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Trip|私のフィンランド探訪記 〈03.初めてでも大丈夫!食べ歩きで楽しむフィンランド旅〉
フィンランドの美しい自然とデザイン、そこに暮らす人々に魅了され、その魅力を発信する活動を行うイラストレーター・フォトグラファーの入海ヒロさんがお届けする、“読む”フィンランド旅。食欲の秋!ということで、9月と10月は、ヒロさんに食にまつわるお話をご紹介いただきます。
フィンランドに行ったら、素敵なカフェでゆっくりと、街に溶け込んだようにひとり時間を過ごしてみたい。おしゃれなカフェやレストランを検索してはマップに登録。行ってみたいリストが膨らみます。
だけど、いざ行ってみると、初めてのお店に入るのは緊張するし、少しの勇気が必要です。メニューは理解できるかな、ちゃんとオーダーできるかな、どの席に座ればゆっくりできそうかな。そんなことを考えながら、店内を覗いたり、前を行ったり来たりして。
そこで今回は、少しずつ緊張をほぐしながら楽しめる、私の初フィンランドひとり旅・食べ歩きステップ体験談をお届けします。
街に出掛けよう
街に出て、まずはテイクアウトをしてみることにしましょう。映画「かもめ食堂」にも登場する「Hakaniemen Kauppa Halli(ハカニエミマーケットホール)」へ向かいます。広々とした空間にいくつものお店が並んでいるので、ブラブラしながらお店を選ぶことができ、「お店の扉を開けて入る」というハードルを感じずに、観光客でも入りやすいのが嬉しいところ。
ここで出会ったのがグルテンフリーのスイーツ店、「keliapuoti(ケリアプオティ)」。ホールの奥の方にありました。ブルーの壁が目印のお店です。オーナーは持病があり、小麦を食べることができなかったため、自分でグルテンフリーのスイーツを作り、お店を開いたのだそう。こちらのシナモンロールはぐるぐると巻いた部分がくっきりと出ていて、これぞシナモンロール!という印象。
ショーケースにはケーキやドーナツ、季節のフルーツのタルトなどが並んでいます。特に目に留まったのが、このラズベリータルト。ピンク色のアイシングの上にラズベリーがのった、愛らしいスイーツ。
指さして、「Tämä、yksi、Kiitos(=これ、ひとつ、ください)」。頭に浮かぶ限りの単語を並べて買いました。いつかはフィンランド語で堂々とオーダーできるようになりたいものです。
フィンランドのスイーツにはいつも、どこか懐かしさを感じます。ぽってりとしたフォルム、シンプルな素材、手作り感にあふれた不均一な形。近所のパン屋さんに昔から変わらず並んでいるような、そんな雰囲気。その懐かしさがとても可愛らしく感じます。
ホテルの部屋で、公園の芝生で、写真を撮りながら自分のペースでゆっくり楽しめるのがテイクアウトのいいところ。アパートに帰り、セカンドハンドショップで買った器に載せてひとしきり撮影をしました。この愛らしいスイーツを、見て、撮って、食べて、心ゆくまで楽しみました。
ちょっと背伸びして、おしゃれなカフェにも行ってみたい。そこで、友人オススメのカフェ「WAY(ウェイ)」へ。トラムに乗り、クマ公園前で下車してすぐの場所にあります。
モーニングの時間帯なら空いているだろうと思って向かうと、なんと満席。人気のカフェです。出社前の都会的なおひとり様が多く、緊張は更に増しました。その中に、のんびりと談笑するおじさん二人組を見つけて、少しホッとした気持ちに。さっそくおじさんたちの隣に腰掛けます。モーニングはオーダーが複雑そうだったので、カフェオレとカウンターに並んでいるクロワッサンを指さしてオーダー。可笑しいくらいに緊張して、食事が届くのを待ちました。
別の日にはシナモンロールをオーダーしてみました。ここのシナモンロールはこの渦巻きスタイル。どのメニューもスタンダードというよりも少しアレンジされていて、新鮮に映りました。初めてのカフェでは、事前の下調べでメニューを決めておいて注文すると安心かもしれません。私は「クロワッサンを食べる」と決めて行ったことと、クロワッサンがすぐ目の前にあったことで、オーダーがすんなりできました。
