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30代後半からの、IT業界挑戦記 ⑯ vs基本情報技術者
本日。遂に試験日。
もう間もなく年も終わろうとしている頃。
世間でいえば、クリスマス期間真っ最中である。
今日は本番前というにも関わらず、非常に落ち着いていた。
それというのも、前日にやった模試で90%近く解けていた事もあり、これ以上は勉強してもパフォーマンスを落とすだけと思い、何も考えずに試験会場へ足を向けたからだ。
朝は8時半に起き、普段は食べない朝食を食べ、昼休憩対策にコンビニにより食物を買いあさり、余計な事は考えないで済むように落ち着いた心で試験に臨むように心がけた結果、全く緊張しなかった。
俺も慣れたもんだな…やっぱ3回目の試験ともなれば落ち着いていられるようになるんだ、と勝手に成長した気になっていた。前日までにこれだけ勉強を重ねてきたんだ、間違いなく俺は解ける、そう自信をもっていたという事もあるのかもしれない。
いざ、試験が始まる。
科目Aはまずは自分の確実にわかる所から解き、少しでも考えるような問題があれば全て後に回した。最後に見直しを行った際も、6割は確実に解け、あと4割は自信はないが自分なりに答えを導き出した。これならばいける、と残り5分の段階で早々に試験を切り上げて休憩へ入る。
休憩もさっさと腹に入れる物を詰め込み、早々に試験会場へ戻り、残り時間をスキップして素早く科目Bを解き始める。
まずは後半の情報セキュリティから確実に解き、その後プログラム問題へ挑む。元々難問は捨てるつもりで挑んでいた事もあり、2問ほど全く分からず勘で記号を入力してスルーした。その他の問題をじっくり解き、18問に全ての力を注ぐ予定でいた。
しかしここで欲が出た。
一通り解いた時点で15分残っていた。これだけ残っているなら解けるんじゃないか…そう思い、自分の中で難問指定していた問題をじっくり解き始める。すると、以外にも内容が理解できている事に驚いた。これならばいける。どうせだったら少しでも点数を伸ばしてやろう、と。
全ての問題を解き終えた時点で、残り3分だった。
3分程度ではどうせ何もできないし、自分の中では殆ど確実に解けたと思いまたもや早々に切り上げ、結果確認画面へ。合格を信じて疑わなかった。
結果。
科目A…675点
科目B…545点
「えっ…?」自然に言葉に出てしまった。
自分の中では、確実に解けていたつもりだったのだ。
全く合格を疑っていなかった。なんならこんな試験など通過点にすぎない、とタカをくくっていた。もうその時点で勝敗はついていたのかもしれない。
そう、私は「緊張しなかった」のではない。
「慢心していた」という事だった。
科目Bの、一通りの解き方を理解したつもりになって。
暗記じゃないから大丈夫、落ち着いてさえいれば解ける、と。
過去問は全て解き方を理解できていたから大丈夫だと。
更に、残り時間が3分程度じゃ何もできない、と見直す事すらしなかった。
もしかしたらその3分で、2問程度過ちを見つけだす事が出来たかもしれないのに。
また、プログラム問題でない情報セキュリティの対策も甘かった。
模試としてサンプル問題をいくつか所有していたのだが、それらを全てこなさず、公式の過去問にしか手をつけていなかった。これも油断である。
この結果は、全て私が、科目B、ひいては基本情報技術者をナメてかかったからに他ならない。
終わった後しばらくは放心状態だった。
基本情報技術者程度一発で通れるだろう、そんな天狗になった鼻を、思い切りへし折られた気分だった。
そうなんだよ。基本情報「程度」じゃないんだ。
立派な国家資格なんだよ。なめてかかっていい試験じゃなかったんだよ。
皆本気出して対策して、それでやっと合格点を上回る事の出来る、超難関ではないにしても、難関資格であることには変わりなかったんだ。
持っている人が多いからって、=簡単に通るわけじゃない。
いともたやすく落ちるのだ。本気で対策をしたから勝てる試験なんだよ。
全ての基本情報技術者取得者様に、ここに謝罪します。
私は基本情報技術者を舐めていました。
合格した皆様は、この試練を乗り越えて勝利をつかみ取っていたのですね。
あぁぁぁぁ悔しいなあ…あと2問…
難問をスルーする前提で考えていた事が裏目に出ていたとも言える。
難問を解けるだけの力を蓄えていれば、問題なく受かっていた。
事前準備の段階から、逃げる事前提に組んでいたことがそもそも間違っていたんだ。全部解けずとも、熟慮すれば解けるようにするべきだった。
思い返してみてもやはり、今回は慢心からくる敗北だと言える。
戦は、戦う前から勝敗は決まっている、と誰かが言っていた気がする。
まさに今回の試験は、それを体現していたように思う。
暫くはちょっと問題見たくないな…少し休もう。
今年は実家に一人で帰るので、その時に頭を冷やしながら、これからのやり方についてじっくり考える事にする。