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JAZZレビュー ケニードリュー ダークビューティ

ケニードリューはニューヨーク出身のピアニスト。メロディアスかつ優美なタッチで、ヨーロッパ及び日本で人気を集めました。

美しいアルバムです。ランアウェイのイントロの跳ねるようなピアノにワクワクして、アルバムを通して聴く楽しみが沸いてきます。アップテンポの曲ですが、しっかりとビューティフルなところが流石です。ヨーロッパや日本で人気があったというのも納得できます。王道JAZZのヘビーさが薄れて爽やかな演奏になっています。

二曲目のダークビューティ。威厳がありながらも、しっかりと美しい。コルトレーンのラブサプリームを思い起こさせるような入りです。そしてピアノの旋律が暗闇を上手に表現しています。


三曲目のサマーナイト。落ち着いたピアノの演奏が印象的です。ケニードリューの繊細な心と夏の夜。こんなにも美しいとは。

次のオールブルースで雰囲気は一変します。楽しみが溢れる、またバンド感を重視したサウンドになります。王道のJAZZのようにヘビーな感じは全くなく、あくまでもケニードリューの煌びやかなピアノが主役です。やっぱりヨーロッパで人気がある理由が分かります。途中にドラム、ベースが主役に入りますが、何度も言いますがヘビーなところは一切なく聴きやすいです。

次のフェリシデイド。ベースがどんどん前に出てきます。ピアノはなにか楽しげです。


イットクドゥハップントゥユーでガラッと雰囲気は一変。美しさを存分に披露してくれるケニードリューに感謝です。テンポも早く非常に聴きやすい曲に仕上がっています。

次のラブレターズ。複数形なのが気になりますが。軽快なJAZZになっています。ここら辺まで聴いてくると脳が気持ちよくなってきます。


シルクボサ、ベースから始まりピアノとのコラボが続きます。もうとにかく気持ちいい。ジャズピアノの煌びやかな側面が押し出されている。ケニードリューのピアノの特徴として非常に軽快なタッチがあげられます。それが聴きやすさを保っているのではないでしょうか。


このアルバムは、そこまでヘビーなジャズは聴けないという方のマスターピースになり得るかもしれません。

出典 JAZZPIANO 原田和典監修

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