【神奈川大学】履修登録ガイド (全学部・全学科対応) 【増補改訂版】
大学には、決められた時間割は存在しません。
そのため、大学では取りたい科目を自分で選び、自分だけの時間割を作って授業に出席します。
しかし、そんな自由な大学にも、時間割を組むときのルールや卒業するための条件、進級するための条件が定められています。
時間割は、その条件を満たせるよう計画的に組んでいく必要があります。
「履修登録」とは、その「作った時間割を大学に申請し、登録する作業」のことです。
履修登録が完了してしまうと時間割は後から変更することができないため、履修登録はしっかりこなさないと進級や卒業に影響が出る場合があります。
また、履修登録は複雑で覚えることが多く、はじめての人にとっては難しい作業です。
そのため、毎年1年生にとっては大学生活でいちばん始めに乗り越えなければならない壁となります。
しかし、大学からはこの履修登録に関する具体的な手引きなどは出されません。
このnoteは、そんな履修登録の手引きとして、要点をわかりやすくまとめた非公式の「履修登録ガイド」です!
「履修登録ガイド」は、主に履修登録の土台となるテンプレ部分を扱っているため、全学部・全学科に対応した内容となっています。
(▽「履修登録ガイド」がカバーする範囲のイメージ)
また、このnoteは2020年度にたくさんの方にご愛読いただいた、旧作の「履修登録ガイドブック」をさらに実践的な内容にまで落とし込んた、
旧作の【増補改訂版】です。
(▽旧作ではたくさんの方にご愛読いただきました!)
こちらは、文の簡潔さを重視し、履修登録のイメージを掴んでもらうことを目標とした内容であるため、実践的な内容にはやや不足しています。
今作では、そんな旧作の履修登録ガイドに寄せられたご意見・ご要望を反映し、実際に時間割を組んでいく工程を追加しました!
「手っ取り早く履修登録のいろはを知りたい!」という方は旧作の履修登録ガイドブックでも充分ですが、
実務に不安のある方は今作の【増補改訂版】をご覧いただければ幸いです。
【1,履修登録はいつから始めればいいの?】
神奈川大学は、1年間が前期と後期に分けられている2学期制の大学です。
そのうち、1年生の前期は「1セメスター」、後期は「2セメスター」、2年生の前期は「3セメスター」と、4年間の学期は以下のように「8セメスター」まで分けて数えられます。(※休学した場合を除く)
そんな神奈川大学では、実は前期だけ履修登録が終わるより前に授業が始まります。
これは、履修登録が終わるまで決められた時間割がある訳ではなく、通常の授業期間が始まります。
そうなると、「時間割がないのに、どうやって授業に出ればいいんだ?」と疑問に思う方もいると思います。
結論から言うと、授業や履修登録が始まるよりも前に時間割を組んでおき、その時間割通りに授業に出ながら履修登録を行うことになります。
履修登録とは、前述のとおり「時間割を大学に申請し、登録する作業のこと」を表すので、厳密には「時間割を作る作業」は履修登録に含まれません。
(ただし、時間割を作らなければ履修登録ができないので、しばしば公式でも「履修登録」と一括りに扱われます。)
そんな「時間割作り」は、「履修要覧」と「授業時間割表」、その年の「シラバス」が出てからはじまります。
それぞれがどういったモノなのかについては後々詳しく説明しますが、これらは時間割り作りのときに使われるものです。
「履修要覧」と「授業時間割表」は冊子として、新入生は4月のはじめに大学から直接受け取ります。
ただし、「シラバス」に冊子は存在せず、専用のウェブサイトから閲覧するものになります。
(▽前期/後期の履修登録のおおよその流れ)
【2,履修登録で意識しなきゃいけない事】
履修登録では、いくつか知っておかなければならない重要な概念があります。
それは、「単位」、「卒業要件」、「科目の分野」です。
以下でそれぞれの意味について説明していきます。
2-1,単位について
単位とは、講義で合格点を取ると貰えるポイントのようなものです。
講義に合格した時に貰える単位数は、講義によって変わってきます。
(例えば、1年生が必ず取らなければいけない講義である「FYS」の単位数は1コマ当たり2単位ですが、クラス英語は1コマあたり1単位と設定されています。)
単位は、卒業までにそれぞれ決められた決められた数集める必要があります。
(この卒業までに取らなきゃいけない単位数のことを"卒業要件"といいます。卒業要件については後に詳しく説明します!)
2-2,卒業要件について
卒業するのに必要な単位数の事です。
卒業要件は、卒業するための条件のことで、達成できないと卒業できなくなるため、履修登録において最も重視しなければならない部分になります!
