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ラオスの田舎でもタイから通販できる時代がやってきた

途上国では時折一段飛ばし・・・いや10段飛ばしくらいで突然文明がやってくることがある。
一番いい例が携帯電話だろう。

固定電話や電話回線というものをすっ飛ばし、今は山岳民族ですらスマホをもっていて動画の閲覧ができる時代。文明の力は「いい面」「悪い面」の両方を持ち合わせながら、大きな流れと共にどんな田舎でも享受できるようになってきている。

われわれ人間は・・・とことわりそうになるが、最近犬や猫を飼ってみて、多くの種の生命はなるべく楽に生きる方を選ぶのだと実感する。
そして楽して安全に暮らせれば野生の本能は徐々に不要になっていく。

それが果たしてほんとうに安全かはさておいて・・・

いや、話がそれてしまった。
今日はそんな話ではなく、文明の力は素晴らしいものとして、とっても気軽なテーマでラオスの急速に変わり始めた通販事情をお話しよう。

ラオスの運送システムが急速に発展

実はここ数年、ラオス国内の運送システムが急速に発展している。
私がラオスに来た時は、国内の運送といえばバスに荷物を預けるシステム1点だけだった。
だから、この農場の近くからビエンチャンに荷物を送ろうとおもったら、

・受取人の電話番号と名前と受取先のバス停名を荷物に書き
・バス停でバスを待ち(いつ来んねんと外で待ちぼうけ)
・バスの運ちゃんに荷物を預け(え?この運ちゃん大丈夫か?と不安を覚え)
・お金を運ちゃん支払う(なんか高くない??と疑う)
必要があった。この時の料金もなんだかよくわからないシステムで大きいから1000円だ。とかそんな感じ。ほんまかいな?

送られた荷物はというと、相手側のバス停まで運ばれ、そこから電話があり受け取りに行くシステム。預かり証も無いのではっきり言って超不安。やむ負えず何かを送る場合は無くなるのを覚悟で送らなければいけなかった。

ところが、ここ数年ほどで急激に運送会社が増え始めた。この田舎で実感するのはここ2年。
2年前に農場から50分バイクでいったところに運送会社の出張所が出来たかと思うと、しばらく後には30分先の町にも1件、1年前ほどには15分ほどの最寄りの市場にも1件、そして数か月前にまた1件の出張所ができた。
会社の種類も数社あり、サラワン市まで行けば4社ほどの運送会社を見かけることができる。

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私がよく利用するのがHAL expressMixay express
HALに至っては、POSシステムも導入されアプリで追跡ができるという機能まで持ち合わせている。
ビエンチャンに昼頃荷物を預けると、翌日の昼にはこの付近の営業所に到着するというスピードだ。そして私たちは荷物が届いた連絡を受け(もしくはアプリで確認し)その営業所に取りに行く。

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まだ日本のように宅配はさすがにやっていないけどこれだけで十分に便利。
以前のバスシステムでは、田舎で受け取る場合にはバス停というしっかりしたものがないため、とっても困難だった。しかもビエンチャンからパクセで荷物を載せ変える必要があったりすると、載せ替え忘れとかもあって大変。なので受け取りは利用したことがなかった。

ラオスの通販事情

運送システムがかなり発展している一方、ラオスの通販事情はどうだろうか?もちろん発展に伴い通販サイトというのも若干できてきてはいる。
しかし、まだどれもよちよち歩きの赤ちゃん通販というかんじで、運用に堪えないものばかり。一部使用に耐えるものもあるけれど、まだまだどこもカードは使えない。

ショッピングカートもあるんだけれど、何やらイマイチ使いづらい。最終的にフェースブックメッセージでやり取りして、銀行振り込みで済ませることとなる。

実はこの銀行振り込みも結構進化していて、BCEL銀行ではONEPAY というシステムがあり、銀行に行かなくてもアプリから振り込めるようになっている。税金の支払いや電気料金の支払いもこれでできるようになっているなんとも便利な世の中になった。

とはいえ、ラオス国内の通販はやはり使いづらい。
そして品物があまりにもない。
対応もまだまだだし、英語を使えるサイトもほぼない。

タイから通販が可能に!

