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アメリカ大学院の出願プロセス③ L先生からの後押し

一回きりのTOEFL直前に高熱、すべり止めのプログラム閉鎖、特別認めてもらい後日受けたTOEFLでも応募要件の点数に届かず...ギリギリの綱渡りだった大学院出願の道のりを書いています。

アメリカ大学院出願への道のり① 出願決心〜手探り準備編
アメリが大学院出願への道のり② ピンチの数々編

応募書類一式なんとか提出はしたものの、応募要件の一つであるTOEFLの点が満たせてないことから選考対象にすらならないかもというシナリオと、一般的に大学院の専攻は書類を総合的に評価するため、それだけで落とされることはないのでは...という一握りの期待の間でグラグラ揺さぶられていた私。

書類提出後のある日、友人でありESLの先生でもあるL先生と会う機会がありました。同じプログラムに応募している、いわばライバル受験生でもあるL先生。彼女はとっくに書類を提出し、なんと、先日すでに合格通知が来たとのこと!

(え...!合格...?合格!?すごい!!
だってこんなに素晴らしいESL講師だもんね。すごいなぁ...)

もう結果が出ている驚きと、単純に嬉しくおめでたく思う気持ちと、おめでとうしか言葉が浮かばない自分の英語力への歯がゆさと、それと比べ私は、、、という苦い思い。

今思えば、その感情ぜんぶ私の表情や声となって出てしまっていたんだと思います。L先生、自分のことはさておき、私の出願状況の方を聞いてくれ、プログラムの状況はこうらしいとか、結果は書類提出から何週間くらいだったとか、もっている情報は全て私に共有してくれました。
そして、学部長にはぜひ会って来るべきだと助言をくださいます。


留学生にはそこまで浸透していないかもしれませんが、アメリカ現地の人は、出願先のプログラムの担当者と直接会ったり電話でカジュアルな面談をするなど、何かしら「顔を売っておく」ことを出願プロセスの一部としてごく普通に行うそう。
知識としては知ってはいたものの、いかんせん私は、TOEFL足りない=応募要件に満たない人間がどんな顔して自己アピールすればいいのか、はたまた、直接会って自分のこの拙い英語を露呈したらそれこそ落とされかねないのではないか、という懸念もあってずっと避けていました。

なので、とっさに私の口から出てしまったのは
"But I can't..."
忙しい学部長に時間をもらって、私はTOEFLの点数が足りないけどプログラムに入りたいんです、なんて、なんだか言い訳しに行くみたいで。

それを聞いたL先生、

いい?言い訳しに行くわけじゃない、あなたはあなた自身の価値を売りに行くの。これはあなたの夢でしょ?直接会って、あなたの志望理由をちゃんと伝えるべき。アメリカでは夢やビジョンを高く評価するから、ちゃんと聞いてもらえる。それに学生に会うのも学部長の仕事のうちなんだから。あなたには会って話をする権利がちゃんとあるのよ。


そう言って、アメリカ文化において自分をアピールするのは卑しいことでもなんでもなく、むしろこれから必要なスキルの一つであることを丁寧に教えてくれました。

ダメかも...という不安と隣り合わせの日々や、こんな状況の私を見てもなお助けてくれようとするL先生の力強い言葉に、この日私はまたしてもたくさん泣きました。

同時に、ここまで背中押してもらったんだから、言い訳してないでできることはやらないと、と気持ちを奮い立たせながら帰宅。


家に帰ってパソコンを開くと、さっき会ったばかりのL先生からメールが。

そこには、これから私が取るべきステップが一つ一つ箇条書きで書かれていました。学部長S教授あてにすぐメールを書くこと。細かい事情は書かなくていいから今期応募していて、一度直接会いたいという旨だけ伝える。面接では、自分の志望理由、TOEFLの点は足りていないが滞在期間の関係でどうしても今年度入学したいこと、代わりに自分がプログラムに貢献できると思うことを伝えられるよう準備する、などなど。

手取り足取りとはこのこと。サバサバしていて、物事をさっと言い切るL先生だけど、きっと私が感じていた抵抗感を汲み取ってくれ、タスクを細分化して少しでも行動しやすくしようとしてくれたんだと思います。この日のL先生とのやりとりは、数年経った今でも私を強く支えてくれています。


こうして学部長S教授に一通の短いメールを出し、1日も待たずして面談の日程が決まり、L先生と会った5日後には私は大学の建物にいました。

④へ続きます。


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