天皇賞(秋)(GⅠ) レース考察と期待の穴馬
1.秋の古馬GⅠ戦線本格化
秋の東京開催も今週で折り返し地点。
天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念と続く古馬中長距離路線は競馬ファンなら最も注目してしまう戦い。
その1戦目の天皇賞(秋)の出走メンバーはやはり豪華の一言。
去年の三冠牝馬リバティアイランドを筆頭に、イクイノックス世代のダービー馬ドウデュース、春の天皇賞馬ジャスティンパレスに善戦マンのダノンベルーガ、昨年のクラシック世代からは皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラに大阪杯を戴冠したベラジオオペラにルメール騎乗で覚醒した感があるレーベンスティール、その他も重賞戦線の常連が殆どの多彩なタレントぞろいのレースで非常に楽しみにゃ。
2.天皇賞(秋) レース考察と期待の穴馬3頭
展開的には、枠の並び次第のところもあるけれどホウオウビスケッツかノースブリッジが主張して、その後ろにシルトホルン・ベラジオオペラあたりが続くか。中団にリバティアイランド・レーベンスティール・ドウデュース・タスティエーラあたりが固まり、後方にダノンベルーガ・ソールオリエンス、ジャスティンパレスが続くような隊列。
色々な人が書いているけれど、天皇賞秋は基本的に本命サイドの堅い決着が多いことと、上がり上位3頭くらいまでの脚が使えるのが好走に必要な条件。特に今年は一昨年のパンサラッサ、去年のジャックドールのような強力な逃げ馬がいないので、この2年よりは前半のペースが緩く前半は58秒台後半から59秒台のペースで後半が57秒台に突っ込むくらいの後傾ラップが刻まれそう。
となると、後半の1000mを速く走れる能力がポイントになってくるのかなと思うのだけど、この能力だと最有力はリバティアイランド。
印象深いのが新馬戦で記録した最後の6ハロン31.4秒。時計が出やすい夏の新潟開幕週とはいえこの時レースそのもののラスト1000mが57.6秒、ラスト600mが32.0秒で全て10秒台の究極の末脚勝負!それを楽々差し切ったリバティアイランドは化け物のひとこと。
実際、今までの国内7戦の上がり600mの平均が33.5秒と出走馬では断トツ。恐らくそれに続くのがダノンベルーガで33.8秒、こちらは一昨年の札幌記念が特殊過ぎる馬場を考慮して除外した数値だけれど、それでも、並み居る古馬を差し置いてのこの上がり平均の数値は驚異的。参考までにイクイノックスが国内で走った9戦の上がり600m平均が大体34秒前後。
それに、去年のジャパンCを物差しとすると、6着ダノンベルーガと7着ヴェラアズールが前年のJC3着と1着で2頭とも前年より走破時計縮めたけど着順は下。
2着リバティアイランドは6着ダノンに0.7秒差と去年の時点で明らかに上位な訳で、リバティの成長を加味すればダノンレベル以下の馬に勝つチャンスはまず無さそうにゃ。
競馬はこんな比較で簡単に決まらないのはわかっているけど、リバティアイランドが普通に出てくれば馬券圏外に飛ぶとは全く思えず、今回は相手探しの一戦で良いと思うにゃ。
想定オッズはネットケイバさんのものを参考にしているにゃ。
(1)ベラジオオペラ(想定オッズ4番人気9.7倍)
期待の穴馬1頭目は宝塚記念3着からの参戦ベラジオオペラ。
4番人気を穴馬と言ってよいかはちょいとビミョーなところだけど、GⅠ馬になってもなかなか評価が上がらず、今回も4番人気であれば、妙味ありではないかと思うにゃ。
クラシック戦線では3戦3勝でスプリングSを制して乗り込んだ皐月賞は極悪馬場に泣かされて10着も、次走ダービーは9番人気まで人気を落としながらも、33.0秒の末脚であわや馬券内の4着に好走。
その後、菊花賞はパスしてチャレンジCで復帰すると京都記念2着を挟んで大阪杯でGⅠ制覇。
