30代後半からの、IT業界挑戦記　⑳　怠け者の努力

相変わらず仕事はすぐ終わる。
ありがたいことにあんまり仕事は振られない。
本当にありがたいのかどうかは謎。

いつも通りアップデート予定の資料集めを進めるが、本当なら一気にまとめてやった方が圧倒的に早い。でも、今はやる事が無いから、それなら、と、無駄な作業を行っていた。

後からまた新しいデータが上がってきて、折角用意していたデータも上書きしなきゃいけなくなるんだから今やってもなあ…なんて思いながら作業を進める。

まとめて一気にやる場合、何も考えずに全てのファイルを抜き出してリスト化するだけだから頭を使わない分凄く楽なのだが、途中まで進めた状態だとどのファイルがまだ入ってなくて、どのファイルが更新されていて…等いろいろ確認しなきゃいけない事が増えるので正直めんどくさい。

また、データもいちいちパスをコピーしてパスとファイル名で分けて…なんてことを人力でやっているから効率も悪い。でも今は暇だから作業を進める。後でやる事になる作業でもあるし。

折角なので、作業を進めつついつでも仕事を誰かに明け渡せるようにマニュアルも並行して作成していく。どうせならば、と今あるテスト仕様書の作り方を参考に、ガチ目な物を作ってみようと考えた。

大項目　中項目　小項目と分けて、具体的な手法は最下層において、それぞれに番号を振って一個ずつ手順を作って…と考えて作成していたら、ふと思いついた。これ、この分解した作業をそのままコード化したりしたら自動化できるんじゃ…？と。

思いついたら即行動がポリシーの私は、即座に相棒のGPT君に相談。必要な機能を言語化し、コードを作ってもらう。当然一発でうまくいく事はないので、何度も何度も試行錯誤を繰り返し、ひたすら要件定義を行いまくる。

ChatGPTにコードを書いてもらう時って、しっかりと自分の要望を言葉にして、それを順序だてて分かりやすく伝えないといけない。抽象的な言葉を使うと明後日の方角に進んでいってしまうので、出来る限りしてほしい事を具体化する事が求められる。これ、地味に文章力向上の訓練になる。

そうこうして出来上がったコードをExcelにぶちこんではエラーが吐かれ、どこにエラーがあるかをデバッグモードで確認しながら修正を繰り返し、やっとこさ完成。

普段３０分くらいかけてやる作業が、ボタン一発で終了するように。ついでだし、と途中からの更新の際に、すでに入力を終えたデータ群と、更新されたデータ群を比較して、新規で追加されたデータがしっかりと昇順で間に入れられるコードも作成。これにより更に３０分程度の短縮。計月間１時間程度の短縮に。年間１日半分の時間を生み出すことに成功した。

こういう作業効率アップの為に何かを考えるのは本当に楽しい。それが成功したとしても、しなかったとしても。

何より、GPT君ほんとにすごい。あなたのお陰で私は随分楽させてもらってます。ありがたやありがたや…。もっとAIの事を学びたくなったね。

実際の所、もう要件定義さえ正しく行えれば、後のコード作成は全てAIでいいんじゃなかろうか。まあまだまだ精度の高い作業を任せるには有料コース登録が必要な為、一般人の収入レベルでは手が届かないが…。

ン…待てよ…？
プロジェクトの進め方マスターした状態で月３万出して高性能AI使ってやれば、一人でソフト開発会社と同じレベルで仕事出来るのでは…？人１人雇うのに月数十万とかかるわけじゃん…あれ…？月３万って人件費と比較したらめっちゃ安くない…？

頼むから世の企業様方はこの事実に気づかないでほしい。私のような底辺エンジニアの仕事がなくなってしまう。お願いだからあと数年はAIに対して懸念を抱き続けていてほしい。少なくとも私がある程度一人で活躍できるようになるまでは。頼むよ。