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団結のドミナリア超先走りメカニズム解説①

前置き

これは、本記事執筆時点(団結のドミナリアファーストプレビュー~公式メカニズム記事掲載の間)の筆者の知識及び公式ルール文書をもとに記載した文章です。
筆者の知識不足や勘違い、公式によるルールの変更などによって誤った情報を書いてしまう可能性があるため、厳密なルールについては大会ジャッジ等にご確認ください。(記事に間違いが判明した場合は順次訂正します。)

本記事の目的

解説記事が出る前にルーリングについてワチャワチャ書いてバズりたい
団結のドミナリアのファーストプレビューで公開された各再録メカニズムについて勉強と初心者への解説を兼ねて書いていこうという記事です。神河で大々的にプロモーションしたから、新規プレイヤー増えてるしね。(前ドミナリアが4年前と知らされて首を傾げてるオッサンです)

では、順番に書いていきましょう。

キッカー

時の火炎嵐

≪時の火炎嵐≫ 3赤赤
ソーサリー
キッカー1白、キッカー1青
クリーチャーやプレインズウォーカーのうち、あなたがコントロールしている最大X体を選ぶ。Xは、この呪文がキッカーされた回数に等しい。それらのパーマネントはフェイズ・アウトする。
時の火炎嵐は各クリーチャーと各プレインズウォーカーにそれぞれ5点のダメージを与える。

序盤は通常の呪文として使用し、マナが余り始める中盤以降にはより多くのコストを支払って強力な効果を得られるメカニズムです。ゼンディカーの夜明けでも再録されたので、スタンダードで使ってる方もいると思います(まあ、ローテーションで入れ替わりになるんですが)。


まず、基本的なところから

キッカーは任意で支払える追加コストです

あなたが呪文を唱える際に、キッカー込みで支払うか否かを決定します。支払う場合、あなたが支払う総コストは「その呪文のマナ総量」+「キッカーコスト」±「コストの増減(ある場合)(サリアとか日向とかはまだまだスタンダード同居です)」になります。

キッカーによって対象数が増えることがあります

キッカー込みで支払う場合、その呪文の効果が上がります。火力呪文や除去呪文などは対象数が増える場合もあります。ただし、《時の火炎嵐》の場合はキッカーしてても対象を取らないため注意が必要です。(詳しくは後述)

キッカーしても「マナ総量」は変わりません

様々な追加コストを使用するメカニズムで度々書かれることではありますが、「マナ総量」はカードの右上に書かれたコストの点数だけでみるため、キッカーコストの有無は考慮しません。《時の火炎嵐》であれば常に「5」です。

キッカーは「追加コスト」なので「マナコストを支払わずに唱える」場合でも追加支払い可能です

ただし、「追加コスト」部分は免除されないため、別途支払う必要があります。


続いて、《時の火炎嵐》に書かれているような書式について

キッカー[A]、キッカー[B]

これは、2種類のキッカーコストを持つという意味です。それぞれについて、支払ってもいいし、支払わなくても構いません。両方支払うのも適正ですが片方だけ2回支払う、とかはNGです。
つまり、《時の火炎嵐》を唱える時は、次の4パターンから選べるわけです。

