拝啓　チバユウスケ様

 心にぽっかり穴があいて涙が止まらないので、あなたに手紙をかくことにしました。

ロックというものを知らなかった高校生の頃
ポエムを交換していた親友から、
『おすすめのCDだよ、絶対聴いてね』
と渡されたCDがザミッシェルガンエレファントでした。

初めて聴いた時の衝撃は忘れられません。
あの日からずっと心はロック染まりました。

高校生から私も成長したんです。

歳は30を過ぎた時の話をしましょう。

そうそう、
不思議なことがあったんです。

赤ちゃんを授かると体内にミッシェルガンエレファントが血液と共に流れだすんです。

だから、妊娠は無性にミッシェルガンエレファントを聴いてたんです。
細胞が欲しがるミッシェルガンエレファントの曲。

せっかくこども達も大きくなって、
チバユウスケさんのライブに行こうと計画をたててました。

こどもはパパに預けよう。
ライブの予定をチェックして、
ライブの復習をしておこう。
ずっとユーチューブをみて過ごしていたんです。

そしたら、あなたは天国でライブをしてるなんて。今頃アベさんとセッションしてるんだろうなぁ。

ねぇチバユウスケさん。
あなたの見ていた景色をどんなんだろう？
ステージから観た景色はどんなんだろう？

だから私もステージに立つことにしたんだ。

あなたから見えた景色を私も見てくるよ。

あなたが天国に行ってから、
忙しく予定をいれて哀しみを感じないようにしてました。

受け入れたくなかった。
受け入れられずにいた。

今哀しみを感じてようやく
あなたの死を受け入れました。

なんでかな？
まだ涙がこぼれては流れていくんだ。

話したこともない。
ただのファンだけど、
間違いなく私の血液の中には
あなたの魂が刻まれている。

あなたの見ていた景色がみたい。
ギターしたいなぁ。

あなたの感じた音楽を奏でてみたい。
あなたの感じた景色を見てみたい。

カッコつけずにいうと、
涙が毎日止まらない。

チバユウスケさん、嘘だろ。
しゃがれた声で、
まだライブしてくれるんでしょう。

嘘だと誰かいってくれよ。
若すぎるよ。
早すぎるよ。

心のぽっかり空いた
あなたは他の音楽ではうめられない。

哀しくて仕方ない。