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2025 J3 第1節 奈良クラブ×福島ユナイテッド

不正解は無意味を意味しない

ロートフィールド奈良
春の風に乗せて
開幕の鼓動

5位という好成績を収めた前年の福島ユナイテッド
しかし主力が抜けた
大関選手と塩浜選手
穴は大きい

この日のスタメンに新戦力は3人
試されるのは2年目の監督の手腕
同じキャンバスに新しい色を塗れるか

結果は
奈良クラブ 2-2 福島ユナイテッド



戦術スタッツ


2点リードの優位を活かせず引き分け

清水選手が10分
樋口選手が13分

わずか3分の間に築いた優位
崩れるのもまた一瞬

「予想以上にアグレッシブで難しいゲームになった」
寺田周平監督は言う

試合の基本的な構図として
福島がボールを保持し
奈良は3-4-2-1から
積極的なハイプレス
福島のビルドアップを崩壊させる戦法

初期配置:奈良3-4-2-1 福島4-3-3

奈良は1トップ、2シャドーの3人で
福島の2CBとピボーテ(⑦針谷選手)をマークする戦術
しかし、マークの曖昧さ
針谷選手に空間を与えられた
そこから福島が攻撃の起点を作って前進を試みる展開が見られた

後半
奈良はプレスの体系を整備
3-4-1-2に可変
1トップがピボーテを
2シャドーがCBを抑える

後半奈良はプレスの体系を整備。3-4-1-2に可変。

福島の対応策
GKを積極的に活用したビルド
RSB㉘鈴選手の「偽SB」
だが最後の扉は開かなかった

福島としては奈良を3-4-1-2として認識し
それに対応する戦術を取る必要があった
3-4-2-1からプレス時3-4-1-2に可変するチームは多い
昨年何度も苦しんだ

改善策を考察

3-4-2-1(3-4-1-2)の弱点はサイドにあり

3-4-2-1(3-4-1-2)はサイドプレーヤーがWBのみ
このスペースを活かすことが必要

赤がこちらの数的優位 青が数的同数

たとえば3バック化することで数的優位となる
3バックからの持ち運びからサイドへ展開が1つのプラン
対角フィードでもいい(これやるんだったら鈴選手がLSBだよな)

そして相手WBに迷いが生じる
「前進して捕まえに行くか でも後方のWGが気になる」
(ピボーテが降りるパターンもあるが、
この場合、既にマークが付いてるので悪手である)

対応策:3バック化

「選手はチャレンジを繰り返したことで
色々なことが見えてきたと思います」

監督の言葉に
この試合の本質が隠されている

「ちょっとしたミスから慌てて2失点」
新キャプテンは言う

慌てる
それは見えない敵
得点という高みから落ちる時
最も警戒すべきは自分たちの立ち位置

「次節は勝つしかない」
主将の言葉は短い
でも重い
シンプルな言葉こそ
真実を映す鏡

ポジティブな要素もある
清水選手の覚醒の予感
新たな戦力が刻んだ足跡

まだ見ぬ景色を求めて
物語は続く

2点リードして勝てなかった
形だけ見れば
勝ち点3から1へ
後退したように見える

「不正解だとしても無意味ではない」

負から正を見出せるか
それがサッカーという旅の本質

寺田監督はこう締めくくった
「さまざまな収穫を得られた試合」

開幕の引き分け
終わりではなく始まり
それが何かを知るということだ


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