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【徹底解説】フェルミ推定演習問題 | 現役外資コンサルが解く

本記事は、フェルミ推定の演習問題/練習問題の詰合せ記事です。
本記事で扱っている演習問題は実際に外資戦略コンサルファームにて出題されたものを題材に扱っています。また、解説においては別解にも触れており、思考の幅を広げるのに役立ちます。例題を解いてみたいという方はぜひ!

本記事は演習問題が3題あり、1題につき約65円の価格設定となります。「現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート: 「6パターン、5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!」は1題当たり約50円の価格設定となっています。この15円の差は解説のリッチさや解法における別切り口のパターンの紹介の付加価値分となります。

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はじめに

本記事では、3つのフェルミ推定の演習問題を扱っています。また、本演習問題は下記の【永久保存版】現役外資コンサルが教えるフェルミ推定の本質記事を基軸として書いています。両方の記事を読めば、コンサル内定に確実に近くなります。ぜひこちらもチェックよろしくお願いします。

演習問題

問題①:「日本におけるタバコの市場規模を求めよ」

-前提確認

タバコとは、電子タバコなどの新種たばこや、ニコチンパッドやニコチンガムのようなものは含まず従来型の通常のタバコを指す。

-タバコの市場規模を分解

需要の面から考えることとする。まず、市場規模は、1年間のタバコの消費箱総と1箱の平均価格をかけることで求まる。

タバコの市場規模=1年間のタバコの消費箱総×1箱の平均価格

さらに、1年間のタバコ消費箱総数は、人口×喫煙率×1人あたり1年間での消費箱数と分解できる。

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-各値をさらに分解・求める

前章で数値を分解したが、タバコの喫煙率などは、年代や男女によって大きく異なると思われ、また、1人当たりの消費箱数はその人の性質(ヘビースモーカーか、そうでないかなど)で異なる。そのため、前章で分解したものをさらに深掘りし、以下のように考えることとする。

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上図のXXX部分を埋めることで、最終的な市場規模が求まる。

A:1箱の総消費量

β:喫煙率

まず、年代別の男の喫煙率を考えてみる。

年代別の男の喫煙率
0-19歳・・・未成年であり、タバコは禁止されているため0%と仮定。
20-39歳・・・タバコの健康被害への懸念や、悪いイメージがあるため、20%ほどと仮定。
40-69歳・・・タバコの人気がかなり高かった世代であり、40%ほどが吸っていると仮定。
70-歳・・・仕事を引退し、健康を気にしてタバコを止める人が多いと考え、10%と仮定。

また、次に女性の年代別喫煙率を考える。女性は一般的に男性よりもタバコを吸う率が低いと考えられる。経験的に4倍程度の差があると仮定する。

0-19歳・・・0%
20-39歳・・・20%×1/4=5%
40-69歳・・・40%×1/4=10%
70-歳・・・10%×1/4=2.5%

α:人口

これは、オーソドックスな求め方を応用する。日本の人口ピラミッドがつぼ形であることを考えると、

20代まで・・・20%
30・40代・・・30%
50・60代・・・30%
70代以降・・・20%

と仮定できる。これをもとに、以下のように考える。

0-19歳・・・そもそも喫煙率0なので計算不要。
20-39歳・・・10代未満、10代、20代の人口比率がおおよそ等分と仮定すると、20代人口の割合=20%×1/3=約7%。30代の人口も同様に、30%×1/2=15%。これらを足して、22%。
40-69歳・・・上と同様に、30%×1/2=15%が40代の人口割合と仮定。また、50代、60代の割合を足すことにする。よって、45%。
71-歳・・・人口ピラミッドからそのまま、20%。

男女比は1:1と仮定し、上記の値を1/2したものが、男女各年齢層別の人口割合であると推定される。

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あとはこれに、日本の総人口1億3000万人をかければよい。

γ:1人当たりの1年間消費箱数

次に、1人当り何箱を1年間に消費するかを考える。なお、本数にしないのは、タバコは1箱単位で売られており後々の計算を楽にするためである。これは、年代や男女というより、その人の特性によってかなりの差があるため、「ヘビースモーカーの人」、「一般的な人」、「ほぼ吸わない人」の3パターンで層別して求めることとする。

ヘビースモーカーの人・・・全体のうち10%程度がこの層だと仮定。体験ベースだと、ヘビースモーカーの人は1日に5回ほど喫煙所に行っているのを見かけるため、自分が見ていないプライベートでも同じくらい喫煙所に行くとすると、10本/日の消費となる。365日で、3650本、1箱20本とすると約180箱である。

一般的な人・・・全体のうち80%程度がこの層だと仮定。1日2本と仮定。365日で、730本、約36.5箱である。

ほぼ吸わない人・・・全体のうち10%程度がこの層だと仮定。付き合いで週に2本程度吸う仮定。1年間約50週間とし、1年間で100本、5箱である。

これらを加重平均すると、
180×10%+36.5×80%+5×10%=約48箱/年
となる。これが、喫煙者の平均年間消費箱数である。

B:1箱の平均価格

1箱の平均価格は、おおよその相場感で¥500とおく。タバコは種類よって大きく価格が異なることは稀なはずなので、ここは分解する必要はないだろう。

情報のまとめ

これらの情報を全てまとめると、以下の表のようになる。

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これを整理すると、
タバコを吸う人の総数=1982.5万人
1人当たり平均48箱/年
1箱平均価格=500円/箱

よって、
1982.5万×48×500=4785億円 が市場規模となる。

-補足(別解、分解後の数値が導出できない時の考え方、実際の数値との比較)

他の解き方のパターン

供給サイドから考える手もある。その場合は、

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