朗読 さよなら博多
朗読フリー
作品ともりん
梅の花が咲いていた
雪も降りアスファルトの道は所々凍っている
『派遣期間終了です』
突然派遣社員は切られる
わかっていたのに
使い捨てホッカイロようにポイ捨てされた
私は絶望のふちにたっていた
30歳は仕事も婚活も
博多だと売れない年齢
この先どうしようと焦りに焦って
眠れない夜を過ごしていた
恋愛はずっとしていたが
結婚はしていなかった
というのも
曲者(くせもの)で寂しがり屋で婚活女子
モテないわけではないのだ
むしろモテる
彼氏なんて途切れたことがない
結婚は二度破棄している
ではなぜ婚活女子をしているか?
結婚したい相手がいなかった
婚活パーティーでは
3人の男性にお声をかけて頂いた
が全てお断りをした
なぜか?
自分と自分会議をしたのだ
『あなたは本当に何がしたいの?』
6時間A4の紙6枚に脳の中の想いをだした
親への文句
姉への恨み
友達への嫉妬
元彼へ怨念
人生の不安
がでてきた
そして最後にでてきた言葉がこれだった
『東京で暮らしたい』
あぁこれが本音だ
納得がいき私はすぐに動いた
東京の住む場所をネットで探した
東京の生活費をリサーチした
東京のシェアハウスをリサーチした
東京の仕事を仕事の合間に探した
不思議とゴールが決まると
ドミノ倒しのように物事が
タンタンタンと決まった
東京の住む場所も決まり
東京の仕事も決まった
そして東京で必要な荷物を運ぶのも
仲良しの知り合いが安く運送してくれた
親友と焼き鳥を博多駅で食べながら
高速バスで東京へ行く前に
博多の最後を味わっていた
高速バスに乗り
手を振る親友を見ながら
私は魔女の宅急便のテーマを
ガンガンにかけながら
こう思った
さよなら博多
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