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ストレッチがうまくいかない時は考えられる4つの問題点

こんにちは。
身体の考察屋・大森です。
コンディショニングパーソナルトレーナー、ヨガとピラティスのインストラクターとして活動してます。

今回は「ストレッチがうまくいかない時は考えられる4つの問題点」と題して、

ストレッチの方法論ではなく、ストレッチがうまくいかない時に、
『そもそも何故うまくいかない/効果が出ない/実感できないのか?』
という『前提からの視点』で書いてみたいと思います。

ストレッチをご自身なりに理解している方やストレッチに違和感のない方には不要か、今更な内容かも知れませんが、

ストレッチをやっているけど柔らかくならない方、ストレッチが苦手、嫌い、という方には役に立つ(やる理由、やらなくて良い理由、どれくらいやればよいか、など)内容だと思います。

個別のストレッチについて(起こりやすい問題点や傾向と対策)は後日追加するつもりです。
本稿をお読み頂き、特定のストレッチについても考えたい方はDMででもコメントでもお知らせ頂けると書く手が早まりますので嬉しいです。(他力)


①「ストレッチ」という【言葉(定義)】の問題


いきなりですが、

「ストレッチ」という【言葉(定義)】そのものにトリックが潜んでいます。

『ストレッチ≠筋肉が柔らかくなる』問題です。

ストレッチという言葉の意味は「伸ばす」です。

一方で「フィットネス」でのストレッチの意味は「柔軟性を高める」ことです。

ところが「筋肉を伸ばす」ことは必ずしも「柔軟性を高める」とイコールではありません。
ここにトリックがあります。

単純な話、ストレッチし過ぎると痛いですし、かえって固くなるのは多くの方もご承知かと思います。

つまり「柔軟性」を高めるために「ストレッチ」を頑張れば頑張るほど、かえって柔軟性を損なうリスクが増えるのです。

また、伸ばすだけでなく、縮めることでも筋肉は柔らかくなります。

よく説明で使うのは「スポンジ理論」です。

スポンジと筋肉には似たような性質があります


固いスポンジを柔らかくするとき、一回にぎり潰しますよね?

お水の中で握ったり戻したりすることでスポンジ内に水が取り込まれ、柔らかくなります。

筋肉も同じような性質があります。

伸び縮みさせることで細胞内の潤滑液が巡り、筋肉の動きをスムーズにしてくれます。

筋肉を縮ませることでも筋肉が柔らかくなる。
ということは、筋トレでも筋肉は柔らかくなる、ということです。
(このあたりはまた別の機会に書きます)


他にも、マッサージも筋肉を柔らかくしますね。

マッサージは筋肉を大きく伸び縮みさせているわけではありません。
先ほどのスポンジの例のように、マッサージで潤滑液をスムーズにすることで柔らかくしているとも言えます。

つまり、伸ばすこと=ストレッチは「手段のひとつに過ぎない」ので、
伸ばせば柔らかくなる、という先入観は止めましょう。


②何故ストレッチをするのか?ストレッチという【手法】は適切なのか問題


①で書いたように、ストレッチは「手段にひとつに過ぎない」ということは、つまりそれが「ハマる」場合と「ハマらない」場合がある、ということです。

特に大森が気をつけてほしいと思っているのは、『首の後ろ』と『肩の後ろ』のストレッチ。

首は基本的にいつも前に傾く傾向があります。
デスクワークの方はほぼそういう姿勢になりますよね。

『常に前に傾く首を支えるため』に、つまり『それ以上伸びないように筋肉が固くなっている』としたら?

その筋肉を柔らかくするために「伸ばす」ストレッチは適切でしょうか?

常に伸ばされている状態の筋肉を柔らかくするためには?


同様に『肩』も常に「前」に位置することが多く、結果的に肩の後ろの筋肉は「常に伸ばされた状態」になっています。

その筋肉を柔らかくするために「伸ばす」ストレッチは適切でしょうか?