  1. キッカー無し。総コストは3赤赤。キッカーされた回数は0

  2. 1白側だけ支払う。総コストは4白赤赤。キッカーされた回数は1

  3. 1青側だけ支払う。総コストは4青赤赤。キッカーされた回数は1

  4. 両方支払う。総コストは5白青赤赤。キッカーされた回数は2


最後に、《時の火炎嵐》自体の動きについて書きましょう。

まず、呪文を唱える際にキッカーそれぞれを支払うかどうかを決めます。上記の4パターンですね。
ここで注意なのが、キッカーしててもこの呪文は対象を取らないという点です。ルール文章中に「対象」の単語が無いですからね(たまに言われますが、冗談じゃなくてガチの判断基準です)。つまり、キッカーされたこの呪文がどのクリーチャー・プレインズウォーカーをフェイズ・アウトさせるかは解決時まで分からないし、キッカーしてても対象不適正による立ち消えも起きない、ということです。同時に、戦場に日向が居てもコストの増減の条件は満たしません。日向デッキに入れる場合は大人しく全コストを支払いましょう。
そして、呪文の解決時にキッカーして唱えていた場合はその回数だけクリーチャー・プレインズウォーカーをフェイズ・アウトします。「最大X体」の表記なのでキッカーしててもフェイズ・アウトしないのも適正です(死亡誘発を使いたい、タフネス6以上のクリーチャーをブロッカーにしたい等)。意味有るの?ってプレイですが、「キッカーされた呪文が唱えられた」ことを条件に誘発する能力があるので舐めプではないです。
その後、各クリーチャー・プレインズウォーカーに5点ダメージが入って解決終了です。
総合的に見ると、ジェスカイ系のコントロール向けカードですが、赤+白or青(+その他)のデッキで相手だけ一掃、みたいな使い方もアリでしょうか。

余談

イラストやカード名からすると、ヤヤが放った大火力からテフェリーが味方(ヤヤとテフェリー?)を護る、という感じでしょうか。ファイレクシアンの大群を相手にしてるイメージ。

本コスト部分:ヤヤ 追加コスト部分:テフェリー

……ハゲお前、そんな状況で追加コスト払わないと仕事しないの?(3テフェに色んな恨みがあるので当たりが強いです)

果敢

焦熱の交渉人、ヤヤ

《焦熱の交渉人、ヤヤ》 2赤赤
伝説のプレインズウォーカー --- ヤヤ
+1:果敢を持つ赤の1/1のモンク・クリーチャー・トークン1体を生成する。
-1:あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。そのうち1枚を選ぶ。このターン、あなたはそのカードをプレイしてもよい。
-2:対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。このターンにあなたが攻撃するたび、焦熱の交渉人、ヤヤはそのクリーチャーに攻撃クリーチャーの数に等しい点数のダメージを与える。
-8:あなたは「あなたがインスタントやソーサリーである赤の呪文を唱えるたび、それを2回コピーする。あなたはそれらのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を持つ紋章を得る。

クリーチャーでない呪文を唱えると、果敢を持つクリーチャーがターン終了時まで+1/+1修正を受ける、シンプルな能力です。モダンだとデッキタイプ名にまでなってます。
え、プレインズウォーカーに果敢って意味なくない?いいえ、プラスで出てくるトークンに付いてる方です。


では果敢について

クリーチャー以外の呪文を唱えると、果敢を持つクリーチャーがターン終了時まで+1/+1されます

クリーチャーでない呪文がすべてコンバットトリックになるため、戦闘やダメージorマイナス修正による除去にかなり強くなります。2/2をコントロールしている相手に1/2果敢で攻撃するとかザラですね。また、「クリーチャーでない呪文」という指定しかないため、エンチャントやアーティファクト、プレインズウォーカー呪文でも誘発します
はい、ストリクスヘイブンのメカニズム「魔技」と似て非なる能力ですね。ややこしいので後でまとめます。

果敢は1ターンに何回でも誘発するし、1体のクリーチャーが複数の果敢を持っていた場合はそれぞれ誘発します

呪文を連打して膨れ上がったクリーチャーで一気に勝負を決める、というのはモダンの果敢デッキの基本ムーブです。
重ね掛けした時の効果が凄いためか、今のところ「果敢を与える」系能力は作られていません。果敢と同じ条件で果敢持ちトークンを生成するカードは相性良すぎてヴィンテージ制限になりました。

0マナ1マナ呪文がほとんどのフォーマットだとフィニッシャー

唱えた呪文でのみ誘発し、コピーされた呪文では誘発しません

呪文をコピーする能力は多く登場していますが、コピーでは全く誘発しません。あくまで「唱える」ことが条件です。


魔技との比較

現スタンダードに存在するメカニズム、「魔技」と動きが似ているため、比較表を以下にまとめます。


余談

交渉人って二つ名付いてるけど、ヤヤばあちゃんのファンキー具合を考えるとBIG某がショータイムする方向のネゴシエーションですよね?


