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漫画紹介① 「またぞろ。」という漫画について

「またぞろ。」とは?

 まんがタイムKRコミックスから連載されていた「またぞろ。」は、高校を留年してしまった者たちの日常系漫画です。登場人物の留年理由は様々であり、学校生活に不適応の穂波殊、身体が弱い広幡詩季、仕事で忙しい六角巴がいます。この3人に加え、同じクラスメイトである阿野楓の4人で物語が進んでいきます。

おすすめの読者

 留年、中退、休学等の経験を高校、大学時代に経験した人はこの漫画が刺さるのではないでしょうか。ちなみに私もそんな経験があります。
 なぜそんな人に刺さるのかというと、主人公である穂波殊のだめさ加減に親近感がわくからです。殊は、一人では何もできないのです。例えば、朝が起きれない、学校の持ち物を忘れる、自分の部屋のものが整理できない、指示されないと動けない等数えきれないほどあるのであります。これらのことから彼女は自分のことを「人間がへたくそ」と表現しています。私は、自分のダメな部分と重ねて共感してしまいます。他の人にとって普通にやっていることが自分にはできないという思いがあることが、この作品を好きになった理由であると思います。
 この本はなんと4コマオブザイヤー2021年新刊部門1位、2022年既刊部門1位、2023年既刊部門1位であり3年連続受賞しているのです。これは、熱狂的なファンが多いということですね。

個人的に好きなコマ

入学式に遅刻し、提出物も忘れ、上履きの色が2年生のままであり(留年して1年生なのに)自己嫌悪する穂波殊
(引用:幌田著「またぞろ。」1巻、p27)
自宅にいるにもかかわらず居心地が悪すぎて「帰りたい」と思う穂波殊
(引用:幌田著「またぞろ。」2巻p27)

 居心地が悪いと、どこか休まる安全な場所に行きたいという気持ちはよく分かります。

予想外のことが起き、思考停止する穂波殊
(引用:幌田著「またぞろ。」2巻p36)

 具体的な指示がなければ何をすればいいかわからないという状況に共感できます。

しっかりしたいと思ってるかを聞かれどっちつかずな返答をする穂波殊
(引用:幌田著「またぞろ。」2巻p65) 

 もちろん他の人に手伝ってもらわずとも朝起きれて、提出物も忘れないで、しっかりした人間になりたいと思っているのだが、自分にはその能力が備わっていないことが十分わかっているのでこのような返答をしているのでしょう。
 ここを読んでて、どう回答するのが正解だったのかわかりませんでした…

最後に

 穂波殊は、友人に恵まれているおかげで高校、大学までは何とか卒業できそうですが、社会人になってうまく適応できるのでしょうか?こういった人たちは、変わろうとして変われるわけじゃありませんからね。ある程度は改善できると思うけど、普通の人のレベルにもっていくのは難しいと思います。
 まあ、こんな主人公が同じ留年生やその友達、クラスメイトとどのように関わっていくのかが見物であります。ぜひ読んでみてください。ニコニコ漫画で8話まで読めます。


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