学部ごとに卒業要件の内容が違うので、履修要覧をよくみて、必ず確認する必要があります。
(例えば、2020年経済学部だと卒業までに合計128単位、2020年度法学部だと合計132単位。)
2-3,科目の分野について
その科目が属する卒業要件上の分野の事です。科目の分野には、大きくわけて「共通教養科目」と「専攻科目」があります。
どの学部学科にも、履修要覧には下図のような感じで科目の分野がパッと見で分かるページが存在します。
上の図赤枠内の共通教養科目や専攻科目の下で分かれしている部分(「A群」・「B群」など)は、学部学科ごとに分野の名前が変わってきます。
これらの分野は「卒業要件」として大きく関わってくるとても重要な概念です!
履修登録の時はこのカテゴリーごとに設定された「卒業要件となる単位数」(下の図)を意識して組んでいきます。
(詳しいことは後に解説しますので、今は「卒業要件として科目の分野は大切!」って事だけ覚えておきましょう!)
【3,履修登録に必要な知識】
ここでは、時間割を組むときに使うものや、意識しなきゃいけないこと、履修登録の流れなど「履修登録に必要な知識」について説明します!
3-1, 時間割を組むときに使うもの
時間割は、以下の3つの資料を使いながら組んでいきます。
「履修要覧」には、時間割を組む時のルールとなる「履修要件」や「卒業要件」などが書かれています。
また、何の科目が、どの「科目の分野」に属しているのかについても一覧で載っているため、基本的に時間割を組む時はまずそこから科目を選んでいきます。
履修要覧は、大学から冊子で配布されますが、「神奈川大学公式サイト」からダウンロードすることもできます。
「シラバス」とは、講義の内容や開講場所など、それぞれの講義について詳しく調べることができる「講義情報のデータベース」です。
大学は、同じ科目でも様々な教員が別々に授業を開いています。
となると、教員が違ければ当然講義の内容も違ってくるので、シラバスを使って講義を比較検討しながら時間割を組むことになります。
また、シラバスはデータベースという性質上、履修要覧のように冊子としては存在しないので、専用のウェブサイトから使うことになります。
「授業時間割表」とは、どの講義がどの時間に開催されるのかが一覧として載った冊子です。
講義の開催時間に関してはシラバスでも載ってますが、開講場所から調べることができるので、空きコマを埋めたいときなどに便利です。
また、その科目が「履修制限科目」かどうかについても調べることができます。
3-2, 履修登録の流れ
履修登録は、決められた日程に、段階的に行われます。
具体的には、以下のような順序で行われます。
さきほど話したように、「履修制限科目」は抽選で決まるため、履修制限科目ではない科目より先に応募がはじまります。
「2次」では、「1次」のときに定員に達しなかった履修制限科目の応募が行われ、2次でも定員に達しなかった履修制限科目は、「本登録」の期間に先着順(つまり、早い者勝ち)で決まります。
「本登録」期間では、履修制限科目でない通常の科目の応募が行われます。
上記の表では省略していますが、通常の科目の応募は、本登録前の「1次」、「2次」のときにも応募することができます。(つまり、通常科目の応募期間である「本登録」は、実質3回あります。)
「確認・修正」期間では、本登録で登録した「履修制限科目ではない科目」の変更・取り消しを行うことができます。
前期の履修登録は、基本的に授業期間が始まってから履修登録が行われるので、一度講義に出てみて、「この授業合わなそうだな…」と感じたら、この期間の間に別の科目に変更することができます。
ただし、「履修制限科目」は抽選という性質上、この期間で変更・取り消しすることができません。
つまり、「履修制限科目」の応募が通ると、後から変えることができなくなるので、慎重に選びましょう。
【4,実際に時間割を組んでみよう!】
さて、ここまでの内容で履修登録に必要な最低限の知識は全て出そろいました。
ここからは、いよいよ履修登録の実務的な流れについて説明していきます。
まずは、2021年度版の「学修スタートガイド」に分かりやすいフローチャートが載っていたので、以下の流れをご確認ください。
時間割作りの流れとして、たしかに上記の内容で間違えはないのですが、実務的な動きが書いていないのに加え、②〜④の間を何度か行き来することもあります。
文章だけで伝えるには限界があるので、ここから先は具体的な履修登録のイメージを掴んでもらうため、図解付きで時間割作りを実演していきます!
例として、今回は2020年度「経済学部 現代ビジネス学科」の資料を使わせていただきます。
ただし、全学部に共通するエッセンスはちゃんと拾っていくので、安心してお読みいただければと思います!
以下、「学修スタートガイド」のフローチャートにあるように、「履修要覧」→「シラバス」→「授業時間割表」の順番に、それぞれ章立てして説明していきます!
4-1, 履修要覧 編
時間割作りでまず初めに使う資料は、自分の学部の「履修要覧」です。
履修要覧ですることの流れとしては、以下のようになっています。
それぞれ順番に説明していきます!
