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30代後半からの、IT業界挑戦記 ⑰ 仕事納め

基本情報に落ちてから早5日。

今日も次回アップデートに向けた準備を進めていた。

自分の勉強の仕方に問題はなかったのか、何が足らなかったのか等自問自答しながら日々PCに向かい仕事に向き合う。

さすがに3か月目ともなると慣れる物で、あっという間に準備作業が終わってしまった為、折角だから次回の試験対策も兼ねて中途半端な知識を固めようと勉強を始めた。

今回の試験とは関係なく、単純にネットワークに関する知識が足りていないと感じていたので、まずはどういう仕組みで成り立っているのかしっかりと理解する所から始める。

相棒のChatGPTと会話形式で勉強を進め、ある程度自分の言葉で整理が出来るようになったので、振り返りがてらまとめていこうと思う。

まず、クライアントがブラウザに対してWebサイトに接続する為、URLを打ち込む。すると、ブラウザはDNSサーバー(一般家庭で何も設定していなければ、ISPのサーバーに接続することになる)へURLに対応するIPアドレスを教えてほしいと要求。DNSサーバーからIPアドレスが返されたら、そのIPに対応したWebサーバーを探す。

見つかったWebサーバーに対し、暗号化を要求する。この形式をSSL/TLSと言うらしい。https://から始まるアドレスは大体この形式をとっているという事だが、今はもうどこのサイトへ行っても大体httpsだ。http形式のサイトは見当たらない。

TLSが現在の主流だが、古くからSSLがあった為か、今でも広く暗号化通信の事をSSL通信と呼ばれている為に、SSL/TLSと呼ばれるようになったんだとか。TLS通信でいいじゃない。

話を戻す。この暗号化方式は、次のような流れで進むそうだ。
①ブラウザからWebサーバーへ、暗号化方式を伝達
②Webサーバーはブラウザへ、SSLサーバー証明書を返送
③SSLサーバー証明書に入っている公開鍵を使用し、ブラウザが作成した共通鍵を暗号化
④暗号化したブラウザの共通鍵をWebサーバーへ送信
⑤暗号化された共通鍵を、Webサーバーの秘密鍵で復号
⑥共通鍵を使用して通信開始

うん、ややこしい。2日かけて何とか何も見ずに書けるくらいに理解できたが、本当に複雑。公開鍵で共通鍵を秘密鍵で共通鍵。これ自体がもう暗号

ここまで終えて、高速通信が可能な共通鍵での通信が可能になる、と。
そんでブラウザ側からデータを要求(リクエスト)し、それに対して画像やらコードやらscriptやらをサーバー側からブラウザへ返送(レスポンス)。
で、やっとクライアントはWebサイトを閲覧できる、と。

こんな複雑な手順を、わずか数秒の間でこなしているとは…。正直これまで試験勉強を暗記でやっていた事もあって理解が薄すぎた。しっかり理解すると、こうして安心して高速通信が出来るのは、こんな技術を確立してくれた先人のお陰なんだなって実感する。複雑な手順を踏むのはまだわかるが、それをこれだけ高速で行えるように設計したんだなあって思うと、ほんとすごい。

ここまでやって、わかった。俺全く勉強してきた事理解してなかったね?
試験に受かるための勉強しかしてこなかったんだな、と。
科目Aはそれでも受かるけど、それだけじゃダメなんだよって事を教えられた気分になった。だから俺は落ちたんだろう。

という事で、次回の試験はしっかり理解して説明が出来るようにした状態で臨めるように勉強を進めていこうと思う。その為に、この場を使おう。今回みたいになんか適当に学んだ事を垂れ流していこうと思います。

自分の為にな!!!!


んで。今日は仕事納めの日だった。
SESとして勤務している以上、社員の皆さんはお客様だ。であればお客様に年末の挨拶をしなければならないのは自明の理。

元々私は人見知りだ。
普段から顔を合わせている方に挨拶するのはなんてことないが、年末の挨拶ともなればほぼ接点のない方にも挨拶をして回らなければならないだろう。

正直な所、他のSES企業の方が挨拶に回っていなければ私も挨拶に行く気はなかった。しかし、だ。私よりも一回り近く年下の他SES企業の子たちがしっかり挨拶に回っているではないか。こりゃあ私も行かないわけにはいかない。

私は、本番に弱い。つまり、プレッシャーに弱い。偉い人と話をしようとすると頭がパニックになり何を自分が喋っているのかわからなくなる。
え、こんな奴がリーダーでいいの?うちの会社正気???

とにかく挨拶しないという選択肢は無くなった。同じ部署にいる同社SESの社員たちはどう動くのか…と暫く見ていたが、まるで動く気配はない。いいのかそれで?だとしても絶対自分だけは挨拶せねばなるまい。
自分が礼儀がないと思われるのだけは絶対に嫌だ

とりあえず終業ギリギリまで待つ。
17:00。とうとうその時は来た。どうしよう邪険に扱われたら。目も合わさず「あぁ…はい、お疲れ様」なんて言われたら。もう絶対立ち直れない。
でもだめだ。30後半にもなって礼節すら守れないなら何のために年齢重ねてきたのかわからない。

そもそも今までだってしっかりやってきたじゃないか。
社会福祉士として生活相談員やってた時だって、しっかり普段から接点のある事業所には自分から電話して今年も一年ありがとうございました、なんて挨拶してたじゃないか。それなのにこんな事で悩んでどうする。

そんな事を考えながら席を立ち、トイレへ行き身だしなみをチェック。
そしてそのまま自席へは戻らずに、お偉いさんの元へ。

すたすたと普段通らない道を通り、正面へ。
きっと私は相当緊張した表情をしてたに違いない。お偉いさんの顔が「え、何?何なの?」っていう戸惑いに満ちた表情してたもん。

しかし、お辞儀をして一言言葉を発した瞬間ピシっと姿勢を正し、朗らかな表情でこちらを見てくれた。よかった、しっかり目を合わせてくれた。それだけで十分だった。

「今年も1年…というにはまだ数か月ですが、それでもお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。」なんとか言葉を捻りだす。うまく喋れない。普段の自分から比べて10分の1くらいしか声量しか出てなかったんじゃないか。

それでもしっかり伝わったようで、きちんと丁寧に挨拶を返してくださった。お褒めの言葉も交えて。さすが大きい企業のお偉いさんは違う。褒めるのも上手い。

挨拶を終え、自席へ戻る。そしてそのまま、自部署の上司へ声をかけ、同様に挨拶する。今度はしっかり声が出た。よかった。

すると、同部署の方が私を取り囲むように集まってくださり、それぞれが私に労いの言葉をかけてくださった。ありがたい…本当にありがたい…。これだけでちょっと泣きそうになった。同部署の方からは私は戦力外でただのお手伝いと思われているんじゃないかって考えてたから。

そんな事はなかった。しっかり戦力の一人として数えてくれていた。何なら、「欠かせない存在です」なんて事を言ってくれた。なんと嬉しいことか…。

少しずつ、本当に少しずつではあるが、評価を頂いている。それがよくわかった。来年からも、慢心せずに誠実に与えられた仕事に向き合っていこうと思う。挨拶してよかった…

折角なので、日報を書く際に一言挨拶文でも入れようと思い、書き込む。
皆さんに対し、「良いお年をお過ごしください」と。

そして即座に返事が来る。「良いお年をお迎えください」と。

私はそっと、自分の打った文章を書き替えた。


「良いお年をお迎えください」、と…。

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