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警察出動の巻

皆様こんにちはこんばんは。

もう何年も前のことですけど、
番組のスタッフさんと飲みに行っていると、私の携帯に仲の良い後輩から着信が来ました。
まさか、その時は数時間後にこんな事件が起きるとは全く思っていませんでした。

後輩「もしもし、いまどちらにいますか?僕、女の子2人と飲んでるんですけど、来てもらえないですか?」という電話だった。
私もたった今、仲の良いスタッフとのささやかな忘年会をスタートさせたとこだったため、そのときばかりは後輩に申し訳ない気持ちで断ることにした。そして何より寝不足もあり寝たかった?

数時間後、また携帯に同じ後輩からの着信が…「もう終わりましたか!?なんとか来てもらえないですかね?」
開始から2時間は経っていたが、体力的にも精神的にも行く気にはなれず、ここでも断る。

数十分後、また後輩から「何度もすみません、なんとか来てもらえないですか?」
こんなにしつこく、連絡してくるのも珍しい、何かあるの?と若干心配になりながらも、断る。

そしてまた、「なんとか来てください!お願いします!」と懇願されたのだ、この数時間の間に6回も誘われる。
あまり後輩からこんな熱烈なオファーを受けることもないし、もしかしたら何かトラブル的なことがあったのか?いや…誰かが私をハメようと後輩を使って呼び出そうしてる可能性もある。変に悪い勘ぐりをしながらも、重たい腰を上げて後輩の元へ向かった。

指定された場所に着くと、初めて会う女の子2名と後輩だけ後輩曰く1人で女の子2人を相手するのがしんどかったというシンプルなSOSだった。

女の子に挨拶をすると突然横にいた女の子が私に口移しでハイボールを飲ましてくる!

やば!こいつ!と思いつつも、9割ラッキーと思っていた。

その様子をスマホで撮る後輩、、記録に残されるからにはしっかりエピソードだけはつくって帰ろう!そう思っていた。そして早く帰って寝たいとも思っていた。

すると後輩が「ぼく帰ります!良かったらこの後飲み行ってください!」という、来てすぐの出来事だった。

女の子の1人が電車がないから朝まで飲みたい!と言う、ただノリのやばい女と2人だけは嫌だったので、女の子2人でそのまま私の家に来て飲むことになった。
1人の女が、「私家に荷物だけ置いて行きたいから先に2人で行ってて!すぐにタクシーで追いかけるから!」
は?近いなら泊めたれよ!と思いながらもタクシーで自宅へ向かった!

※改めて、この時点で下心は全くなかったと言うことだけはご理解ください。

先に、私と女の子が家に着く、部屋で数分休んでる間にすぐに女の子から連絡がきた。
私のマンションの下までタクシーに乗ってきたが家に財布置いてきてしまったからタクシー代を払って欲しいという内容だった。
マンションの下に停まっていたタクシーの支払いを現金で済ませ、3人でコンビニにお酒を買いに行った。

かなり酔っていたが、会計のときに
7千円を超える買い物をしたことだけはっきり覚えていた。
ここの会計も現金で支払っている。

その当時はまだ、今ほどキャッシュレス化が進んでおらず、なぜか多めに現金を入れていた。

部屋に戻り3人で乾杯!
すると、私の家にも関わらずやたらと寝ることを推奨する女子2人。

めちゃくちゃ酔ってはいたが、何かとても怖かった。ただもう、眠い眠すぎる。

脱衣所で寝るための部屋着に着替えて、いつ寝落ちしても良いようにと当時使っていた長財布を洗濯機の上に積んであったバスタオルの間に隠して部屋に戻った。

しつこいくらい寝ること推奨する女子2人。
すると、後からタクシーで来た女の子がメイクを落とすため脱衣所へ。

なかなか戻ってこない、、怪しい。

睡魔と戦いながら、寝落ちする前にようやく出てきた。不安に思い、脱衣所に入り洗濯機の上のバスタオルに隠した財布の中身を確認した。


お金が消えていた………。


腎臓の鼓動が聞こえてくるのがハッキリわかった。
脱衣所の窓から朝日が差し込む。
脱衣所の鍵を閉め、後輩にラインを入れた「おい!お前の呼んだ女に金盗まれてるわ!!」

しかしまだ、朝の6時既読が着くはずもない。

タクシー代を払ったときに、
10万の束を財布の中にわかりやすくまとめていたのをしっかり見ている。
コンビニではその束を崩し1万円を使って7000円の支払いをした。

つまり財布の中には、現金で9万3000円ほどが入っている。
財布の中には2万円しか入っていない。。

酔いは一気に覚め、眠気も忘れ青ざめた。

ほんの20分前には財布にあったお金が、あの女が脱衣所に入った後に消えている。

怖い、怖すぎる。証拠もないし、盗んだか?と詰め寄っても、知らないと言われて終わる。

どっちにしても、高いエピソード代だぁ、、、

部屋に戻り、盗んだとみられる女子の隣で何事もなかったかのようにベッドに腰をかける、項垂れ下を見ると…。
ベッドにもたれ掛かって、テレビを見ていた女の子のワンピースのポケットに
お札の束が二つ折りになって入っているのを発見した。