【① : 自分の学科の「履修要件」や「卒業要件」、学科ごとの「ルール」を理解する】
まずは、履修要覧から自分が所属する学科の「教育課程表」を探します。
目次から探す場合は、どの学科も履修案内にある「専攻科目」のところに含まれますが、なぜか詳しいページ数までは載っていません。
履修要覧の場所的に、だいたいどの学科も真ん中より少し後ろらへんにあるので、以下の画像のようなページを探してみてください。
注意点として、表が「縦向き」の学科と「横向き」の学科があります。
(▽表が「縦向き」の学科の場合)
(▽表が「横向き」の学科の場合)
自分が所属する学科の「教育課程表」を見つけられたら、その次のページを開いてください。
(⚠️「教育課程表」が2ページに渡っている学科は、さらにその次のページ)
ここには、時間割を組むにあたって最も重要な「履修要件」や「卒業要件」、「進級要件」などが載っています!
時間割は、これらの要件に従って組まなければならないので、時間割を組む前に全ての要件を必ず読んでおく必要があります。
(⚠️次のページまで続いている学科もあるので、読むときはしっかり確認しましょう!)
履修要件を読み解いていくと、それぞれの学科には、
「単位の仕組み」に関して「ルール」があることがわかります。
たとえば、2020年度の「経済学部 現代ビジネス学科」には、専攻科目に以下のようなルールがあります。
このようなルールは学科によってそれぞれ異なるので、自分の学科のルールをしっかりと理解しておきましょう!
(▽※「なぜ優先度が高いのか?」のイメージ)
【② : 履修したい「専攻科目」のメモを取る】
ここでは、いよいよ具体的な科目に目星を付けていきます。
さきほどの「履修要件」などが載ったページの1ページ前にある、自分が所属する学科の「教育課程表」を開いてください。
ここには、それぞれどの「専攻科目」がどの「科目の分野」に属するかが網羅的に記されています。
「教育課程表」で学年別に科目を見比べてみると、1年生の科目はどの学科においてもルール上もっとも優先度の高い科目が多く配置されています。
なぜなら、1年生で履修する科目は、どの学科でも4年間大学で勉強することの基礎となる重要な科目が配置されているからです。
よって、1年生は「ルール」上もっとも優先度の高い「専攻科目」を全て履修することが、全学科共通のテンプレとなります。
ここでは、例として専攻科目の「教育課程表」より、
卒業要件的に優先度の高い「科目の分野」順に14単位分履修します。
このとき、取りたい科目は何かにメモを取っておきましょう!(▽メモの例)
(⚠️何単位まで履修できるのかを表す「履修上限」を忘れずに!「履修要件」に載ってます!)
【③ : 履修したい「共通教養科目」のメモを取る】
「共通教養科目」にも、専攻科目と同じように専用の「教育課程表」があります。
目次から「履修案内」→「共通教養科目」のところに「教育課程表」があるので、開いてみましょう!
自分の所属する学科の要件と照らし合わせながら、履修したい科目に目星を付け、共通教養科目についてもメモを取っておきます。
ちなみに、「共通教養科目」は「全ての大学生が持つべき教養」であるため、全学部・全学科ルールが共通しています。
そして、共通教養科目には特に優先して取るべき科目の分野は存在しないので、自分の好みで決めましょう。
(▽バケツでイメージするとこんな感じの作りになってます。)
今回は、例として以下のように履修するとします。
(⚠️履修科目を決めるときは、履修上限だけでなく「FYS」、「クラス英語」の存在を忘れずに!学科によっては「必修科目」も!)
(※2020年度 現代ビジネス学科の「履修上限」は1セメスター24単位まで)
取りたい科目が決まったところで、次はシラバス編に移ります!
4-2, シラバス 編
シラバスでは、さきほどメモを取った科目の詳細ついて調べることができます。
調べ方は何通りもありますが、とりたい科目の名前や「科目の分野」に目星がついているこの状態であれば、「シラバス検索」の科目名で検索するのが手っ取り早いでしょう。
実際に検索してみると分かるのですが、大学では同じ科目でも様々な教員が授業を開講しており、教員によって授業内容や範囲、評価方法や開講される日時がそれぞれ異なります。
履修要覧で見たような優先度と違い、ここでなにを重視するかは完全にその人次第です。
どの講義を履修するのか、自分の都合に合わせて自由に考えましょう!
取りたい科目を比較検討していき、具体的に決まっていき次第、適当な時間割管理アプリなどに入力していきます。
(▽時間割は手書きで作りたいという人は、神奈川大学から配信された「学修スタートガイド」のp.24に専用の資料が添付されているので、印刷して使うことができます。)
そんな調子で時間割を埋めていくと、取りたい科目が時間割の都合上どうしても取れないことがあります。
たとえば、以下のような状況です。
こういった場合は、もう一度「履修要覧」から代わりとなる科目を選び直しましょう。
もし、こういった事態を事前に避けておきたい場合は、先に第2候補まで多めにメモをとっておくのも手かもしれませんね。
ここでは例として、以下のように科目を選んだとして、「授業時間割表編」に移ります!