今回も出走する同世代のクラシック馬タスティエーラにソールオリエンスが古馬と対戦するようになってから苦戦が続いたのとは対照的に、古馬との闘いに入ってから4戦全てで馬券内好走と成長力を武器に今のところ4歳世代では最も実績を持っているのに、何故か今回も4番人気。
前走の宝塚記念は後半1000mが重馬場の中58.1秒、残り800mからは全て11秒台とタフさと速さを求められる中、早め先頭にたっての3着で厳しい展開の中一番強い競馬をしたのではないだろうか。
そして、何といってもドウデュースとジャスティンパレスといったイクイノックスと好勝負を演じたお馬さんを曲がりなりにも倒しているし、前述の同世代クラシック馬2頭も倒しているので、見方によっては現4歳世代最強馬といったところ。速い上がりへの適応もダービーで示しているので、リバティの相手には必ず勝っておきたいお馬さんにゃ。
(2)ジャスティンパレス(想定オッズ6番人気 16.7倍)
期待の穴馬2頭目はジャスティンパレス。
去年の天皇賞(秋)でイクイノックスに続く2着に入ったにもかかわらず、今のところ想定6番人気に留まっているのは不思議なところ。
一番の理由は前走の宝塚記念で見せ場なく10着に敗退したところ。
正直、この敗戦は遠征帰りによる体調万全ではなさそうだったのと馬場を苦にしていた可能性が高く度外視できそうで、この一戦でここまで人気を落とすなら妙味ありと思うにゃ。
確かに適性距離はもう少し長めの距離と思うけど、ディープインパクト特有の切れのある末脚は去年の天皇賞で証明済み。休み明けも過去6戦2勝1連対で連対率5割なら苦というわけでもなく相手には必ず入れたいお馬さんにゃ。
(3)ダノンベルーガ(想定オッズ11番人気 24.3倍)
穴馬3頭目はダノンベルーガ。
最後の勝鞍は3歳時の共同通信杯でその後は掲示板こそ外さないものの、それ4よろしく4着4回と善戦どまりが続いているダノンベルーガ。
とはいえ、今回の出走メンバーに入ると戦ってきた相手のレベルの高さが目立つのも事実。そして、今回の展開で想定されるような極端な後傾ラップで
求められそうな33秒前後の上がりの実績を持つ数少ないお馬さんであることも事実。3着に飛び込んできた一昨年の天皇賞ではイクイノックスの32.7秒に次ぐ上がり2位の32.8秒を記録した実績が物語っているように、乗り方ひとつで善戦マン以上の存在になれる能力はありそう。
そして、今回最大のセールスポイントは鞍上にデムーロ弟を配してきたこと。既にJRAで195勝していて、今回の来日で200勝のセレモニーを飾っていきそうな中、想定オッズとして、キングズパレスやノースブリッジよりも人気薄なら、猫としてはダノンベルーガを買いたいにゃ。
3.まとめと予告
正直、馬券内はリバティアイランドは確定、残りはジャスティンパレス、ドウデュース、ダノンベルーガの5歳勢が少なくとも1頭食い込んで、残りの1頭に4歳勢のどれかが絡むような結果になると見ているにゃ。
ただ、水曜日以降週末にかけて曇りと雨のマークしかついていないので、馬場状態によっては上がり勝負ではなく持久力戦になる可能性もありそう。
ただ、持久力戦って実力差が大きく出るだけに、よほど道悪が苦手と確信がなければ、今の想定上位人気は信用できると思うにゃ(そういう意味で馬場が悪くなった場合はジャスティンパレスはかなり割り引く必要がありそうにゃ)。
一番悩ましいのはレーベンスティール。
今回の出走馬との対戦実績から言えばソールオリエンスとなら好勝負したとまでしか言えず、直近2走の勝ちっぷりが鮮やかとはいえ、対戦相手のレベルは今回とは比較にならないくらい低いので、ルメール騎乗による過剰人気とみるか、覚醒して今回のメンバーでも好走するのか判断しにくいところ。
今のところは◎リバティ〇ドウデュース▲ベラジオオペラ、△以下はここに名前を出しているお馬さんを中心に検討することになりそう。
日曜日当日にはいつものとおり予想指数を午前中にアップするので参考にしてほしいにゃ。
この記事見ていただいた方のお役に少しでも立てればうれしいにゃ。
今年のクラシック最終戦、みんなで楽しみに待とうにゃ。