えっ??やば!!!
お金入ってる!!!
どうしよ!?パニック!
もう無理か?
いや、、取り返した方がいいよな??
葛藤する。

よし!覚悟を決めた。

私も床に座る、その瞬間…
万引きババァのスピードでポケットに手を突っ込みお金を抜いた…

険しい顔の女の子が「はぁ?なにしてんの?私のお金なんだけど??」と激昂している。
第一声がこれ、もう異常です。

こんな訳のわからない事件に巻き込まれたことがない私も、アドレナリンがだだ漏れだった。

『いやいや、お前が財布を忘れたからタクシーで来たっていうのはなに?おれの財布から7万3000円なくなってんねん!』
「タクシー代払い言い訳に決まってるじゃん!」
『女の子が直で、こんなにお札入れるか??』
「お財布持つのめんどくさかったらだし!返して!もう弁護士に連絡するから!!」

『弁護士に電話するやつ警察密着24時で大抵犯人がするやつな!!!警察から職質受けて、犯人確定のやつ大体先に弁護士に連絡するから!って言うてるわ!』

ポケットの中にはピッタリ7万3000円!!
その当時は返しも含めて決まった!!
圧倒的に私が押している!!

畳み掛けるように
『本当にお前のお金だとすれば、俺の指紋が出て来るわけがない!指紋検査されたら終わりだーー!』
なんてことを言ってしまった
「はぁ?今、あんた触ってんじゃん」

恥ずかしい……
犯人を追い詰めたと思った…
おもいっきりお金を掴みながら声高々と自信を持って言ってしまった。

思わず目を後ろに向けると

もう1人一緒に来た女の子は、ベッドの上で号泣している。
なんで泣けるの??

「もしもし、ちょっと私のお金なのに盗んだとか言われてんだけど弁護士呼んで!」
激昂している女の子が誰かに電話をしている。
よく朝6時に電話に出てくれるやつがいるな…
おれの後輩も起きててくれよ…

お前ら弁護士呼ぶなら警察呼ぶわ!
と言うことで110番に連絡。

突然、お金を盗んだであろう女が「帰るからタクシー代ちょうだい!」と半泣きで詰め寄ってくる。
『もう始発あるから電車で帰れるから!』
「あんたに取られてお金ないから!」

なんてやり取りをしていると、警察官が到着。
2名の警察官が狭い部屋の端に僕らを分けて事情聴取をはじめる。

すると、警察官からここではなく署の方に移動しようと言われ
女の子たちとは別々でパトカーに乗せられ
警察署に到着するとまず、
全身のボディチェック
床に白いガムテープを貼り出すと、
ここを真っ直ぐ歩いてください!と指示され
多くの刑事たちがいる中での歩行テスト。
どんだけのお酒を何杯飲んだのか?などなど
一応、敬語で接してはくれるが、今のところ私が犯人として見られてる気がしてならない…。

そして取り調べ室のような部屋で、
女の子に何か性的な行動はしていないか?
家で何をしてたのか根掘り葉掘り聞いてくる。

序盤のハイボール口移しのことも含めて全てを話す。

スマホを家に忘れてしまい時間もわからない。
取り調べを担当する刑事が、部屋から出たり入ったりを繰り返す。

何時なんだいま?
今日は月曜日、会社にバレたらと思う不安もあり体感で2時間以上が経過したとき、刑事が部屋に入るなり手を一回拍手のように(パンッ!)軽い音を立てながら「ご提案なんですけど、今回の件なかったことにしませんか?そしてこのことは、誰にも他言しない!」という提案をしてきた。

『お金は??どうなります??』

「お金はそのままお持ち帰りください!まぁ証拠がないんで……あれですけど、盗られてます!でも、女の子に何か悪戯をしてたら完全にアウトでした!」
やってそうでやってなかったヤツ!みたいな言い回しに聞こえた。

白紙の紙に、念書というタイトルで警察官が話す言葉のまま、文字を書いて行く。

そして、無事解放された。

タクシーでようやく家に戻ると、泥棒が入ったのか?と思うほど散らかっていた

脱衣所の鏡裏の棚に置いていた、新品のコンタクトレンズや未来の彼女が来たことを想定して準備をしていた新品の化粧水、いろんなものがなくなっていた。

慌てて、先ほども警察署に連絡を入れる。
電話の向こうでも慌てる様子の警察。

しかし、
「すみません、帰らしてしまいました」と決定的証拠を掴むことができなかった。

つけっぱなしだったテレビを見ると朝の9:00だった、、
会社に行き、今朝の出来事を後輩に報告。
平謝りする後輩に、大丈夫!と返すのが精一杯だった…。

その日の夜、僕はいろんな人に今朝のことを話した。

そして、身近に全く同じ体験をしている子がいて握手をした。
そこに言葉は必要なかった。
これが"絆"だ。
♪友よ〜この先もずっと…/ケツメイシ
※いまBGMとして薄っすら流れてます

一時、マナーの悪い女子大生の中で流行していたらしい。
同じ手口の犯行を繰り返してたみたいだ。
モテないやつに訪れた、突然のラッキーハイボール。
そのときから、こいつはチョロいとターゲットにさせられてたんだと思います。
急に日常と違うことが起きたときには決して浮かれたりはしゃぐことはおすすめしません。

まだまだ、暑いです。
川や海で遊ぶ方は、水の事故に十分注意し楽しんでください。

#ピンチのチャンク
#人生
#失敗物語

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