4-3, 授業時間割表 編
「授業時間割表」では、受けたい講義がどこの講堂で開催されるのかや、その科目が履修制限科目かどうかを調べていきます。
日付や時間から、自分が取りたい科目について調べると、その科目が開催される講堂や、履修制限科目かどうかが記されています。
履修登録のとき、履修制限科目かそうでないかによって応募する日付が違うので、時間割の履修制限科目には目印を付けるなど工夫しておきましょう!
また、その時間割を日頃から使っていくのであれば、講堂の場所もメモしておくと便利です!
(▽赤線が引いてある科目が「履修制限科目」。右下の数字は講義が開かれる「講堂」を表しています。)
4-4, 応用編 : 「空きコマ」を埋めたいとき
ここでは、応用編として「空きコマを埋めたいとき」の対処法を紹介します。
空きコマは、「履修制限科目が抽選落ちしてしまった」ときや、「時間割を組んでいく段階」でよく発生します。
こういった空きコマを埋めたい時は、履修要覧からではなく、授業時間割表から逆引きすることで効率的に埋めていくことができます。
たとえば、上の画像と同じように木曜の2限に空きコマが出来てしまった場合、そこで開催される「専攻科目」や「共通教養科目」について、それぞれの「授業時間割表」を使ってピンポイントで調べることができます。
(▽「授業時間割表」は「専攻科目」と「共通教養科目」で冊子が別れています。なぜなら、代わりとなる科目は基本的に同じ分野の科目から選ばれるからです。)
授業時間割表から、該当する時間にある気になる科目を全て選び、それぞれをシラバスで比較・検討します。
その後、選ばれた科目を入れることで効率的に空きコマを埋めていくことができます!
今回、時間割作りは以下の内容で完成とします!
(▽「時間割作り」はこれで終了したので、次はいよいよ「履修登録」に移ります!)
【5. 履修登録の具体的な方法】
時間割を作り終え、どれが履修制限科目なのかまで時間割に記入し終えたら、あとは「履修登録期間」までひたすら待つだけです。
履修登録期間になったら、「ウェブステーション」(以下:ウェブステ)と呼ばれるサイトにログインし、以下の手順で履修登録を行います。
Stepごとの詳しい手続きは、以下のようになっています!
【Step1:「ウェブステ」にログインする】
【Step2 : 履修メニューを開く】
【Step3 : 「履修制限科目」に応募する】
【Step4 : 「履修制限科目」の抽選結果を確認する】
【Step5 : 履修登録する】
【Step6 : 履修登録ができているか確認する】
一連の手続きは、科目を登録するたびに行います。
たとえば、履修登録の応募は「1次」、「2次」と2回あるので、2次にも応募したい場合は上記の手続き(Step1〜6)をもう一度行います。
また、序盤にも話したように、神奈川大学では前期のみ履修登録よりも前に授業が始まります。
その際、出席していた「履修制限科目」が抽選落ちし、代わりに別の科目を入れたとき、「新しく入れた科目の初回の講義に出席できなかった」という事態が発生する場合があります。
こういった場合、講義では事前に配慮がなされているので、基本的には心配しなくても大丈夫です。
ただし、もし講義内で何らかの不備があったり疑問点があった場合は、遠慮せずその旨を担当教員に伝えましょう!
以上で、履修登録に関する一連の内容は終わりです。
他にもまだまだ不安な点や分からないことは沢山あるかと思いますが、神奈川大学にはどんなことでも相談できる「なんでも相談室」や、相談に乗ってくれるやさしい先輩たちがいる部やサークルが沢山あります!
次の章では、そんな新入生からの相談を有志で受け付けている団体さんや施設を紹介しています!
気になる部やサークルがある場合、これを機に足を運んでみるのもいかがでしょうか。
【6.大学の相談ができる場所一覧】
ここでは、今期の履修登録や大学に関する相談を有志で受け付けている部やサークル、施設やイベントの情報を一覧でまとめています!
(随時更新)
6-1.部活・サークル
6-2.イベント
6-3.施設
【7.お問い合わせ】
このnoteの内容に関するお問い合わせについては、
筆者のTwitter(@Y_uno__)のDM、もしくは質問箱までお問い合わせください。また、【6-1.部活・サークル】にて、SNS上で大学や履修登録に関する相談を受け付けている団体さまからの掲載依頼を受け付けております。
掲載してもいいという団体さまがありましたら、筆者のTwitter(@Y_uno__)のDM宛て(※)に、相談窓口をご記載のうえご連絡いただけますと幸いです。
(※質問箱不可)
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