バサノムニエル

京都の大学4年生です。文化人類学ゼミ所属。 エッセイ、たまに詩を書きます。

バサノムニエル

京都の大学4年生です。文化人類学ゼミ所属。 エッセイ、たまに詩を書きます。

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【自己紹介】はじめまして

まずはこの記事をクリックしてくれてありがとうございます! 京都の大学に通う、22歳です。進路はまだ決まっていません。 自己紹介は苦手です。紹介するほど自己というもの何なのか分かっていないし分かりたくもない。だから最近起きた「自分っぽいなぁ」と思う出来事を書いてみます。 コンビニのおにぎりの包装を、手順に従って開けるもの、毎度海苔が②と➂の側に巻き取られ、角に追いやられた海苔を取り出さずそのまま捨てる。 久しぶりにサークルの同期で飲み会をするとなった時に、疲れるしすごい

    • 1「曲がるかどには…福来る」

      曲がり角には予感がつきまとう。 食パンを加えながら走る美しい黒髪乙女とぶつかり、恋が始まる予感とか。 他にも猛スピードで走るトラックとはちあわせ、走馬灯がよぎる死の予感とか。これはなんだか起きそうである。 知らない街の大通りから路地へと曲がり角を曲がる時の、高揚感と緊張感が混じったあの予感とか。曲がり角は時に恐ろしくもある。 平凡で退屈な自分の人生に何か変化が起きるかもしれない、という予感。 曲がり角の数だけ世界線が存在し、どの曲がり角を曲がるかという選択の連続が人

      • ジャムおじさん再考

        私たちは日々、変化している。 髪の毛や爪は伸び続けるし、肌の皮質や角質は剥がれ落ち続けている。筋肉や脂肪はついたり減ったりするし、骨も伸びたり縮んだりもしている。 好きな音楽や本のジャンル、作者、好きの程度も変わるし、恋人ができたり別れたりもする。感情や思考もずっと同じなんてことはない。 数年ぶりにあった地元の友達との関係性も変わるし、家族、友達によって性格や話し方も変わっている。目の前にいる相手やもの、環境によって私たちの内面は変わる。 だから、現代において求められ

        • 詩「ばらばら」

          ばらばらな世界 羨む世界 ひとつになれず 横目で歩く 世界の数だけ 散らばる私 ちぐはぐなまま ただ踊ろう 記憶のなかに 道がある たまに逸れて 遠回りしよう 過去の彼や 未来の彼女 繋がりながら 途切れてく ばらばらな世界 恋しい世界 ひとつになれず 横目で歩く あなたのそばで 散らばる私 ちぐはぐなまま ただ踊ろう 悩みのなかに 道がある たまに重なる ばらばらな声 私のなかに あなたの声が 響きながら 途切れてく ばらばら

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        【自己紹介】はじめまして

          心の残像を、ほいっと。

          私の一番好きなアーティストである星野源のエッセイ『いのちの車窓から』を読んだ。さすが音楽家なだけあり、言葉の選び方や言い回し、例えがどれも上手だなと思った。私もこんな感じで思いを言葉にできたらなぁという羨ましさ、嫉妬、そして私には才能がないという現実が押し寄せてきた。 しかし星野源自身も文章力には自信が無かったという。だからこそ仕事にし、書かざるを得ない環境を作ったという。 私も真似をしてみる。はじめの一歩としてここに私の想いをなんとか言葉にしてみる。 ”想い”というと

          心の残像を、ほいっと。

          丁寧な生活と今を生きること

          「丁寧な生活」 別に珍しい言葉ではない。 この言葉をある人から聴いた時、心の奥にすとんとそれを置かれた感じがした。 そして今の私に必要なものは丁寧な生活であると確信した。 理由は2つある。 一つ目。 私はここ最近、今を生きたいと強く思っていた。 というのも、大学生になってから時間の流れの速さをいたく感じている。 気づけば一日が終わっており、気づけば一年が経っていた。決して一日中ベッドの上でスマホをいじっていたとか、寝ていたわけではない。大学の勉強もちゃんとして、友達

          丁寧な生活と今を生きること

          運命的な経験とは

          私はもうすぐで21歳になる。とタイプした今この瞬間、改めて不安、焦りがこみあげてくる。 というのも私は今大学3年生で、周りの人たちがだんだんと就職活動について考え始める時期である。 今まで私は将来のことはまるでもう1人の自分の人生の中にあるものという認識で、自分のこととして考えてこなかった。 そして将来の夢がはっきりと決まっている人のことを羨ましく思い、同時に憐れんでもきたと思う。将来のことを自分の意志で決める自由を欲しつつもその自由さゆえに苦しんでいるのだ。 中学、

          運命的な経験とは

          詩「ジェットコースター」

          はやくなったり、おそくなったり 日が昇り、沈むまで 何百回と走り続ける はやくしたり、おそくしたり 淡い期待を持ちながら 平然を装う僕 あっという間に終わってしまう 高揚感の頂点はどこだろう 上る時かな 下る時かな なにひとつ逃したくないから 目をつぶりたくないはない 瞼の奥にいたとしても 隣の人は知らない人 後頭部を見つめたあと 空白に視線を落とす いつだって君は前 重なり合いたい 重なり合っているだけ はやくなったり、おそくなったり 二度とない今日を 何百回と

          詩「ジェットコースター」

          短編小説「帰省」

           あー帰りたい。思ってからは早かった。すぐに母に電話をし帰る旨を伝える。電話越しの母はいつも忙しそうだ。何をしているのかは聞かずにただ「今大丈夫?」とだけいかにも申し訳なさそうな声色で尋ねた。  帰ることを知った母はご飯を作る人数が増えるとのことで嫌がりつつも、若干のうれしさを含み「分かった。」とだけ言う。そんな母が好きだ。  年が明けてからすでに3回目の僕は、慣れた手つきでかばんに服やパソコン、読み切れないほどの本を詰め駅へ向かう。高揚感とさみしさが入り混じる駅のホーム

          短編小説「帰省」