マナ支払いによって段階的に強化されるクリーチャー(仮)

潜伏工作員

《進化した潜伏工作員》 黒
クリーチャー --- 人間
黒:進化した潜伏工作員は基本のパワーとタフネスが2/2の人間・クレリックになる。
1黒:進化した潜伏工作員がクレリックであるなら、これの上に接死カウンター1個を置く。これは基本のパワーとタフネスが3/3のファイレクシアン・人間・クレリックになる。
1黒黒:進化した潜伏工作員がファイレクシアンであるなら、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。その後、あなたはカード1枚を引き、1点のライフを失う。

3つ目は、特に定義されたメカニズム、という訳では無いのですが、定期的にリメイクされる挙動をするカードについてです。スタンダードでは隆盛するスピリットが同じ挙動をするカードに当たります。

氷雪クリーチャー最強(視野の狭い意見)


メカニズムとして組まれてる訳ではないので見出しも(仮)です。一見、「進化」とか「レベルアップ」とか言ったらいいんじゃないか、とも思うんですが両方ともすでにメカニズムとして実装されてるんですよね。

大体の書式としては以下になります。


コスト①:このクリーチャーは[ちょっとした強化]の【元のクリーチャータイプ】・【追加されるクリーチャータイプ①】になる。
コスト②:このクリーチャーが【追加されるクリーチャータイプ①】であるなら、[中くらいの強化]の【元のクリーチャータイプ】・【追加されるクリーチャータイプ①】・【追加されるクリーチャータイプ②】になる。
コスト③:このクリーチャーが【追加されるクリーチャータイプ②】であるなら、[大きな強化]をする。


では順番に行きましょう。

「基本のパワーとタフネス」とは+1/+1カウンターや装備・オーラ、一時的な修正を考慮しないパワーとタフネスのことです

カードの右下に書かれた数値が直接変化するイメージでOKです。

クリーチャータイプは、起動した能力が指定するものに上書きされる

例えば、2番目の能力を解決した後に1番目の能力を解決するとクリーチャータイプは「人間・クレリック」になります。

能力で「追加」されたクリーチャータイプが1つ下の能力の条件になる

1番目の強化→2番目の強化→3番目の強化、という動きをさせるため、能力で追加されるクリーチャータイプが、1つ下の能力の条件になってます。上でいう【追加されるクリーチャータイプ】の部分ですね。

能力の起動条件はコストの支払いのみであり、クリーチャータイプは考慮しない

2つ目以降の能力でクリーチャータイプを条件としていますが、チェックが行われるのは解決時のみなので、起動自体は出来てしまいます。逆に、すでにクリーチャータイプが追加されていても前の能力は起動できるため、間違えて使用すると弱体化になります。アリーナプレイヤーはミスクリックに気を付けましょう。

クリーチャータイプが条件を満たしているなら、1つ目の能力から順番に起動する必要はない

1つ目からの起動が必要なのはあくまでクリーチャータイプの追加が必要なためであって、別の方法でクリーチャータイプを追加できるならいきなり2番目3番目から起動しても構いません。


余談

上でも書きましたが、1番目の能力で基本のパワーとタフネスが2/2に、2番目の能力で基本のパワーとタフネスが3/3になります。そこに対して3番目の能力で+1/+1カウンターを乗せていって強化していくデザインなのですが、カウンターが1個だけの状態からなら再度1番目の能力の起動で3/3(基本が2/2に+1/+1カウンター1個)になれます。
単純にサイズが下がるだけですが、スタンダードでは《勇敢な姿勢》と共存するため、タフネスを下げて条件から逃れることができます

リミテ用だと思ってたらメインデッキに採用されるから面白い


狙ってやれるプレイではありませんが、マナとカード1枚の交換なら得してますので、覚えておくと有利になることがあるかもしれません。(クリーチャータイプからファイレクシアンが外れるので、再強化の際はまた1つ目の能力から起動していく必要があるのは注意です)


締め

先走りメカニズム解説①、として、ファーストプレビューで公開されたメカニズムを紹介しました。
プレビューに従って他のメカニズムの再録や新規メカニズムがあれば解説②を書くつもりなので、よろしければご拝読ください。


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