筋肉が固くなる(コリや張りを含め)のには「原因」があります。

ストレッチは「手段にひとつに過ぎない」ので、その選択が「原因」適切であるかどうかは確認する必要があります。


③伸長性筋反射(伸長性筋収縮)という【筋肉の性質】の問題


機能解剖学的な話になりますが、ぜひ知っておいてほしい筋肉の性質です。

『伸長性筋反射(伸長性筋収縮)』

これは「筋肉が伸びすぎないように縮まる」働きのことです。

人間が無意識に立っていられるのは、この反射が無意識に働いているからです。

倒れそうになると反射で筋肉が縮まるのでバランスが保たれます。

歩行動作もこれの連続とも言えます。

2本足で立つ、歩く、止まるなんて、よくよく考えたらすごいバランスだと思いませんか?
二足歩行に適した機能を人間は持っていると言うことです。

しかし意外と多くの場合、そういう機能は過剰に働くことが多いです。

ストレッチで筋肉を伸ばす時にこの『伸長性筋反射』が働くと、筋肉は柔らかくなるどころが「伸びないように」固くなります。

ストレッチを上手に行うポイントは、この『伸長性筋反射』を起こさないこと、
つまりむやみに強く伸ばしたり、勢いをつけたりしないことが大切です。

一般によく言われている注意点ですが、機能解剖学的に理由があったんですね。


④固いのは悪いのか?柔らかければ良いのか?固い、柔らかいという【状態】の意味についての問題


最後は、そもそも「固い」とか「柔らかい」という【状態】は、一体何なのか?を考えてみたいです。


固い筋肉は、伸びにくい筋肉ですね。
つまり収縮が起こったまま状態です。

言い換えれば、収縮力が強い、つまり筋力が強い筋肉とも言えます。


一方柔らかい筋肉は(実はこちらは一概には言えないのですが)伸びやすい分、収縮が苦手な場合が多いです。
収縮が苦手ということは、筋力が弱い筋肉と言えます。

(再度補足ですが、柔らかく、しかし収縮も強い筋肉というのは共存し得ます。一流のアスリートの筋肉は柔らかく強いことが多いようです)


強さは固さにつながりやすく、
柔らかさは弱さにつながりやすい関係があります。


つまり筋肉の固い方であっても、怪我するくらい(あるいは不快な、不調をきたすくらい)の固さであれば問題ですが、
しかし身体の強さ、頑丈さの元になっているとも言えます。
(大柄な男性に多いパターンです)

つまり筋肉が柔らかい方も、筋力が弱いと怪我や不快感不調の原因になる、ということですね。
(細身に女性に多いパターンです)


まとめ


ストレッチって、その重要性は多くの人が理解しているところだと思いますが、
しかしけっこう苦手だったり、あるいは実践していてもあまり効果が得られていない人が多いとフィットネスの現場にいると感じています。
(運動全般に言えることでもありますが)

ストレッチそのものは丁寧に行えばリラックス効果もあり、心身を健康に保つ手段としては素晴らしい効果があることは間違いありません。

しかし、上記の【言葉(定義)】【手法】【筋肉の性質】【状態】といった問題点をクリアにすることで、
そのストレッチという手法によって得られる筋肉の性質をより良い状態にすることができるのではないかと思い、今回まとめてみました。


書いてて思ったのですが、ストレッチって基本の基本ではありますが、
意外とちゃんと理解しているかというと、けっこう曖昧なところがあることに気づきました。

実際に身体を動かしながらストレッチについて大森と一緒に取り組みたい方はぜひご連絡ください。(https://largeforest.com/contact/

普段は新宿にあるフィットネスクラブで活動していますので、そちらの施設でセッションすることができます。(出張も承ります)


今後、個別のストレッチについては今後追記していきたいと思います。
(ある程度複数になったら有料化も考えています)
具体的に知りたい部位のストレッチがあればコメントやDMなどでお知らせいただけると優先的に作りたいと思います。

長文になりましたがご覧いただきありがとうございました。

お気軽に質問などお寄せいただければと思います。
(そしてnoteを今後もたくさん書きたいと思います!)



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大森タケシ🍀 人生100年時代の身体と思考づくり
アスリートでもなく、マッチョでもない、一般人視点って大事だと思うんです。 なかなか運動の第一歩を踏み出せない人に、身体、筋トレ、ヨガ、その他フィットネス界隈のことについて、日々の気づきをシェアすることで、何かしらのヒントやキッカケになれば幸いです。