3年前のあの夏の日を、ふと思い出したんだ。
私の家の隣には公園がある。
演劇の練習をする高校生、狼みたいなシェパードを連れて散歩するお兄さん。無邪気に遊ぶ子供達…時間帯によってガラリと変わる公園の景色。公園の前を通り過ぎる約30秒間が私の密かな楽しみだったりする。
ある8月の日。確かバイト終わりの夜だった気がする。汗で肌に張り付いたTシャツをパタパタと扇ぎながら私は、公園の前を通りかかった。
いつもだったら懸垂をしているおじさんとか、ダイエットのためであろうランニングをしてるお姉さんしかいない、比較的決まりきった光景時間帯。ま、今日も目立った変化はないだろう。そう思ってた。
でも、その日は特別だった。ヒソヒソとした話し声が耳に入り、思わず目を向ける。そこには中学生くらいの男女4人組。チャラいどころかむしろ優等生っぽい見た目の彼らが夜の公園でしていたのは、線香花火だった。
なんだよそれ、メチャクチャずるいじゃん。
少女漫画やドラマのワンシーンのような光景に私は見惚れた。もちろんジッと見てたら変態だから歩みは止めなかったけれど。
幼なじみなんだろうか、受験生なのかな、みんなで同じ高校に行こうねとか話してたりして、もしかしたらみんな志望校がバラバラで始めて別の道に進むから最後の夏の思い出。だったのかも。勝手な妄想を繰り広げていた私の脳内ではzoneのsecret baseがリピート再生されていた。
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もうあそこにはどうあがいても戻れないなぁ。ほろよいのホワイトサワーを飲みながらそんなことを考える。
ふと思い出したのは、高3の夏の日だった。
私の地元は正真正銘のど田舎で過疎地域。就職で地元を離れることが決まっている人もいたから、最後に中学の同期全員(42人しかいないけど)で海で花火をしよう。なんて言って集まったんだっけ。確かあの日もムシムシとした夏の夜だった。
あの日、クラスメイトはどんな将来を、どんな希望を描いてたのだろうか。もちろん、今の私には知るよしもないことだ。
あの夏の日からもう3年。子供が産まれてパパになった同級生もいる。Secret baseの歌詞になぞらえるのなら、"10年後の8月"まであと7年。長いね。でもなんかあっという間に過ぎ去る気もするよ。
去年の成人式でも会ったけど、あの8月の日は確か話題にならなかったから。10年後の8月の日、また花火でもして話そうよ。
"最高の思い出を"
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それではお聞きください、zoneでsecret base 〜君がくれたもの〜。
https://m.youtube.com/watch?v=p2bx9n-ybrU