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東急・東京建物・三井不動産3社合同で、「生理用品のトイレ設置をきっかけにみんなのよりよい社会を考えよう」セミナーを実施しました!

みなさん、こんにちは。わたしの暮らし研究所の沢田です。
2023年2月某日、夢の大手デベロッパー3社合同セミナーが叶いました!

その名も・・・

です!!

実はこの度の実証実験プロジェクト。3社で少しずつ違う条件で展開していました。東京建物さんではスチール製躯体。そして、東急さん、三井不動産さんでは塩ビのケース「せりぽん」で実施。

各社がなぜこの決断をされたのか、どんな検証結果が得られたのかを紐解いていきます。

パネラー

3社のLAQDAプロジェクト参加について

LAQDAプロジェクトに参加した実証実験・イベントについて、3社のみなさまに聞いてみました!

東急さん|実証実験、キックオフイベントを実施した感想

沢田:東急さんでは、実証実験をする際に、キックオフイベントと称して、イベントを実施されていましたよね。セミナーの反応はいかがでしたか?

小暮さん(以下、敬称略):2つ大きく思ったことがありました。ひとつは、シンプルに生理用品がトイレにあると使いやすいということです。ポーチを持ってトイレにいく時に周りの目が気になるという声があり、トイレに設置されていることでそういった懸念がなくなるのだと思いました。もうひとつは、使わなくても「トイレに行けば生理用品がある」ということが心理的安全性につながるということです。

また、少数ではありますが、男性から「このような縁でもなければ、生理の話ができないので、女性の大変さを認識するよい機会になった」という意見もありました

東急本社での生理用品設置風景。左・中央:女子トイレ、右:多目的トイレ

沢田:イベントは素晴らしかったですよね。オンラインでの実施となりましたが、イベントの最中でもコメントが多く入り、みなさんの関心の高さが伺えました。既に実証実験を実施されていた、東京建物の猪俣さん、髙橋さんにもゲストにお越しいただき、みんなで盛り上がりました。

東急さんキックオフイベント(ゲスト:東京建物 猪俣さん、髙橋さん)

東京建物さん|スチール躯体で実証実験してみた理由、結果

沢田:東京建物さんには、2021-2022年もスマホで動くIoT躯体で実証実験にお付き合いいただいておりました。過去に実証実験を実施していることで、すでに生理用品がオフィストイレに必要だとの認識になっていましたが、今回スチール製の躯体での実証実験を希望されたのはどうしてですか?

猪俣さん(以下、敬称略):いろんなビルに展開していくときに、ビル運営の観点からサービスとして提供していく際にどのような設置がよいのかを検討したいと思っていました。そして、重めの躯体を使うことで、ケースの持ち去りを防ぐことができると考えていました。

でも、実際に設置をすると、社内でいろいろデザインにこだわりたいという声も出てきました。それはよいのですが、一方で、新しい商品を製造開発するのにはまだまだ時間がかかりそうだとも思いました。時代の変化を考えるならば、スピードを優先し、早急に設置を進めていく必要があると思います。今日みなさんの話を聞いて「せりぽん」でもいいなと思い始めました(笑)

沢田:そうなんです。スチール製の方が頑丈で長持ちしますが、企画開発〜量産まで結構時間はかかると思います。でも、まだマーケットが大きく示せているわけではない、今の段階では、簡易的に設置ができた方がたくさんご意見が集められると思います!

今後、LAQDAが全力でサポートさせていただきますので、是非補助金事業が終わっても実施しましょう!

三井不動産さん|テナントさんからあがった、生理用品設置の要望

沢田:山田さんから最初にお問い合わせをいただいた際、「スチール躯体がよい」とご希望をいただいておりました。これが「せりぽん」でもよい、となったのはどうしてですか?

山田さん(以下、敬称略):方法にこだわっていたわけではなく、たまたま見た躯体のみの取り扱いだと思っていました。テナントさんから『生理用品を置きたい、置かせてもらえないか』という声が高まっており、オフィスビルのサービスとして検討するために、生理用品を設置するためのケースを探していました。

沢田さんから提案された「せりぽん」は簡易なんですけど、すごくかわいくて、お手洗いの横に置いてあっても違和感がないと感じました。大がかりな設置設備だと意思決定に時間がかかってしまいますが、「これだったらすごく簡単に導入できる!」と思いました

三井不動産本社 左:男子トイレ(パネル設置のみ)、右:女子トイレ

西田さん(以下、敬称略):DE&Iや女性活躍をどう推進していくのかということが、社会的にも課題になっています。女性の働く数も増えている一方で、女性がかなり我慢している状況があり、それが当たり前という現実があります。私たちとしては、テナントさんに直接的には「快適にオフィスで過ごしていただけるようにしたい」と考えています。そして、間接的には「この施策の延長として、これをきっかけにいろんな『言いづらいこと』の会話ができるようなればいいな」と思っています。

他にもたくさん話しづらいことがある中で、「あの生理の話は、これをきっかけにすごく話やすくなった」ということが生まれると、同じように「こっちの課題も話ができるんじゃない?」という流れになるのではないかと期待しています!