森を歩いてみよう
フィンランドに行ったら森を散歩してみたいけれど、バスに乗って遠くに行くのはちょっと不安…という人にぴったりなのが、「Uutelan Luontopolku(ウウテラ自然公園)」。
・メトロに乗って終点で下車
・駅から徒歩で行ける距離というアクセスのよさ
・すぐそばが住宅街という安心感
・短い旅行日程でも半日で行って帰れる
という、おひとり様やはじめての人でも、気軽にちょっとした冒険気分を味わえる森です。
メトロで東方面行に乗り、揺られること約30分。終点のVuosaari(ヴオサーリ)で下車。南へ歩いていくと、Aurinkolahti(アウリンコビーチ)に辿り着きます。アウリンコ(=太陽)の名の通り、この日はまぶしいほどに水辺がきらめいていました。
ビーチ沿いを東に歩いてすぐの場所にあるのが、ウウテラ自然公園。遊歩道がしっかり整備されていて、比較的歩きやすい森です。ウォーキングコースは2.5kmほど。少し入るだけでも、深い緑や大きな岩のあるフィンランドの森を感じることができます。
ここでは、ホストマザーが教えてくれた森の入り口にあるカフェ、「Kampela(カンペラ)」へ。ヨットハーバーのすぐそばにある、赤い壁の素朴なカフェです。プッラ(菓子パン)やアイスクリーム、チョコレートなどのお菓子、サーモンスープもありました。
私は苺ジャムのパンケーキを。平たくモチっとした生地で味はあっさりめ。日本で言う「パンケーキ」から想像するより、ずっと控えめな甘さです。自然の近くにあるからか、また、このちょっと崩れたパンケーキに安心感を抱いたのか、街のカフェに入る時に感じる緊張感は不思議と感じませんでした。
メトロに乗り、森とビーチを散歩して、カフェへ行く。気軽にいろいろな体験ができる、初フィンランド旅におすすめのスポットです。
旅客船に乗ってみよう
森歩きをクリアして、ひとり旅に自信がついてきた頃、思い切って船旅に出掛けました。1959年創業のフィンランドの旅客船、「VikingLine(バイキングライン)」に乗ってお隣スウェーデンのストックホルムへ。ネットでの予約も簡単です。「船内レストランでのディナービュッフェがおすすめです」と、よく目にしたので、何がどうおすすめなのかを確かめてみることに。
なるほど、おすすめの理由が分かりました。レストランはまるでパーティ会場のように広々としていて、中央には数え切れないほどの美味しそうな料理がずらりと並んでいます。
1つの素材をいくつもの調理法で並べてあり、ついつい食べくらべをしたくなり、トングを持つ手が伸びます。サーモンだけでも刺身やマリネ、スモーク、グリルなど、さまざま。
たくさん料理を楽しみたい人は料理に近い席へ。景色も一緒に楽しみたい人は、テラスのように明るい窓際の席へ。ビュッフェスタイルだとかしこまる必要もなく、自分のペースで食事ができて、船旅の特別感も味わえます。
船から見る美しい景色と美味しい料理に心もお腹も満たされた頃には、お隣の席の女性と「美味しかったですね」「よい旅を!」というやりとりをする心のゆとりが生まれていました。時間によっては、バルト海に沈む夕日を眺めながら食事をすることもできますよ。
お土産を買おう
フィンランド在住の友人がプレゼントしてくれたかわいいお菓子、「MARMELADIT(マーマレード)」。ストックマンデパート内にもあるフードマーケット「Herkku(へルック)」で売られているフィンランド産のフルーツを使ったマーマレードです。グリーンのストライプにフルーツのイラストが描かれたオシャレなパッケージは、お土産としても喜んでもらえそう。
私たちが思い浮かべるジャムのマーマレードとは違って、フルーツゼリーを砂糖でコーティングしたようなお菓子です。おばあちゃんの家に遊びに行ったら出してくれるお菓子のような、誰もが食べたことがあるような懐かしい味。フィンランド旅行のお土産に、チョコやキャンディのスイーツは欠かせません。ご友人や自分へのお土産にいかがですか?
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