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条件文と仮定法、conditionalsからの理解

(↑"subjunctive mood"で検索した画像の一つ。UnsplashNikolay Vorobyevさんが撮影した写真。)

M4A音声

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 条件文には2つのタイプがあります。
 1つは、現実(Real)のことを述べるタイプ、もう1つは、非現実的(Unreal)なことを述べるタイプです。

Real(現実)のタイプにはさらに2種類あります。1つは一般的真実(General Truths)を述べる場合です()。この場合の例は、
 If water gets too cold, it freezes.(水は冷えすぎると凍ってしまいます。)
 文の構造上、「水が冷えすぎると」というif節は、「凍ってしまいます。」という帰結節(=主節)について副詞として働く副詞節です。その両方の節で使われる動詞は、現在形(present)となります。

 現実(Real)のことを述べるタイプの2つ目の種類は、可能性がある(Possibleな)場合です()、その例は、
 If it snows, I will wear a coat.(雪が降ったら、コートを着る。)
 「雪が降ったら」という副詞節については、上記①と同じで、動詞は現在形のままです。主節にwillが使われ未来のことを述べているのに、副詞節は現在形のままなのは何故かと思われるかもしれませんが、これは、雪が降るという具体的な条件が成就したその時現在のことを言っていると考えればいいです(時や条件を表す副詞節では現在形を用いると説明されますが、ルールとして機械的に覚えるのではなく、条件が成就したその時現在のことを言っているから、動詞は現在形と理由を考えながら理解すれば覚えられます。)。
 主節では、一般的真実を述べているのではなく、「コートを着る」だろうという、possibleな未来のことを述べているので、動詞の前に、未来を表すwill、可能なことを示すcan、「~かもしれない」mightなどの助動詞を付けます。

Unreal(非現実的)なことを述べるタイプは、日本語にはない表現方法です。欧州の言語に特有の表現方法です*。これが仮定法です。これに対して、上述のタイプⅠ(Real)の文が直説法**の文です。
 タイプⅡ(Unreal)の文は、
 If I had a million dollars, I would buy three houses.
(100万ドルあったら、家を3軒買いたい。)
 この日本語の文だけでは、英語の原文が直説法の文だったのか、それとも非現実的なことを述べる仮定法の文だったのかを区別できません。しかし、英語の仮定法では、ifの副詞節に動詞の過去形を用い、主節では助動詞を過去形にするというルールが使われていますので、この英文は仮定法の文だということがすぐにわかります。過去形にすることで、現実から距離を置いて非現実的なことを表すことができると説明されています。
 条件文の場合は仮定法といいますが、ある事柄を事実としてではなく、話し手の心の中で考え、描いた想い(想像・意図・願望・疑い)として述べる場合***、ある意味非現実的なことを述べる場合と言え、その場合を広く叙想法(Subjunctive mood)といいます。

 これら3つの条件文の文の種類を、英語では、順に、0 (zero) conditional(上記Ⅰ①)、1st conditional(Ⅰ②)、2nd conditional()といいます。
 最後の2nd conditionalが、日本の英文法で説明される仮定法過去です。上記の通りこれは、非現実的な(unrealな)ことを述べる文ですが、言い換えると、現在あるいは未来についての、あり得ない、あるいはありそうもないことの仮定だといえます。動詞および助動詞に過去形を使うという点から、仮定法『過去』と呼ばれています。


 英語ネイティブによる次のユーチューブの動画の説明に、私の理解(考えたこと)を加えて書きました。
https://www.youtube.com/watch?v=CFwVccec1K4&t=3s

 以上、0 conditional、1st conditional、2nd conditional、およびここでは説明していませんが、3rd conditional****も含めて、条件文の基本的なルールを覚えて下さい。そうすれば、単なる条件文か仮定法を使っているのかの判断が容易になります。

 お読み頂いて有難うございます。


 以下、本文中の言い回しとはちょっと違うところがありますが、私が作成した、条件文の4類型と直説法・仮定法とが交差していることを表した図です。ご参照下さい。

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注*フランス語の接続法がこれにあたります。他の欧州の言語の知識はありませんが、本文中は読んでわかりやすいように「欧州の言語に特有の表現」と言い切っています。ご容赦下さい。

**叙実法ともいう***参考: https://imaeda-gyosei.com/2737/#:~:text=%E5%8F%99%E6%83%B3%E6%B3%95%EF%BC%9A%E5%8F%99%E6%83%B3%E6%B3%95%E3%81%AF,%E6%8D%89%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%82%8F%E3%81%91%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

****Unreal(非現実的)なことを述べるタイプはさらに2つに分けられます。過去のことについて非現実的なことを述べる場合です。これを3rd conditionalといいます。日本の英文法では仮定法過去完了と呼ばれます。
 If I had known she was coming, I'd have come, too. (もし、彼女が来ると知ってたなら、僕も行ったのに。)( https://youtu.be/hk1AvFgOsSo
 2nd conditionalで副詞節に過去形を用いていたのを過去完了形にし、主節の助動詞に続く動詞を現在完了形にします。


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