沢田:そうですね。本質はそっちだなと思っています。生理用品の設置の課題はあくまでも眼に見えるわかりやすい事象のひとつだと思います。生理用品の設置を討議することを「きっかけ」に各所の対話が生まれ、他の問題を解決できるようになりたい、それがLAQDAの願いです。

髙﨑さまは、実証実験で印象に残ったことはございますか?

髙﨑:今回、トイレに2−4種類の生理用品を設置しました。その中には、オーガニック商品もあり、試してみたら自分に合うものもありました。いつも自分では使ったことがない商品を自由に試すことができたので、他の人と「これ、よかったよ!」など女子トイレで会話が盛り上がることもありました

沢田:そうなんですよね。女子トイレで生理用品設置きっかけで生理の話ができるのは、わたしたちが実現したいことのひとつです

海外だと集合トイレに1つ生理用品ディスペンサーがついていたりしますが、個室ではなくみんなに見えるところにあることで、生理について「みんなも同じ経験があるものだ」と語りやすくなるようです。

過去に東京建物さんにご協力いただいた実証実験では、一度調査を行った上で、そのアンケート結果を見ながらもう一度回答いただくというフィードバック調査を行いました。

「女性のアンケート結果を見て、思ったことや驚いたこと、考え方が変わったことがあれば教えてください」と聞いた設問に対しては、80%もの人が「みんな同じ悩みを抱えている」と回答していました。(※)

生理の理解を求めると、ジェンダーの問題として扱われることが多いのですが、実は同じ問題を抱えている人同士が手を取り合いづらい環境におかれていることが課題のひとつだと思っています。この施策を通じて、当事者同士の会話が多く生まれてくれることを願っています。

未来の働く環境はどうあるべきなのか

沢田:今後の方向性やあるべきビルの構想があれば、教えてください。

小暮:実証実験をやってみて、ないよりも絶対にあった方がいい。各所において課題はあるのかなと思っていますが、どこまで管理者側が腹をくくれるかなというところはありますが、生理用品についてもいつでもどこでも気軽に手に入れられるような世の中になったらいいなと思いました。

猪俣:最近は、学校や行政でも生理用品を無償設置するケースが増えています。その中で新社会人たちは「なぜ企業に就職したら生理用品がトイレにないんだろう」と思うことになるのではないかと思います。彼らにしてみたら、採用の際、企業を選ぶ条件にもなるのではないかと

わたしたちは創業が八重洲ですが、三井不動産さんは日本橋ですし、例えば、八重洲から日本橋からどこのビルに行っても、そういう取り組みがされていて、「この街って働きやすいね、過ごしやすいね」と思われるようになりたいですね。そんなまちづくりができるといいなあ、と思います。

沢田:「まちづくり」、それはとてもいいですね。

西田:そうですね。みんなと一緒に!生理用品がどこでも手に入れられると1ユーザーとしてもとても便利になると思います。ビルによっては意思決定の関係者が多いところもあるので、一筋縄ではいかないところもあるとは思いますが、要望が高いところから進めていきたいと思っています。

さっきお話にあったスチール製の躯体なのか、塩ビの躯体なのか、というお話もありますが、いろんな選択肢が広がるのがいいと思っています。多様な選択肢があると、導入する方が選べて、設置が実現する確率が上がるんじゃないかなと思っています。

沢田:はい。選択肢はとても重要です。LAQDAは、今まで話題にも上がってこなかった、生理がある人たちに寄り添うことが入り口です。しかし、このノウハウで他の「言いづらい」問題も解決できるようになり、社会に貢献したいと考えています。

沢田:まだまだ語り足りないですが、お時間です!
今回はここまでとして、また今後もこのような機会を作っていければと思っております!

イベント終了後は、カメラに手をふって閉めました。

最後は登壇者のみなさまとパチリ★
ご登壇いただきました東急 小暮さま、東京建物 猪俣さま、三井不動産 山田さま、髙﨑さま、誠にありがとうございました!

※ 注釈引用
企業を巻き込み、IoTケースで生理用品設置を実施した結果~"みんな"の力の借り方の検討~

📎 関連URL
三井不動産本社のみなさまと生理用品ケース「せりぽん」組み立て会を実施しました!

📎 主催・協力・会場
主催:わたしの暮らし研究所株式会社
会場提供:三井不動産株式会社 ミッドタウン八重洲
ご参加者:
・東急株式会社 小暮さま
・東京建物株式会社 猪俣さま
・三井不動産株式会社 西田さま、山田さま、髙﨑さま
撮影:加藤 康

*本イベントは、経済産業省 令和4年度 フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金の支援を受けたものです。
https://www.femtech-projects.jp/ 

📎 経済産業省 令和4年度 フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金について
働く女性の妊娠・出産や更年期等ライフイベントに起因する望まない離職等を防ぐため、女性特有の健康課題は、女性本人だけではなく企業や社会全体で共に解決していくアプローチが欠かせず、その方策のひとつとして、フェムテックの活用が期待されています。経済産業省は、令和3年度より「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」を立ち上げ、このようなアプローチを通じて女性の就業継続を支援し人材の多様性を高めることで、中長期的な企業価値の向上を図ります。


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