日本と韓国のパートナーでITエンジニア不足の社会課題に挑む―資本提携の裏側に迫る
LAPRASは韓国のHRテック企業のWanted Labの日本法人WANTED JAPANから資金調達を実施しました。LAPRASはWanted Labとは2023年に業務提携を実施し、今回は出資をいただくことになり、より強固なパートナーシップを構築しています。
業務提携以降、どのような理由で出資に繋がり、今後どのような展望があるのか。
資本提携の裏側として両社の想いに迫ります。
LAPRASへ出資することに至った理由は何でしょうか?
イ・ボッキ氏:
LAPRASは、Wantedが韓国で挑戦している課題と同じ課題に日本で解決に取り組んでいます。そのため、出資しない理由がないことがまずは前提にあります。
ITエンジニア不足のという課題に対してこれまでの人材業界のヒューマンドリブンな解決策ではなく、テクノロジードリブンな解決策に取り組んでいることがWantedとの方向性と近かったのです。
Wantedは韓国でDX市場を捉えて成長してきました。韓国のHR市場は近年変化をしてきました。政府がスタートアップへの投資を増やし、大手企業が通年採用することも増えました。自分で働く企業を選ぶという流れになっていきました。
その流れの中で、HRはこれまでの広告で認知を取るということから、どれだけ良い企業とマッチングができるかが重要になってきました。この状況は日本でも同じようになってきていると考えています。日本は副業が加速していたりもするので、日本がより進んでいることもあります。
LAPRASは、日本でITエンジニア領域でマッチングにこだわっている企業なので、Wantedのビジョンや事業と親和性がありパートナーになれると思いました。
業務提携を経てLAPRASに対する印象は変わりましたか?
イ・ボッキ氏:
日本で様々なパートナー企業と取り組みをしてきましたが、LAPRASとは共通点が多いと感じています。特にテクノロジードリブンで課題解決する方針はWantedと同じ方向性です。またLAPRASのメンバーは好奇心が豊富で、ミーティング時にWantedの取り組みに非常に積極的に質問してくれました。そこから問題の定義が建てられて、仮説検証をしっかりできる会社の文化を感じ、Wantedとの文化とも合っていると思いました。歴史が長い日本のHR市場において、固定観念に縛られていないことも特徴だと捉えています。
LAPRASの社長の染谷さんに対してはどのように感じていますか?
イ・ボッキ氏:
一言で表すと「ピュアな野心家」だと思っています。
HRの課題に真摯に向き合う部分でピュアなところがありつつ、大きなインパクトを狙う大胆さを兼ね備えています。事業を始める際には色々な理由がありますが、社会課題を解決したいという想いがなければ遠くにはいけないです。染谷さんは解決したい社会課題が明確であり、その解決のためにテクノロジーを活用してインパクトを生み出そうとしています。
さらに、染谷さんは透明性が非常にあると思っています。出資の検討フェーズなどでやり取りをしているといいところだけを出したいところですが、課題にしている部分を解決策とともに示してくれます。代表としてはこの透明性は非常に大事だと思っており、私自身もそうありたいと思っています。
Watnedさんはどのような印象ですか?
染谷:
今回の投資の件でも、それまでのプロジェクトでも、Wantedさんから先回りしてご提案いただくことも多くて、常に先手を打っていただいている印象です。今後はLAPRASから先手でご提案をしたりすることができるように成長していきたいと思っています。
イ・ボッキ氏:
日本で信頼できるパートナーがいらっしゃるのは私たちとしてはありがたいです。日本のことを詳しく知ることには限界があるので、LAPRASというパートナーを通じて日本の状況を知ることができ、その上で提案ができます。これは非常にありがたいことです。
LAPRASへの出資を経て今後の展望はどのようなものですか?
イ・ボッキ氏:
Wantedは大量のデータを活用して採用のマッチングの問題を解決しています。
将来的には採用をベースにしたデータを活用して、企業とユーザーをもっと成長させられるように色々なビジネスに挑戦していきたいと思っています。個人的には韓国と日本の人がもっと交流できるようにしたいです。
WANTED JAPAN代表として出資をまとめるまで難しさもあったと思いますがどうでしたか?
カン・チョルホ氏:
そうですね、具体的な内容を詰めて調整する段階は非常に大変ではありました。しかし、大変な時ほど「私はなぜこの仕事やっているんだろうか?」と考えることが多かったです。その時には、私は日本と韓国の橋渡しをして組み合わせることが使命なんだと自分の志に気づくことにもなりました。
私は日本でも長く働いてきて、韓国も日本も両方を知っている立場です。日本と韓国のいいところを組み合わせると、もっとグローバルでも価値が発揮できると思っています。
LAPRASとして今後どうしていきたいと思っていますか?
染谷:
LAPRASが取り組む社会課題は変わらずですが、Wantedさんのいいところを取り入れて、LAPRASの事業成長を早めていきたいと思っています。Wantedさんと組むので国を超えたクロスボーダーなHRサービスを展開していきたいですね。優秀な方々が国境を問わずに活躍できるような世の中を作っていくことに挑戦していきたいと思っています。
今回は資本提携の裏側をお届けしました。
これからのLAPRASとWantedさんとの動きにぜひご期待ください。