストの方が増えてるとか、モダン怖い……
解説
プレイヤーを対象にしているので自分にも打てる。相手に撃つ場合は呪禁されてると打てない。
たまにバーン除けのついでに対策される。シンプル過ぎて書く事が無いヒストリック・アンソロジー版その1。
虚空の杯
置きカウンター。下環境に行けば行くほど使われる呪文のマナ総量は下がる傾向にあるため、デッキによっては2ターン目にゲームが終わるカード。
解説
マナ総量についてはこちら参照
マナ総量が乗っている蓄積カウンターの数に等しければコントローラーを問わず打ち消される。
呪文が唱えられた後にカウンターを増減させても「再誘発」しないし、打ち消しが無くなったりしない。
打ち消すだけなので、打ち消されない呪文相手には無力。
打ち消すだけなので、呪文で誘発する能力には無力。果敢とか魔技とか。
X=0で唱えることも適正。その場合は乗ってるカウンターが0個=0マナの呪文を打ち消す。ちなみに、モダン以下の特定デッキに対しては最適解。
マナコストにXを含む呪文を必要最小限で唱えるとこれに打ち消されるような場合、わざとXの値を大きくして撃つことで打ち消しを回避するのは有名なテクニック。(例:カウンター1個のコイツ割るために白行進をX=1で撃つとか)
「これがあるとMOX使えないやん」って理由でヴィンテージ制限(ガチ)。
公式声明はここ
改良式鋳造所
タップ+αで各種アーティファクト・クリーチャー・トークンを生成する鋳造所。コストにしたクリーチャーを「改良」していくフレーバー。
解説
上の能力で作られたトークンが、一つ下の能力のコストに該当する。
マナのみでアンタップ出来るので、十分なマナがあれば1ターン中にどんどん「改良」していくことが可能。無限マナがあれば3種の無限トークンになる。
コストにするクリーチャーはクリーチャータイプのみの指定なので、このカード以外で生成したトークンでもいい。
コストにするクリーチャーはクリーチャータイプのみの指定なので、トークンでなくてもよい。1ターン目にコイツ+羽ばたき飛行機械で2ターン目から4/4が殴る動きもあり得る。
イラスト的にカラデシュ産
なんだけど、スタンダードの現行ストーリーで「改良」って言われるとファイレクシアっぽいよね。
アーティファクト2色土地
流石に代表2枚。2色の組み合わせ×10枚すべて収録。
アーティファクト・土地の2色版。メリットもりもりなのでアンタップインは許されなかった。地名はミラディン次元のもの。
解説
挙動周りはダークスティールの城塞参照。
パウパーだと、このサイクルに野火の浄化撃って手札消費0でマナ加速する動きがあるらしいよ。
まとめ
エクスプローラー・アンソロジー1に比べて、ファンデッキ用カードとガチデッキ用カードが半々ぐらいか。それもレガシー・ヴィンテージ~パウパーまで幅広く対応してて、何とも選定チームの苦労が偲ばれる。何で蛇術師入れたの?この調子でトロンのパーツの再録を希望。マナプール溢れさせたい。
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