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織りながら知る・二重織りのしくみ 1

はじめに

二重織りとは

二重織りとは名前の通り、2枚の布が重なった状態で織りあがります。
それぞれ異なる組織にでき、更にピックアップすることでパターンを織ることもできます。
タイトル写真のような二重織りのピックアップは、一般的にはフィン織りと呼ばれます。
アメリカの雑誌HAND WOVENによれば、アメリカでもフィン織りとして知られているそうです。
二重織りベースの絵織りの技術は、まずは東ヨーロッパから南ヨーロッパに伝わり、そこからスウェーデンとノルウェーに渡り、中世のごく初期から、最初は直立織機、後には水平織機で織られていたとのことです。
そして、フィンランドがスウェーデンに征服されていた時代、フィンランド人の織工はスウェーデンに連れて来られ、織り続けました。最終的に、模様のある二重織りは、自国フィンランドに持ち帰られたそうです。

その織り方は幾通りもありますが、表裏がリバーシブルになる織り方と、表のエッジを美しくするために表裏がリバーシブルにならない織り方の2つに大別できると思います。

今回は、ピックアップをしないパターンのない二重織りからご紹介します。枠とレバー式織り機を使って、平織2枚の二重織りのしくみを学びましょう。

目次

枠で確認!平織2枚の二重織り
レバー式織り機で確認!平織2枚の二重織り
クイズ(筬通しについて)

枠で確認!平織2枚の二重織り

準備

お手製の枠です
20本経糸を張りました
針と櫛で捨て糸平織4段織りました

二重織り

表面の平織用に、”どの経糸を使うか”を決めます!

今回は、2本おきに2本ずつ、ピックアップしました
茶色の厚紙は、必須ではありませんが、あった方が何かと便利です

二重織り開始!表面の平織2段を織ります。

表面:平織1段目織ります
表面:平織2段目を織ります
写真のように移動して、体裁を整えます
緯糸は櫛を使ってください
(織る前に移動しても構いません)

表面で使わなかった経糸”が、裏面の経糸になります。
表面で使った経糸は、ピックアップしたままで裏面の平織を2段織ります。

最初にピックアップしなかった黒丸で示した経糸で
裏面の平織を織ります
裏面:1段目を織ります
裏面:2段目を織ります

同様に、5回繰り返し、両面12段織ります

2枚織れています

次は、表面に使う経糸を選び直して、続きを織ってみます!

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