そんなラオスのイマイチな通販事情を救っているのが、先ほどの運送会社
まぁお陰で国内の通販システムがイマイチ発展しないともいえるのだけれど。

実は、今までもラオスの人がタイの通販で買うこともあった。実はそういう商売が個人で成立していたのだ。つまり、陸路でタイ・ラオス間を行き来する人がいて、その人にほしいものをオーダー。その人がタイ側でモノを買い陸路でラオスに戻ってきて国内で発送(もしくは指定の場所まで取りに行く)
私は利用した事が無いので、分からないけれど、はっきりいって穴だらけの注文方法で不安でしかないし、ラオス人でもだまされたという話を聞く。

このようなもともとラオス人が個人で請け負っていたシステムをしっかりと会社がやり始めたのだ。

今回私が利用したのがmixay expressのシステム。
利用方法はいたって簡単。

普通にタイの通販サイトであるラザダに自分の名前やメアドなどで登録。
送り先の住所をmixayのタイの支店に指名(この住所や送り先、タイの電話番号などはmixayの人に教えてもらう)。
受取人に私の名前+ラオスの携帯番号で登録を指定

後は普通に自分のカードで買い物ができる。つまりラザダ側としてはタイ国内で普通に通販をしているだけになる。

<荷物受け取りまでの手順>
注文を受けたラザダの出店者は、荷物をmixayのタイ事務所に送る。
⇒mixayのタイ事務所からは(おそらくまとめて)ラオスのサバナケット事務所に発送
⇒サバナケット事務所に到着したら、ラオスの携帯電話へ連絡ありラオス国内の発送先を教える
⇒最寄りの事業所を教えると、その日の内に発送
⇒翌日に最寄り事業所から連絡があり、送料を払い受け取りに行く
このやりとりはwhat's appでも可能なので、ラオ語が喋れなくてもメッセージのやり取りで可能となる。発送した際の番号などもここに送ってもらえて、受取の際はこの送り状を見せれば簡単に受け取ることができる。しかも手数料は国内送料だけ。小さな荷物であれば150円程度で送ってもらう事ができる。

と、このようにラオス南部の田舎にいながらタイの通販サイトが利用可能になったのだ。ほんの数週間前に初めて利用してみたが見事注文から1週間ほどで手元に到着。梱包もしっかりしていたし、対応も全く問題なく利用ができた。ちなみに買ったのはペルチェ素子というなんともマニアックなもの・・・

これからどう発展していくのか

おいおい!コージさん。あんたさんざん田舎での暮らしの良さを発信してたじゃないか!!って?

まぁそうなんですけれど、やっぱり文明の力はいいものですよ。ハーフアンドハーフです。陰陽のバランスです。
とはいっても、
買おうと思っても1~2週間待つ必要があるし、衝動買いみたいに無駄なものを買うわけじゃない。

実はこれくらいがちょうどいい距離感かもしれない。と利用してみて思った。

私は常々、「最悪食べていける環境を作ることは人のストレスを減らすことになる」と言ってきた。
実はこの通販はそれに近いものがある。
普段そんなに利用するわけじゃないけれど、最悪通販でタイから必要なものが買える環境にある。ことは日々の暮らしを少し楽な気持ちにさせてくれる。

さて、そんなわけでわずか2年の間にも一気に便利が入り始めた「「道もまともに整備されていない町でもタイから買い物ができる」という日本では想像できない飛び飛びの発展だ。

いや、車が空を飛ぶ時代。固定電話回線というインフラを整備しなくてよくなったように、そもそも道路というものを整備する必要もない時代なのかもしれない。
それはそれで森を残した発展にもつながる可能性がある。

これから発展していく国において、先端の便利や文明と向き合いながら、なにをどのように取り入れていくか?
現地の人はどのような発展をしていくと豊かな発展となるのか?
何をどのように選択していくか大変興味深いところである。

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kohji 南ラオス自然農園
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